議会報告

  • 伊藤 勝正
    第357回(令和3年2月)定例県議会 代表質問(伊藤勝正議員)

    ≪質問項目≫
    1、令和4年度予算編成について
    2、県政改革方針及び行財政の運営に関する条例の改正案について
    (1)県政改革方針について
    (2)行財政の運営に関する条例の改正案について
    3、オミクロン株に対する対応について
    4、科学的知見に基づくコロナ対策を推進する体制強化について
    5、難聴高齢者の認知症予防策について
    6、秩序ある海洋レジャー環境整備のルール作りについて
    7、特別支援教育の充実のための整備促進について
    8、通学路の安全対策について



    ≪質問と答弁のダイジェスト≫

    1、令和4年度予算編成について

    (伊藤県議)12月の定例会で知事は「令和4年度当初予算は、私にとってもコロナ禍の創造的復興、躍動する兵庫を具体化するための最初の本格的な予算編成」と述べるとともに、「新型コロナ対応に万全を期し、デジタル人材の育成を含む中小企業のDX、スタートアップ、水素をはじめとしたグリーン産業の創出、さらには観光戦略の推進、播磨灘大阪湾ベイエリアの再生など、ポストコロナ社会にふさわしい兵庫の姿を具体化する施策に積極的に取り組んでまいりたい」と決意を述べられた。
    また知事は、予算編成プロセスについて部局長のマネジメントによる創意工夫を尊重したボトムアップ型の予算編成を行い、厳しい財政状況下でも県民の命と暮らしを守り夢と希望に満ちた躍動する兵庫を実現するため、めりはりの利いた予算編成を行っていくとしていたが、1月の政務調査会で令和4年度重要施策の説明を聴取したところ、昨年度までの施策と違いが感じ取れなかった。各部局に知事の思いが伝わっていたのか。
    知事が掲げた来年度の重点施策の推進には国の財政措置も不可欠と考え、予算編成に先立って例年行われる国の予算編成に対する提案に注目してみた。この国への提案において、新型コロナウイルス感染症対策への支援を除く項目のトップに「新たな価値を生む経済の構築」を挙げられ、「ベイエリアの活性化に向けた海上交通の充実」と「水素社会の実現に向けた取組の加速」を最重点項目とされ、先ほど紹介した知事答弁と符合するが、気になったのが前年の国提案では8ページにわたり求めていた防災・減災対策の推進など「安全な基盤の確立」が、今回の国提案では3分の1頁しか触れられていない。あくまで、国提案での比較とはいえ、国提案は県政課題を反映したものであるとするなら、阪神・淡路大震災を経験し、頻発する災害に耐えうる社会基盤を先駆的に整備してきた防災先進県として大きな方針転換なのかと懸念するところである。
    そこで令和4年度予算編成の総括とともに、厳しい財政状況下で「躍動する兵庫」や「ポストコロナ社会にふさわしい兵庫の姿」をいかに具体化されたのか、特に今までと異なる予算方針、重点施策などについて伺う。

    (齋藤知事)予算編成での新たな方針として、部局の裁量経費である一般事業枠を拡大し、各部局長の総意工夫によるマネジメントを重視した。また、新設した「新県政推進枠」及び改革で見直した効果額を新規事業の財源とするインセンティブとして「行革見直し効果枠」を設定し、部局長の総意工夫やビルドを促進する仕掛けにも意を用いた。
    また、特に重点的に取り組む施策については、年末年始に個別に知事協議を設置し、方向性や視点について議論しながら、確認・共有している。その結果、各部長が創意工夫をこらした施策にも私の思いが十分反映されている。
    具体には、3つの視点を重視した①新しい成長の種をまき、スタートアップの育成強化など持続的な成長、発展を導くこと、②兵庫五国の地域の価値を高め、地域の魅力、ブランド力を高めていくこと、③ヤングケアラーや発達障害児への支援、避難対策の強化など安全安心の網を広げることである。なお、県民の安全安心は全ての土台となるものであり、とりわけ震災を経験した本県にとって、防災・減災対策は重要な課題と捉え、将来の財政負担に配慮しつつ、防災先進県として喫緊の課題に対応する。



    2、県政改革方針及び行財政の運営に関する条例の改正案について

    (1)県政改革方針について

    (伊藤県議)9月定例会のわが会派の代表質問に対して知事は、行財政基盤の立て直しの必要性、単に収支改善のための削減ではなく守るべきことは守って、時代変化に合わせて変えるべき事業を一つずつ変えていくとされたが、その後、新知事のもとで進められると予想していた事業の大胆なスクラップ&ビルドの具体策は見えないまま迎えた12月、副知事のもとで策定された「県政改革方針」一次案と「県政改革方針実施計画」が突然示された。しかも「ビルド」を重視した行財政運営を掲げられているのもかかわらず、実施計画では「スクラップ」しか示されておらず、事業の縮小・廃止等で大きな影響を受ける県下の市町への十分な説明もなかったことから、基本方針に掲げられた「オープンな県政」「誰も取り残さない県政」「県民ボトムアップ型県政」という記述には大変違和感を覚えた。
    一方で、財政収支見通しの試算に用いる経済成長率をベースラインケースに改めることや、県民の安全安心に直結する県単土木の増額、民間活力の活用推進、大型投資事業の慎重な検討など評価できる点も少なくない。それだけに、この一次案をもっと早く提示されていたなら、見直しについての具体的な議論を深めることができ、市町にも理解がいただけたのではないかと考えると今回の見直しの進め方は残念である。
    昨年9月の代表質問で「民意が新しい県政を求めている以上、私たち議員も今までの既成概念を捨てて、齋藤知事とともに兵庫の新時代を築いていかなければならない」と述べさせていただいた。この思いは変わらないが、その前提には、議会や市町、県民への前広で丁寧な説明があることは言うまでもない。
    そこで、県政改革方針に対する知事の率直な思いを改めて伺うとともに、県民から多くの指摘をうけた、ひょうご地域創生交付金や老人クラブ活動強化推進事業などの事業見直しについて、今後どのように見直していくのか、方針策定の総括とあわせて所見を伺う。

    (齋藤知事)見直しの内容が多岐にわたったため、一次案としてのご提示が市町の予算編成が佳境に差し掛かった12月となり、市町等との対話が不十分であったとのご意見を多数頂戴した。このご意見は真摯に受け止め、今後の県政運営に謙虚に活かしていく。
    県政改革方針案には、まず3つの基本方針を掲げ改革の方向性を示した。また、新たな財政フレームでは、税収や財政指標を堅実に見込むため、経済成長率をベースラインケースに見直した。事務事業の見直しでは、単なる歳出削減ではなくビルドを重視した改善に取り組んだ。投資事業は、将来の財政負担に配慮し、別枠事業についても通常事業と同様に地方財政の伸びをふまえた上限を設ける一方、防災・減災対策等喫緊の課題にも対応できる持続可能な枠組みを設定した。
    さらに、政策課題に的確に対応できる体制を整備するため、本庁組織を5部から12部に見直す。こうした取組を着実に推進することで「躍動する兵庫」の実現に向けた持続可能な行財政基盤の確立を目指す。ご指摘のひょうご地域創生交付金や老人クラブ活動強化推進事業など、今後、改善の方向を検討する事業の見直しについては、時代の変化を的確に捉えながら検討し、県議会や市町、関係団体、県民の皆さまに丁寧に説明し合意形成を図っていきたい。



    4、科学的知見に基づくコロナ対策を推進する体制強化について

    (伊藤県議)わが会派では、「重要政策提言」、「予算要望」の新型コロナウイルス感染症に関する最重点要望事項として、保健所機能の一体的な連携を図りつつ、疫学分析や公立病院・大学病院、産業界等の専門の関係機関が情報を共有・分析し、対策の立案や情報発信を行うようなセンター機能の体制整備の必要性を訴えてきた。
    2年以上に及ぶコロナ対策の基本は人流を抑制することが中心だったが、国では、新型コロナの特徴が分かってきたため、外出自粛まで求めなくても、感染が危機的状況になることはなさそうだと、専門家では危機意識のレベルが統一されているとも言われている。政府としては「基本的対処方針」として対策のひな型を示すにとどまり、あとは現場をよく理解している各都道府県知事の判断で、休業要請や時短要請などの感染対策を行うことが求められている。だからこそ、政府の尾身会長等の科学的な分析を、現場レベルの情報と付け合わせながら、県独自のより有効性の高い対策を推進していくことが大事である。
    本県では、感染症に対応する専門家の知見を取り入れる体制として、有識者ヒヤリングや、感染症情報の共有化システムによるデータ共有や分析、県立病院の治療情報の分析や神戸大学と連携した調査研究、健康科学研究所の感染症情報センターにおける情報の集約、分析、発信といった取組が行われているところだが、これらの役割を集約し、新型コロナ対策に特化したセンター機能を強化する必要があるのではないか。
    兵庫県の感染状況についてマスコミで報道されることが多い中、医師や専門家が政治的な判断を含んでいない科学的知見に基づいた分析や、客観的な解説情報の発信も必要である。
    知事が発信する情報は、社会・経済活動と感染対策との両立をにらみ、最終的には科学的知見を内包して政治判断としての情報発信とならざるを得ない。だからこそ、科学的な知見に基づく情報を県民と共有できるようにすることがコロナ対策の納得性のキーであり、そのためのセンター機能を強化することが重要ではないか。

    (齋藤知事)今後は次なる波に備え、新たに体制を強化していくことが必要である。感染症対策の強化にあたっては、知見やデータ分析を重視し、活用していくことが議員指摘の通り重要だ。そのため、大学等の関係機関と連携して、調査研究を進めるほか、保健所設置市も含めた全県でデータを共有して、感染状況の傾向把握等を行う感染情報共有システムの構築、県立病院において治療情報の分析等を行い、そこから得られた知見や専門家からの助言を県の施策に反映させていくことが大事だと考えている。今回のまん延防止等重点措置の延長の要請にあたっても専門家の意見を聞いて対応したものである。
    また、現在、専門家との共同会見や最新の知見を伝えるビデオメッセージの配信など情報発信の充実にも取り組んでいるが、さらにエビデンス等も踏まえた分かりやすい情報提供にも努め、県民の施策に対する理解に繋げていきたい。
    県としては、今後の感染対策の推進体制の強化にあたって、大学等関係機関と連携したこれらの取組を強化し、専門家の方々のより客観的、そして納得感のあるデータをいただき、県民の皆様にもそれを発信して対策を決めていく体制、コロナ本部の機能強化を図っていきたい。



    6、秩序ある海洋レジャー環境整備のルール作りについて

    (伊藤県議)県は明石での水上オートバイによる危険行為や淡路での死亡事故を踏まえ、昨年11月から兵庫県水上オートバイによる危険行為等の対策検討会議を開催し、今月2日には、その検討会議での対策のとりまとめとして沿岸域を徐行とし、安全に配置した操縦を周知徹底するなど、都道府県の海域すべてを対象としたものとしては全国初となる独自のルール設定が示されたところだ。
    この問題は、昨年夏に明石市の海水浴場での危険な水上オートバイの走行が多くのマスメディアで取り上げられ、同時期に淡路市の沖合を走行していた若い男女が乗った水上オートバイが消波ブロックに衝突する死亡事故が発生した。齋藤知事も事故現場を視察され、条例の見直し等に前向きな考えである旨の発言をされた。安全で安心して海洋レジャーを楽しんでもらうために、今回の規制ルールは最低限必要だと考えるが、危険な水上オートバイを規制するだけでなく、これを機に港湾及び海岸における秩序ある海洋レジャー環境整備を目指すルール作りが必要ではないかと考える。
    海でのレジャーといえば、幅広い世代の方が楽しんでいる釣りやSUPなどのアクティビティがあるが、水上オートバイやプレジャーボートが港湾内や漁港内に進入してくることもあり、非常に危険なケースもある。また、私の地元の明石の沖合はタコなどの乱獲、タコ釣りに使用するルアーなどの疑似餌が海底に根がかりして糸が切れて海底に残り、海底にゴミとして放置されていることが問題となっている。漁業者の漁に影響があるばかりでなく、海の生態系にも影響を与えるため看過できない。
    このような港湾及び海岸の状況、課題を把握して秩序ある海洋レジャー環境を整備するためにも、悪質な水上オートバイの対策としてのルール作りに終わらせず、本年秋に本県で開催される全国豊かな海づくり大会にあわせて、だれもが安心して楽しめる海洋レジャーのルールを早急に作る必要があると考えるが所見を伺う。

    (齋藤知事)海洋レジャーについては、港湾法などの法令に抵触しない範囲で自由使用が原則で、それゆえに一部のマナー違反者とほかの利用者の間で、危険行為による事故など、ごみの問題など諸課題が顕在化している。
    顕著な例が議員ご指摘の昨年発生した水上オートバイによる危険行為問題で、来年度からは県の方でも検討会でとりまとめた結果を踏まえて、優良ユーザーの拡大、県独自のルールの設定、啓発・パトロールの強化など対策に取り組んでいる。
    遊漁者によるタコ釣りについては、28年に漁業者と遊漁者が協力して「明石沿岸タコ釣りルール」が設けられた。このルールの遵守に向け関係者と連携しながらしっかりと取り組んでいく。
    また、県が管理するボートパークでは、指定管理者がプレジャーボートの利用に関して、海苔の養殖漁場への進入禁止など漁業者への配慮事項やマナー啓発に努めている。海洋レジャーは、周囲の安全確保と他者に迷惑をかけないマナー遵守が基本である。来年度からはまず水上オートバイの対策に注力をしつつ、引き続き地域の実情に応じたルール、そしてマナーなどの啓発に取り組み、豊かで美しいひょうごの海づくり、これは今年秋に全国豊かな海づくり大会もあり、そういった意味で誰もが安全かつ快適に利用できる環境づくりの実現に向け取り組んでいきたい。

公明党・県民会議議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

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