兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

H30年12月第342回 定例議会 伊藤議員 代表質問

 伊藤勝正県議が第342回定例県議会で12月7日、代表質問に登壇しました。中では、子育て支援策や県民の健康増進、中小企業の事業承継対策、地元地域の課題でもある瀬戸内海の環境保全、また安全安心の確保など「住んでよかった」と思える兵庫づくりに向け県の考えをただしました。

第342回(平成30年12月)定例県議会 代表質問 伊藤勝正

質問項目

  1. SDGsを踏まえた県政の推進について
  2. ひょうご放課後プラン(児童クラブ型)の推進強化について
  3. 糖尿病重症化対策について
  4. 福祉人材確保に向けた「学び」や「学び直し」の推進について
  5. 中小企業の事業継承対策について
  6. 豊かな海を守る取組について
    (1)豊かな海の実現について
    (2)海岸漂着ごみ対策について
  7. 第3期ひょうご教育創造プランについて
  8. 体感治安向上に向けた体制強化について

質問・答弁のダイジェスト

1、SDGsを踏まえた県政の推進について
伊藤県議
 2015年の国連で採択されたSDGs「持続可能な開発目標」は「誰ひとり取り残さない」との理念で、世界が抱える課題を解決し2030年までに貧困のない、持続可能な世界を次世代に受け継いでいくために世界各国が合意した17の目標、169のターゲット、232の指標のことで世界各国、国内各地で注目され、具体的な取組が始まっている。17の目標は「すべての人に健康と福祉を」、「産業と技術革新の基盤をつくろう」など多岐にわたり、今後本県が目指す方向性とも多くの点で符合する。

 国においてもSDGsが示す多様な目標の追求は、地方自治体における諸問題解決に貢献し、地方の持続可能な開発、すなわち地方創生に資するものとしている。そのため従来の「環境未来都市」構想のさらなる推進を通じた、より一層の地方創生に向け、今年8月には「環境未来都市」構想推進協議会を発展的に改組し、「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」を発足させた。47都道府県と158の市区町村、関係府省庁12団体、民間団体等219団体が会員となっており、本県では神戸市、尼崎市など4市もプラットフォーム会員自治体となっている。

 北米やヨーロッパでは、SDGsに取り組む企業は高く評価されており、日本でも、ジャパンSDGsアワード総理大臣賞を受賞した北海道下川町では、人口減少に歯止めがかかり個人住民税収が増加するなど、SDGsの理念を踏まえた企業活動や自治体運営は評価され成果も出ている。

 そこで、今後の県政推進にあたり施策全般にわたって世界的な潮流であるSDGsの理念や目標を組み込むことを検討すべきではないか。

井戸知事
 本県は参画と協働を基本に活力ある兵庫づくりをめざす県政を進めてきた。その意味ではすでに、地域創生戦略をはじめとする県の施策はSDGsの理念や目標に沿ったものと考えている。例えば目標の一つである「すべての人に健康と福祉を」に対しては、医療や介護等を地域ぐるみで提供する地域包括ケアシステム等を推進している。

「産業と技術革新の基盤をつくろう」では、先端産業の育成や環境問題に関する技術交流、「住み続けられるまちづくりを」では、防災減災対策や国際防災関係機関との連携、コウノトリ育む農法など人と自然が共生するまちづくり等を推進している。

 今後、地方と海外との直接的な交流、企業の海外展開に際し、先行事例について情報を共有し、理解を深めることが必要となってくる。昨年、全国に先駆けてJICA関西や近畿経済産業局、関西広域連合が協働して「関西SDGsプラットホーム」を設置し、連合長として顧問に就任した。「関西SDGsキャラバンin兵庫」の関西など産学官によるSDGsの取組の発信やルワンダでの雷害対策といった先進的事例の共有を図るなど企業による国際協力の支援も行っている。地域活性化に向けた戦略の策定や県政各分野の施策の推進に当たってはSDGsに意を用いつつ、活力が持続する兵庫づくりに取り組む。


2、ひょうご放課後プラン(児童クラブ型)の推進強化について
伊藤県議
 幼児教育の無償化や保育の受け皿整備に伴う保育ニーズの高まりに合わせて、小学校における放課後児童クラブの重要性が一層高まっている。実施主体の各市町では、量的及び質的確保に向けて計画的に対応しているところだ。

 量の確保については、小学校内の余裕教室や専用施設だけでなく幼稚園や保育所等も活用し順次受け皿の拡大を図っており、県内の平成29年5月の放課後児童クラブ開設数は1278箇所となっている。しかし、ニーズに十分に対応しきれておらず、今後も引き続き受け皿整備の支援を行っていくことが必要である。

 一方で、質の確保も大切で、県では事業に携わる放課後児童支援員等の資質向上や情報交換・情報共有を図る研修や保育士等の資格を有する人が支援員として勤務するための認定資格研修などを実施している。しかし、支援員は資格要件が緩和されてきているが増加する入所児童数に対して採用が追い付かない状況がある。

 放課後の児童を安全に保育するためには、安定的な支援員の確保が喫緊の課題で、これに対応するため現在「放課後児童支援員等処遇改善事業」として、家庭・学校等との連絡および情報交換等を行う常勤職員を配置する場合に、その賃金改善に必要な費用に対し国・県で3分の2を補助するほか「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業」として、勤続年数や研修実績等に応じた賃金改善に要する費用に対して補助する制度を設けている。しかし、これらの制度は賃上げを促して支援員の確保を目指すものだが、ベースとなる部分は市町まかせとなっており、抜本的な賃金の底上げにはつながりがたい制度である。

 そこで、県下で放課後児童クラブの利用を必要とする児童数等の現状とともに、市町の財政力等によって放課後の見守り体制構築に差がでないよう、受け皿拡大の加速化や支援員確保への県独自の支援強化について伺う。

井戸知事
 受け皿の拡大については、全市町に対し、国庫補助事業等の活用による受入れ児童数の拡大等を働きかけ、今年度54箇所を新たに整備・拡張し約2000人の定員を確保する予定である。支援員の確保については、県内各地で認定資格研修会を平成27年度から延べ36回開催し3292人を支援員として認定するとともに、中堅支援員などを対象とした質の向上研修を開催し専門性の向上に取り組んでいる。

 また、開所時間を午後7時半まで延長する場合に賃金の上乗せを行う、他府県では例のない県独自事業を実施するとともに、国に対し支援員の処遇改善につながる補助金の単価増額や補助要件の緩和を要望している。

 今後とも、市町が財力等のいかんにかかわらず、地域の実情に応じた取組を進めるよう、県・市町子ども・子育て支援協働会議等において、国や県の補助制度を活用した事業展開を呼び掛けると共に、民間企業の参入や指定管理者制度の導入など個別の市町の状況に応じた運営や人材確保等について助言するなどきめ細かな支援を行っていく。


5、中小企業の事業承継対策について
伊藤県議
 中小企業白書に取り上げられた2016年の「休廃業・解散企業動向調査」によると倒産件数は2008年の1万5646件をピークに2016年では8446件と半減しているが、休廃業や解散は2000年の1万6110件に比べ2016年は2万9583件と2倍近く増加している。現在、中小企業経営者の平均引退年齢は70歳となっているが、2025年までに70歳を迎える経営者は約245万人になると推測され、約半数の127万社(日本企業の3割)が、後継者未定といわれている。

 国では、中小企業基盤整備機構における第三者へ事業の引継ぎを希望する中小企業と譲り受けを希望する企業とのマッチングを支援する「事業引継ぎ支援データベース」の構築といった支援事業を展開している。

 一方、県議会では平成27年10月に「中小企業の振興に関する条例」を制定し、同条例18条には中小企業の事業の承継の促進が規定され「県は中小企業に蓄積された経営資源の散逸を防ぎ、円滑な事業の承継を促進するため中小企業の後継者の育成、経営資源の効果的な活用に対する支援その他の必要な対策を講ずるものとする」としている。

 本県では国の施策とも歩調を合わせ、事業承継税制の優遇措置や経営承継円滑化法による金融支援などの取組のほか、神戸商工会議所に事業引継ぎ支援センターを設置し、事業価値を評価して新たな展開を目指すМ&Aなどマッチング支援にも取組んでいる。

 今年度からは新たに、ひょうご産業活性化センターが事務局となり事業者向けのセミナーや事業承継診断の実施などにも取組んでいるが、これまでの取組の成果はどうであったか、また今後、課題とされる2025年を見据えどのような目標を掲げ実効性ある施策をどう展開していくのか。

井戸知事
 事業承継については活性化センターを中心とした商工会・商工会議所や金融機関等で構成する事業承継ネットワークによる事業承継診断の実施や神戸商工会議所の事業引継ぎ支援センターによるマッチング支援を行っている。

 事業承継に係る税負担の軽減措置の認定は29年度の27件から30年度は10月末で71件に増えている。事業引継ぎ支援センターの相談も48件から122件に増え、マッチングにいたったものが2件ある。事業承継診断は10月末で約4600件で、このうち支援が急がれる約30件について税理士等の専門家を派遣する予定である。

 一方、事業承継診断のうち詳しく話を聞くことができた約1000件を分析したところ、後継者がいないにもかかわらず具体的な対策を検討していない経営者が多いことが明らかとなった。こうした経営者には事業承継の重要性を認識してもらうための働きかけを強化するとともに、引き続き事業承継診断についても当面1万件を目標に実施していく。これに加えて起業プラザひょうごを活用し、中小企業の事業を引き継いで新規事業を立ち上げる事業承継型企業を促していく。


6、豊かな海を守る取組について
  (1)豊かな海の実現について
伊藤県議
 平成27年に改正瀬戸内海環境穂以前措置法が成立し、従来の「水質の保全」「自然景観の保全」に加え「沿岸域環境の保全・再生・創出」「水質の管理」などに取り組むこととなった。また、具体的施策としては漂流ごみ・海底ごみの除去、貧酸素水塊の発生機構の解明、栄養塩類の適切な管理に関する調査・研究等に関する規定が新設され、豊かな瀬戸内海の再生に向けた大きな一歩となったが、法改正後の実質的な取組には至ってなかった。

 しかし、このたび新しい「播磨灘流域別下水整備総合計画」が策定され、沿岸部に立地する加古川下水浄化センター、二見浄化センター、五色浄化センターの3下水処理場からの放流水の窒素濃度を冬季に上げる季節別処理水質を全国で初めて認定することとなった。その他の21処理場においても季節別運転を施行し、本運用への移行を目指すこととなりその成果におおきに期待するところだ。一方で、今回の取組を県民、とりわけ子どもたちにわかりやすく周知することも重要である。

 そして、豊かな海の再生は日本海にとっても瀬戸内海と同様喫緊の課題だ。ある漁師さんによると「水産資源の問題は瀬戸内海だけではなく、日本海も深刻だ」とのことで11月に解禁となったズワイガニも資源管理の観点から漁獲量を自主的に抑制するなどの対応をしていると伺っている。

 水産資源の激減による漁業関係者や漁場沿岸地域の方の先行き不安、モチベーション低下を払しょくするために、瀬戸内海と日本海、それぞれの海に対応した豊かな海の再生の取組は待ったなしだ。瀬戸内海における施行から本運用となる処理場の拡大のため、排水基準のさらなる緩和など着実な取組と具体的な短期目標を示していくとともに、日本海における取組とあわせて兵庫の海の再生を進めていくことが重要と考えるが所見を。

井戸知事
 適切な栄養塩の供給に関しては、海域の窒素・リンの下限値の設定とそれを達成するための施策を環境審議会で審議中である。引き続き、下水処理場の季節別運転の取組を拡大するとともに工場・事業場からの栄養塩供給も検討する。

 生物生息域の再生・創出は、第二の鹿ノ瀬等の増殖場整備や地域団体活動への助成等により藻場・干潟の再生を進めるほか民間事業者による環境に配慮した護岸等の整備に向け、関係団体と連携して取り組んでいる。一方、日本海においては、ズワイガニ等の水産資源の持続的な利用を確保するため、引き続き国と連携した増殖場の整備を進めると共に、資源調査や漁業者への情報提供を行っていく。

 そして、それぞれに特色のある瀬戸内海と日本海という二つの海を兵庫の海として、水族館と連携したイベント等を通じて豊かな海の必要性を広く県民にPRし、その理解と参画の促進を図っている。さらに、2021年に本県で開催予定の第41回全国豊かな海づくり大会では、豊かな海の重要性と再生に向けた取組を全国に発信するなど、本県らしい大会となるよう準備を進めていく。


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