議会報告

  • 岸本 かずなお
    第355回(令和3年9月)定例県議会 代表質問(岸本かずなお議員)

    ≪質問項目≫
    1、知事の県政運営に対する基本姿勢について
    2、知事の描く「兵庫のすがた」について
    3、行革の推進について
    4、関西広域連合の今後の展開について
    5、第6波に備えた医療体制の強化に向けた今後の新型コロナ対策について
    6、「感染症対策専門機関」の構築について
    7、飲食店や中小企業の支援について
    8、企業誘致について
    9、スポーツ行政の企画・戦略を担うスポーツ局(仮称)の創設について



    ≪質問と答弁のダイジェスト≫

    1、知事の県政運営に対する基本姿勢について

    (岸本県議) 知事は「ひょうごを前に進めよう!5つのビジョン+ワン」の中で「従来の延長線上の県政では限界があります。新しい発想や手法、激しい変化に対応する柔軟性、そして課題に立ち向かう行動力が必要」と述べられている。県民は齋藤知事に新らしい県政を期待されているのだと思う。

    行政には「公益性・公平性・継続性」などが求められる。リーダーや担当者が変わるたびに政策や事業が一変してしまうようでは、県民生活に多大な影響を与えてしまう。かといって、次代や世相の変化に合わせて新しい発想で県政を運営していかなければ、県民ニーズに合った行政を行うことができなくなる。どちらに力点を置いて県政運営をされるのかという質問に対しての答えには、今しばらく時間が必要なのかもしれないが、現段階において知事は、何を変えようとされているのか、また、何を変えないようにされようと考えておられるのか、県政に対する基本姿勢を伺う。

    何故このような質問をするかといいますと、民意が新しい県政を求めている以上、私たち議員も既成概念を捨てて知事とともにひょうごの新時代を築いていかなければならないと考えているからである。

    (齋藤知事) 「参画と協働」ということで県民とともに歩む姿勢は、県民ボトムアップ県政を目指すということで、軌を一にしているので、その土台となる県民とのコミュニケーションの充実が重要だと考えている。県民の目線に立った情報の発信、SNS等の積極的活用、それからワーケーション知事室で県内各地での県民の皆さんと意見交換するなど、県民の皆さんにより近い県政運営をこれまで以上に実施していきたい。

    子育て、医療、福祉、防災など県民の安全安心を守る施策は大切なので、実施していきたい。そのうえで、現場の意見を大切にしながら進めていくことも大事なので、今回第5波へのコロナ対応も、病院や保健所、ワクチン接種会場に足を運び、現場の声を聞いてきて課題を一つずつ改善するという手法で今回第5波について対応してきた。現場を出発点にした県政で、これからも様々な施策を同様に行っていくことで、県民の暮らしを守り、高めていくという県政を実現していきたい。

    そして、五つの国、まさに兵庫五国がともに栄える県土づくりも継承していくうえで、大事なのが民間事業者や近隣府県との連携強化も大事であるし、万博期間中には、兵庫県内に農林水産業や地場産業の現場に誘客をできるような「フィールドパビリオン」、県内各地での「スマートシティ」の形成、民間投資を呼び込んだうえでの「ベイエリアの再生」など、オープンな県政を進めていく中で、さらに兵庫県に活力を生み出していきたい。

    コロナ後、ウィズコロナの時代、変化が激しい時代になってくるが、少子高齢化の加速化もこれからの課題なので、そういったなかなか難しい状況になるかもしれないが、そういった中でもしっかりと守るべきことは守りながら、また、変えるべきところは変えていくということで、より安心で元気な県をつくっていきたい。



    3、行革の推進について 

    (岸本県議)今年度は、行財政の運営に関する条例に基づく総点検の年となっている。各分野のこれまでの取り組みの進ちょく状況を点検、課題の整理等を検証するとともに、新たな課題や社会からの要請に的確に対応できるような行財政の見直しを図っていかなくてはならない。

    中でも、新型コロナウイルス感染症の影響は行財政全般に及ぶと共に、コロナ禍の中で明らかになった、デジタル化の遅れを挽回するため、急ピッチで進められている行政のデジタル化は、これまでの発想や取組の延長線上で考えるのではなく、新たな発想や手法、大胆な改革も必要である。

    今後の取組については先般、当局より今後のスケジュール案や推進体制、総点検における見直しの視点等が示された。今定例会では県議会特別委員会が設置されるなど、県当局と県議会が条例に基づき、足並みをそろえ、取り組もうとする姿勢は伺える。

    しかし、一方で知事は公約に行財政改革を断行するため「就任後ただちにゼロベースでの総点検に着手し、今年度中に改革内容とスケジュールを示した行財政改革プログラムを策定」するとし、就任直後に新県政推進室を設置された。

    我々公明党・県民会議議員団は財政再建は大事と考えるが、県民生活を守るための行革でなければならないと考えており、特に命を守る防災減災対策の県単独事業や高齢者、障がい者、子育て支援等の福祉やスポーツ、芸術文化などの施策の切り捨ては容認できない。

    我々はこれまで生活者目線で、小さな声を県政に届け、様々な施策を実現してきた。こうした施策は県民生活に直結した重要なものである、安易に切り捨てるようなことがあってはならない。そこで今後どのように行革を進めていくのか伺う。

    (齋藤知事)単に収支改善のために削減するというものではなくて、守るべきことは守って、時代の変化に合わせて変えるべき事業を一つずつ変えていく、ということを基本的に行っていくことが大事である。具体的には、施策の有効性であったり、目的、コストに見合ったものか、それから時代の変化とともに必要性があるのかどうか、あとはICTや民間との連携ができるのではないかと、そういった視点を踏まえながらしっかりと考えていきたい。

    財政調整基金については、不測の事態への対応、それから様々な施策を維持していくという観点から、一定確保しておくべきだという考えを、持っているが今回は基金の積み増し事態が行財政改革の目的ではなく、しっかり見直して、行財政構造を確立した結果として、今後基金の積み増しが可能となっていくということを目指したい。



    5、第6波に備えた医療体制の強化に向けた今後の新型コロナ対策について

    (岸本県議)第5波では、連日、最多感染者数を記録するなど、爆発的な感染拡大を引き起こした。そのため、病床や宿泊療養施設が逼迫し、自宅療養で不安な日々を過ごさなければならない人が数多く出た。特に千葉県柏市で起こった、コロナ感染中の妊婦が早産し、赤ちゃんが死亡した事案は大変痛ましい出来事である。報道によると、出産当日、少なくとも9カ所の医療機関に入院を断られたとのことだった。二度とこのようなことを起こしてはならない。

    また、この出産の事案以外にも様々な問題が起こった。例えば、一般の病気やけがで通常であれば普通に病院に行っていた方が、コロナに感染してしまうと、たちまち直接病院には行けなくなり、全て保健所の指示に従わなければならなくなる。そのため、業務が多忙を極めている保健所の職員の手が回らず、病状が悪化しているにもかかわらず病院にかかれないといった声も数多く聴いた。コロナにより、通常医療が逼迫することも防がなければならない。

    これまでの対応からも多くの課題が出てきている。県としても、ある意味、未知なるウイルスとの戦いで最大限努力していただいていることは十分承知しているが、自粛で苦しんでいる多くの皆さまから「何故、未だに対策ができていないのか」との声も聴かれる。

    そこで、第5波が少し減少傾向に転じた今こそ、第6波に備え、今後の新型コロナ対策として医療体制の強化に向けたあらゆる対策を講じておく必要があるのではないか。

    (齋藤知事)対応として具体的には、病床については今回120床を確保し、1、357床の病床体制を確保し、宿泊療養ホテルについても4施設これは神戸市と連携しながらであるが、約2、000室のホテルの部屋が確保できた。それ以外にも、医師派遣型のホテルであったり、酸素吸入装置の増加等を行った。そういった意味で今後何が重要かというと、やはりワクチン接種の促進とともに重症化を防止する治療も大事なので、そういった意味で一つのキーとなるのが抗体カクテル療法をより簡単で便利に受けていただける体制が重要である。

    1つのやり方として県立加古川医療センターに専用の病床30床を確保させていただき、宿泊療養施設と連携したモデル事業を作らせていただいた。これは保健所・圏域で様々なやり方があるが、そういった事例を共有することを第6波に向けて行っていきたい。。



    7、飲食店や中小企業の支援について

    (岸本県議)県では、経済的苦境が続く事業者への支援として、これまでの緊急事態宣言、まん延防止等重点措置、県による要請に合わせ、8期にもわたる支援を行ってきた。しかし、1期、2期では1日あたり4万円、緊急事態宣言期間は一律6万円の協力金では、十分ではないという声も多く出ている。今後、感染予防対策に積極的に協力する事業者への協力金の上乗せや、事業規模や影響の度合いに応じた家賃補助、一時支援金の拡充、月次支援金の対象業種の緩和などの拡充が求められているため、効果的な対策を見極め、施策を確実に展開していかなければならない。

    さらに、事業者からは売上減少を借入で対応しているが、さらなる借入ができないといった切実な声も多く寄せられている。県の無担保・無利子融資などの制度融資は今後、措置期間が過ぎて本格的な返済が始まり、中小企業の年末や年度末等の資金繰りの悪化も懸念されるため、困窮する事業者に対して据え置き期間の延長・返済猶予等を含めた債務の条件変更等の実情に応じた最大限の配慮を検討する必要がある。

    現在、今後の経済復興を目指し、DX人材の育成や新事業展開を応援する中小企業の支援策は講じられるようだが、それに取り残され、度重なる自粛要請での支援金や協力金では事業継続や雇用維持が限界となっている飲食店や中小企業に対して、さらなる支援策を検討する必要があるのではないか。今後の飲食店や中小企業の支援について所見を。

    (齋藤知事)県としては中小、小規模事業者への支援はポストコロナをにらんでしっかり新しい事業展開をしていくことへの応援が大事かと思っており、今回の9月補正で一部計上したが、ECサイトを活用した販売事業への支援、デジタル化(DX)、新しい事業展開をどうしていくかが重要なので商工会等と連携してしっかり応援していきたい。

    資金繰りの悪化に関しては、今のセーフティネットの借り入れでやっていただいているが、ご指摘の通り返済がこれから出てくると据え置きがなくなってくるため、不安な事業者も多く出て来ている状況なので返済の猶予や弾力的な条件変更等、金融機関や信用保証協会と連携しながら柔軟な対応を検討していきたい。

公明党 兵庫県議会議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

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