兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

H31年2月第343回 定例会 野口県議 一般質問

 野口ひろし県議が第343回定例県議会で、2月25日に一般質問に登壇しました。中では、阪神・淡路大震災25年を迎えるにあたっての防災・減災への取り組みをはじめ、2025年に開催される大阪・関西万博に向けての本県の魅力の発信と観光戦略の推進、また、がん対策推進条例や元気と希望あふれる兵庫づくりを目指す「兵庫2030年の展望」の実現などについて県当局の姿勢を厳しくただしました。

第343回(平成31年2月)定例県議会 一般質問 野口ひろし

質問項目

  1. がん対策推進条例について
  2. 阪神・淡路大震災25年に向けた防災・減災への取組について
  3. 今後の戦略的なひょうごの魅力発信について
    (1)大阪・関西万博に向けた本県の体制づくりについて
    (2)観光戦略推進の強化について
  4. 多文化共生社会への取組(入管法改正への対応)について
  5. 「兵庫2030年の展望」の実現に向けた取組について

質問・答弁のダイジェスト

1、がん対策推進条例について
野口県議
 私は昨年10月の決算特別委員会の総括質問で、本県における「がん対策条例」の制定の必要性を訴え、知事は「健康づくり審議会、対がん戦略部会で検討してもらい、条例化が必要という結論が出るようなら早速に条例化を図りたい」との答弁をされ、この度「がん対策推進条例」が上程された。

 そこで、今回の条例化によりこれまでの推進計画を軸とした取組の課題解決に向け、より一層の対策強化が求められる。

 第1に、がん予防・早期発見に対する県民への啓発及び意識変革の取組である。県下における職域を含む検診受診率は、2016年における過去1年間を見ても5大がんの中、受診率の高い肺がんでも40.7%、最も低い胃がんでは35.9%で何れも全国で42位の受診率となっている。がん検診を受けない理由として「費用がかかる」36.6%、「心配な時は、医療機関で受診する」28.9%となっており、症状のない時に定期的に受診することで、早期発見、早期治療が可能となるという意識が充分でなく、市町との連携による受診助成や勧奨へのインセンティブが必要となる。

 また、受動喫煙防止条例の改正も今回上程され、子ども、家庭における受動喫煙防止の規制が盛り込まれ、健康・がん対策への取組が強化されようとしており、県民への啓発、意識改革の働きかけも「連動して」強化する必要がある。

 第2に、がん患者の治療と就労の両立を支援する環境の整備である。がん患者の約3人に1人は、就労可能年齢で罹患し、平成26年の調査では、在院日数が平均19.9日と短くなり、外来患者数は約17万1千人で入院患者数の約12万9千人を上回っている。がん診療連携拠点病院等に設置されている「がん相談支援センター」における、生活と働くことをサポートする両立支援を担う人材の配置など体制の充実が特に重要である。

 第3に、AYA世代へのがん対策の充実である。国立がん研究センターが公表した15歳から39歳の思春期・若年成人、先日白血病を公表した競泳の池江璃花子選手もそうですが、いわゆるAYA世代と言われる患者へのがん対策は、小児や中高年に比べ診療体制や支援内容が不十分と指摘され、罹患数や症例の少なさによる情報不足が大きいとされている。特に「どこに相談すればよいか分からない」との声が多く、また、将来、妊娠する能力である「妊孕性」に対しては不安も多く、丁寧に説明する努力が求められており、各医療機関で相談窓口の標榜を行う仕組みづくりが必要である。

 さらに、こうした対策を推進するうえで、知事が率先垂範して行政や医療関係者及び事業者等からなる、がん対策の更なる強化に向けた横断的な体制づくりを鮮明に打ち出すことが、今回の条例化の大きな意義であると考えるが、これらの取組について知事の所見を。

井戸知事
 第1については、がん検診を受けやすい環境を整備し、受診者の増加を図る必要がある。ご指摘のとおりです。居住する市町だけではなく、市町外でも受診できる場と仕組みを市町と協力して来年度は構築していく。さらに、チャレンジ起業以外の従業員数100人以下の中小企業に対しても、検診の助成制度を拡充する。

 また、第2のがん患者の治療と就労の両立支援は重要な課題である。がん患者が就業継続できる環境整備の一つとして、がん治療のため一時休職する従業員の代替職員を確保しやすくする事業、助成をするということだが、新たに創設する。がん診療連携拠点病院に設置されている相談支援センター等の対応も、例えば就業継続のためのハローワークとの連携強化などを充実させていく。

 第3の小児・AYA世代のがん患者は、症例数が少ない上に妊孕性温存等の特別な配置が必要である。県立こども病院での高度な専門医療や神戸陽子線センターでの合併症の少ない粒子線治療、「兵庫県がん・生殖医療ネットワーク」による妊孕性温存手術の推進等を支援していく。今回、県立こども病院に相談窓口を創設し、これらの情報を積極的に提供していきたい。

 がん対策を総合的に推進するため、庁内体制として私をトップとする推進本部を立ち上げるとともに、専任の責任者を任命しさらなるがん対策の推進に取り組む。


2、阪神・淡路大震災25年に向けた防災・減災への取組について
野口県議
 平成の30年間は東日本大震災をはじめ近年の豪雨災害など大きな自然災害に見舞われ「平成自然災害」ともいうべき幾多の災害でさまざまな課題と教訓が浮き彫りになった。

 こうした「平成自然災害」からの様々な教訓を活かし30年以内に70〜80%の各地で起こるとされている南海トラフ地震に備え「自らの命は自らが守る」との「自助」の意識、そして行政主導の対策である「公助」は予想被害が大きいほど限界があり、住民主体の防災対策である「共助」への意識転換も必要とされる。阪神・淡路大震災の教訓と経験を「伝える」ことと同時に、災害列島日本では避けられない被害に「備える」ことを一人一人が実行する「縮災」の県民運動を強力に展開していく必要がある。

 いみじくも歴史家、アーノルド・トインビーは「歴史の研究」の中で「文明を興すものは何か」を探り「それは人種でも恵まれた環境でもなく、かえって劣悪な気候の変化や外の文明からの圧力、刺激、困難に元気よく立ち向かう中で生まれ来るものだ」と結論付け、これを外部からの「挑戦」と内からの「応戦」と捉えている。「平成自然災害」からの挑戦に兵庫が応戦する姿を内外に発信していくことが、風化していこうとしている阪神・淡路大震災からの25年の意義である。

 その意味からも「人と防災未来センター」東館の展示内容のリニューアルなど、予想されるこれからの自然災害に備え、「平成自然災害」の経験と教訓を踏まえて「応戦」する内容となるものを多くの人々に発信するよう検討しては如何と思う。

 そこで、平成の災害への対応を踏まえ、阪神・淡路大震災25年に向けた県民一人ひとりの意識の高揚や内外への発信の取組は、兵庫から「災害文化」を発展させ、応戦の「災害文明」を先導する取組につながるものと確信するが知事の所見を。

早金防災監
 県では、これまで県民の防災意識の向上や自主防災組織の活性化支援などを推進してきた。昨年の豪雨災害では、県民の避難行動や高齢者等の避難支援等の課題が改めて顕在化した。そのため、来年度、県民の主体的な避難の実践に向けて逃げ時避難先等を決めておく「マイ避難カード」の普及や防災と福祉の連携による個別支援計画作りを進める「モデル事業」の全市町展開など、対策を充実強化し自助・共助の取組を一層推進する。

 阪神・淡路大震災から、24年が経過し風化が懸念される。改めて震災25年を迎えるにあたり、県民ともどもその経験と教訓を広く県内外に発信し、次なる災害に備えるメッセージとしたい。人と防災未来センターでは、来年度、東館をリニューアルし南海トラフ地震・津波や巨大台風、あるいは豪雨など今後の大規模災害に立ち向かうための知識と技術を提供する。特に来館者の方が楽しみながら学ぶことができるよう、最新のICТ技術等を活用して体験型展示を重視したものにしたい。


3、今後の戦略的なひょうごの魅力発信について
  (1)大阪・関西万博に向けた本県の体制づくりについて
野口県議
 昨年11月、大阪・関西での2025年国際博覧会の開催が正式に決定し1月30日には万博の実施主体となる「一般社団法人2025年日本国際博覧会協会」が設立された。

 本県においても、万博開催を契機とした兵庫の魅力発信、地域の元気づくりにつなげていくため積極的な取組を行っていくべきと考えるが、12月定例会において知事は「万博開催の効果を最大限に取り込むため、兵庫の強みを生かした取組を今後検討していく」と答弁された。

 今後、具体的な検討を進めていくと思うが、まずは県として一体的に取り組むための全庁横断的な体制をしっかり作ることが必要だ。インバウンド対策、インフラ整備など万博に関連して取り組むべき項目にかかわる部局は幅広いと思うが、各部局がバラバラに動くのではなく、戦略的に取り組むための戦略本部を設けるべきである。サテライト会場を設置するために2019年中に博覧会国際事務局に登録申請書を提出すると聞いており、そのためにも早急に体制整備を図る必要がある。

 そのうえで、阪神間を中心とした県内の市・町や民間団体なども巻き込んで、官民一体となって万博に向けた取組を議論していく連絡会議のような場を設けることも必要だ。県が中心となり、様々な知恵を結集させることで県全体の万博に向けた機運を高めるとともに、各市町や民間のポテンシャルを引き出し、効果的な取組が実現できる。そこで、大阪・関西万博に向けた本県の体制づくりについて所見を伺う。

井戸知事
 2025年の万博については、誘致段階から関西広域連合をはじめ関西が一体となり実現したもの。まさに「大阪・関西万博」であり、関西全体で積極的に盛り上げていきたい。

 本県においては、まず、今回のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」に沿った本会場への出展内容を検討していく。二つに、神戸ポートアイランドや淡路島を想定したサテライト会場の可能性である。先端医療や水素社会の実現など、あるいは御食国、環境未来島などがテーマになり得る。三つに、夢洲会場と本県を結ぶ海上アクセスの検討など、これらを中心に検討していくことになる。

 また、観光誘致や兵庫をアピールするイベント出展についても検討していく。このため、先般、関係課長による準備会合を開き、様々なアイデアの検討を始めた。同様の検討を開始した神戸市とも今後連携を図っていく。4月には専任スタッフを配置のうえ全庁的な推進本部を設置するなど体制を整える。

 すでに、万博の運営組織である日本博覧会協会が発足しており、5月ころには事務総長が就任されると聞いている。テーマの深堀や会場計画等の開催計画の具体化に向けた検討が本格化するので、これにも対応していく。


5、「兵庫2030年の展望」の実現に向けた取組について
野口県議
 展望の実現に向け、昨年から県下の各地域でビジョン委員会のメンバーを中心に意見交換を展開されるとともに、来年度予算において各県民局・センターが展望の実現に沿う内容の事業を実施する場合、「すこやか兵庫枠」として採択することとしている。また、各市町に対しては「ひょうご地域創生交付金」が予算化されている。ビジョン行政の推進は、こうした取り組みが一般的だが果たしてこれで充分といえるのか。

 一方で、人口減少・地方消滅の危機を回避するため、国では2014年に「まち・ひと・しごと創生本部」が設置され、本県においても2015年に地域創生戦略が策定され、2019年までの戦略の最終年を迎えようとしている。

 もとより、地方創生は長年にわたって形づくられてきた我が国の「国のかたち」そのものを変えるもので、一朝一夕になし得るものではない。試行錯誤を繰り返しながら、その地域に有効な地域創生とは何かを粘り強く追い求めていかなければならないテーマでもある。第1期の戦略策定は企画県民部が各分野の課題を分析し国の事業採択に沿う形で戦略としてまとめたと言っても過言ではない。

 第2期の戦略策定では、これまでの取組の検証・課題を踏まえ一層の実効性ある戦略にしていかなくてはならない。そこで「兵庫2030年の展望」の実現を次期地域創生戦略の軸に据え「すこやか兵庫」を目指す戦略展開としては如何でしょう。戦略の改定にあたっては、従来の県庁内の議論にとどまらず、次世代産業や医療・福祉の分野、農水産業や教育分野、インフラ分野など多岐にわたる分野の専門人材との議論の場を設け、内容を深めていくことが重要である。

 また、戦略の推進にあたっては県民局・センターと市町が連携し、兵庫の五国の力を活かすことがこれまで以上に重要となる。県はこれまでも戦略推進のため「地域創生枠」として県民局・センターに予算措置をしてきたが、ハード整備やイベント事業などで消化され、地域創生のための戦略的な事業には繋がらなかったきらいがあり、より実効性のある事業展開が求められる。

 そしてなにより、展望の実現にはあらゆる主体を巻き込み、活動のうねりを興すことが必要である。若者から高齢者まで年齢層に応じた啓発や意見聴取、また、集落単位から県域をまたぐ範囲までエリアに応じた取組の促進など重層的で多角的な取組が必要である。
そこで「兵庫2030年の展望」の実現に向けた取組を一層加速すべきと考えるが所見を伺う。

井戸知事
 展望で描いたのは、豊かな暮らしが実現し、活力が持続する兵庫の姿である。まさに、地域創生のめざすところではないか、このように考えている。次期「地域創生戦略」は展望を具体化するプログラムと位置づけ、とりまとめの作業を行っている。

 次期戦略の中では、先導的取組として、11の将来像ごとにリーディングプロジェクトを設定したいと検討している。具体的には、価値創造経済ではベンチャー企業等が次々と生み出される「起業立県の実現」、全員活躍社会では誰もが生きがいを持って働き続けられる「80歳現役社会の構築」、環境先進地では水素等を活用しエネルギーの自立を図る「スマートシティの実現」、交流五国では、多くの外国人が活躍し共生する「地域国際化の推進」などをリーディングプロジェクトとしてまいりたい。そのためにも、展望の策定に関わった若手研究者など、各分野の専門人材の参画を得て戦略の策定を進めていく。

 また、県民局等での実効性のある施策を推進していかねばならない。来年度予算では「すこやか兵庫枠」を創設した。「新宮晋 地球アトリエ構想」の推進、「但馬発 演劇文化発信プロジェクト」など、展望を踏まえた地域の特色ある取組を重点化し、市町とも連携し展開していく。

 もとより、展望の実現には行政だけではなく、ご指摘のように県民・地域団体・事業者等の力が欠かせない。このため、各地域ビジョン委員会等への説明会とともに、地域の自治会や商工会・JC等との意見交換、中学・高校・大学への出前講座等を重ねている。来年度は「県内外に発信する全県フォーラム」のほか、「産学官等で方策を探るリーディングプロジェクト推進フォーラム」「大学生等が政策提言を行う若者フォーラム」などを連続開催して、オール兵庫での活動につないでいく。
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