兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

H30年6月第341回 定例議会 谷井県議 代表質問

谷井いさお県議が第341回定例県議会で、9月28日、代表質問に登壇しました。質問では、兵庫の未来の姿を描いた地域創生戦略への取組をはじめ、さらなる障害者支援、安心して子育てできる環境の整備などだれもが住んでよかったと思える兵庫づくりに向け県の姿勢をただしました。

第341回(平成30年9月)定例県議会 代表質問 谷井いさお

質問項目

  1. 実効力ある地域創生戦略の推進について
  2. 被災者生活再建支援制度の充実について
  3. 障害者の高齢化・重度化への対応について
  4. 幼児教育無償化の推進について
  5. 保育人材の確保に向けた取組強化について
  6. インフラ整備の計画的推進と県内企業の健全育成について
  7. 多様な学びの場の充実について
  8. (1) フリースタイルを活用した不登校児童生徒対策について
    (2) 夜間中学校の充実について
  9. 新しい兵庫県警察の組織体制のあり方について

質問・答弁のダイジェスト

1、実効力ある地域創生戦略の推進について
谷井議員
 先日公表された平成29年度の地域創生戦略の実施状況報告では、健康寿命はおおむね目標を達したが、それ以外はいずれの戦略目標も目標値を下回ったという結果になっている。社会増減の数値を詳しく見ると、平成29年の転出超過は6657人、特に20歳代前半の若者が約4000人で、その多くが東京と大阪府への転出という状況だ。

 こうした状況について、項目ごとにさらに詳しく掘り下げた分析を行い、対応を検討すべきである。例えば社会増減でいうと、同じ転出でも東京と大阪ではその理由が異なる。一方で、阪神間では転入超過となっており、中でも尼崎市は20歳代が転入超過になっている。こうした地域ごとの動向もしっかりと分析し要因を突き止め、真に効果的な対策を打ち出していく必要がある。

 特に中核となるのは経済活性化による社会増対策だ。県がもつ大学等の教育・研究機関、人材、産業集積、交通条件等を含む地域の資源を精査し、その強みを十分に生かした地域産業を育成し、魅力ある仕事を創り出し、兵庫に残りたい、来たいという人を増やすことが重要。また、自然増対策も社会増対策と連動している。女性の働き方改革、子育て支援について企業等における意識改革とそれを進める具体的な施策の一層の展開が急務と考える。

 そのためにも、地域創生戦略において事業を総花的に並べたてるのではなく、地域特性に応じた目標達成に真に必要かつ効果的な施策を、選択と集中によりメリハリをつけて打ち出すことにより、実効性を持たせた戦略内容とすべきだ。そこで、地域創生戦略の実施状況をどのように評価・検証しているのか、また、今後どのように取り組んでいくのか。

井戸知事
  平成29年度の実施状況報告では、自然増(子ども子育て・健康長寿)対策、社会増対策、地域の元気づくりの4つの戦略の推進状況や課題・方向性の枚描くかを図るため、評価体系を刷新し新たに目標達成に大きく影響を及ぼす重点指標、施策の方向性を検証する政策アウトカム指標を設定した。人口対策では自然増の子ども子育て対策、社会増対策とも目標を下回っている。子ども子育て対策では、重点指標として設定した子人率、出生率、女性人口とも低下・減少傾向にある。これらを高める政策項目である若者の経済安定化、働き方改革、子育て環境整備などの強化・充実が必要である。

 また、社会増対策では移住者数、交流人口は目標を上回ったものの若者流入数、女性流入数、県内企業就職率はいずれも目標を下回った。特に20〜30歳代女性の人口減少、東京圏等への転出超過の拡大が課題であり、就職促進、地域産業の振興、移住・定住の促進などの充実が急務である。

 このため、今回の補正予算では、女子学生が現場の第一線で活躍する女性から直接学ぶ機会を設けるなど、県内就職・就業促進の取組を新たに展開する。また、受入拡充が期待されている保育所等の定員の弾力化支援にも取り組む。他方、社会増の拡大に向けては、移住の可能性の高い他府県住民に焦点を当てた全国初の取組として「ひょうご県外県民登録制度」を創設する。

3、障害者の高齢化・重度化への対応について
谷井県議
 障害者が65歳以上になると介護保険サービスを優先的に利用しなければならないため、これまでのなれた事業所において受けていた障害者総合支援法に基づくサービスを利用できないことや、要介護認定が低く判定されサービスが低下すること、1割の利用者負担が発生する問題など、介護保険制度の利用意向に伴う課題が指摘されている。

 65歳になっても一律に介護保険制度優先とせず、本人の意向に沿って障害者総合支援法のサービス利用と選択ができる仕組みとすることや、介護保険サービスに移行する際にも、従来利用してきたサービス内容の制限や量の低下が生じないよう継続性を保証すべきである。

 また、心身機能が低下した高齢の障害者について、障害福祉サービス事業所で十分なケアが行えなくなっている現状がある。施設のバリアフリー対応や事業所スタッフの介護技術・知識の向上が必要であり、そのための支援策が必要である。

 さらに、平成30年3月31日現在の県内の重症心身障害者の数は約3100人で、そのうち約900人が重症心身障害者施設に入所され、役2200人は重度訪問介護サービス等を利用しながら在宅で生活されている。しかし、その障害者自身が高齢化していることや、医療的なケアが必要な重症心身障害者の場合は24時間の常時の支援が費用であるものの、介護する家族も高齢化するなどにより、在宅での生活が困難なケースも発生している。

 施設入所か、在宅生活といった二者選択では対応できない状況が窺えることから、例えば医療的ケアが必要な障害者に対応できるグループホームの整備を積極的に進めるなど、利用者のニーズに応じた多様な選択肢の整備が必要だ。そこで、障害者の高齢化・重度化を踏まえた障害福祉サービスの基盤整備をどのように推進していくのか伺う。

井戸知事
 障害福祉サービスから介護保険サービスへの移行については、切れ目のない支援を実現するため
@法改正により可能となった、一定の低所得障害者に対して介護保険制度移行後も1割負担が免除される制度の活用や、65歳になっても引き続き従来の事業所で障害福祉サービス並みのサービスが利用できる共生型サービスの導入などを市町や事業所に働きかけている。
A相談支援専門員やケアマネージャー等に対し、障害と介護の両制度の相互理解を深める研修を平成27年度から実施している。

 一方、障害者の高齢化や親亡き後を見据えた重度障害者等の住まいの確保については、平成30年度の障害福祉サービスの報酬改定により新設された24時間体制で重度障害者を支援できる「日中サービス支援型共同生活援助」を活用するとともに、住み慣れた地域で全身介護や医療的ケアを受けられるよう、地域の医師会等と連携した医療体制の確保や施設のバリアフリー化をはじめ医療型グループホームの創設の検討を進めている。

5、保育人材の確保に向けた取組強化について
谷井県議
 本県では、2015年度において保育教諭、保育士及び幼稚園教諭の人数が合わせて19000人余りだったが、2019年度には23000人余り必要と見込まれている。しかし、県内の保育士養成施設を卒業した保育士資格取得者のうち、そのまま保育所に就職するという割合が5割程度にとどまっていたり、勤続年数が全職種平均と比べて短いなど、安定した保育士確保が大きな課題である。

 2013年に厚生労働省職業安定局が、ハローワークの求職者のうち保育士資格がありながら、保育士を希望しない人にその理由を尋ねている中で、最も大きな理由は「賃金が希望と合わない」という回答であったようだが、「他職種への興味」「責任の重さ・事故への不安」「休暇が少ない・休暇が取りにくい」などの項目も理由にあがっていた。また、これらが改善されれば、希望していない人の6割以上が保育士として働いてもいいと答えている。

 安定的な保育士確保のためには給与の増額と合わせて、労働時間の長さや休暇がとれないこと、責任の重さと事故への不安など就労における壁の解消に向けた環境改善策をさらに進めていくことが必要ではないか。また、保育士の養成課程において養成施設での保育所等での実習の結果が、その後の就職に大きく影響を及ぼしていると聞く。実習先の施設ごとに研修内容にばらつきがあり、研修が充実した学生ほど保育士として働きたい意欲が高まり、そうでない学生は現実の厳しさを実感して保育士を希望しないようになっているケースが多いとのことである。

 そこで、県が関係団体と連携して保育実習の質の向上に向けた取組を行うことも必要ではないか。以上のことを踏まえ、本県の保育士確保に向けた実効性のある取組の強化について所見を伺う。

井戸知事
 県では、保育人材の確保において保育士の給与改善をはじめ、保育士の負担が重くなる3歳児担当保育士を20:1から15:1への配置改善や保育補助者の配置支援による業務負担軽減などに取り組んでいる。また、県単独で職員を配置基準以上に配置している保育所に対し、人件費を支援するとともに、今年度から公定価格の対象外となる中堅保育士にも処遇改善を行える制度を創設したほか、県内各地での就職セミナー・フェアの開催や実践的な復職支援研修等により定着促進と人材確保に向けた取組を強化している。

 ご指摘の保育士養成施設の保育実習は、国の「保育実習実施基準」で実習日数や人数等の基準は示されているが、具体的な内容・方法は現場にゆだねられている。保育実習は学生が初めて保育現場を知り子どもとふれあい、意欲や実践力を養い機会となる。卒業後の保育現場での就職や定着を図る観点からも重要な要素と認識しており、保育関係団体、保育士養成施設と十分に協議を行い、効果的な実習方法の確立に向け検討する。

6、インフラ整備の計画的推進と県内企業の健全育成について
谷井県議
 県では「ひょうごインフラ・メンテナンス10箇年計画」や地域ごとの「社会基盤整備プログラム」など各種計画に基づき、インフラ整備を進めていますが、事業の推進には県内各地域の中小建設業者の力が欠かせない。地域におけるインフラの維持管理や災害時における復旧作業等の対応にも大きな役割を果たしている。こうした地元建設業者が将来にわたって、その役割を果たしていくため、経営基盤を強化し経営の安定化を図る取り組みを進めることが必要だ。

 そのためには、適正な利潤の確保、発注時期の平準化に配慮した上で、分離・分割発注等による県内企業の工事受注機会を確保する必要がある。また、建設業界の働き方改革も進められている中、週休2日制の実現などの担い手の確保・育成の取り組みが重要である。

 そこで、地域におけるインフラ整備の計画的推進と事業予算の安定的な確保、それら事業を施工する県内企業の健全育成に向けた取り組みについて所見を伺う。

荒木副知事
 この度の7月豪雨や台風21号災害では、これまで実施してきた河川改修や砂防堰堤整備等の防災・減災対策、防災施設の機能を維持する老朽化対策など、災害に備えるインフラの整備が被害を軽減した。今後も引き続き「山地防災・土砂災害対策計画」や「インフラメンテナンス10箇年計画」等に基づき、選択と集中による重点化を図りながら計画的にインフラ整備を推進する。

 このため、国庫補助事業について、当初、補正予算を通じて国土強靭化に必要な事業費総額の確保や地震・津波対策のための新規補助制度の提案を行うなど、必要な予算獲得に努めている。また、県単独事業については、有利な起債を活用した別枠措置を行うとともに9月補正予算では、土砂災害対策や河川中上流部対策の前倒しなどで事業進捗を図る。

 一方、県内建設企業の健全育成のためには、経営基盤の安定と担い手確保・育成が重要である。経営基盤の安定のため
@実勢価格を反映した予定価格の設定による適正利潤の確保
A債務負担行為等による発注時期の平準化
B工事の内容や規模、地域の実情を踏まえた分離・分割発注による受注機会の確保などに努めている。

また、担い手確保・育成のため
@工業高校生のインターンシップ、女性技術者の活躍機運の醸成など入職支援
A土木工事の週休二日制原則化など働き方改革の推進
B県発注工事での社会保険等加入の入札参加要件化など労働環境の改善に取り組んでいる。

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