議会報告

  • 坪井 謙治
    第357回(令和3年2月)定例県議会 一般質問(坪井謙治議員)

    ≪質問項目≫
    1、2025年大阪・関西万博に向けた伊丹を始めとする県内への誘客等について
    2、犯罪被害者支援を行う民間支援団体の活動の充実について
    3、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編について
    4、伊丹市をモデルとした生活困窮者の就労の場の提供について
    5、伊丹市をモデルとした防災協力農地制度の普及促進について
    6、2025年大阪・関西万博に向けた伊丹空港の国際化について
    7、県営住宅における入居要件の見直しや福祉的対応の充実について



    ≪質問と答弁のダイジェスト≫

    1、2025年大阪・関西万博に向けた伊丹を始めとする県内への誘客等について

    (坪井県議) 「2025年大阪・関西万博」では、期間中、国内外から2、820万人もの来場者が見込まれている。多くの人に県内に訪れてもらう大きなチャンスである。そして、兵庫県の魅力は神戸の夜景や姫路城、有馬温泉等たくさんあるが、「文化ただよう」伊丹にぜひきていただきたい。かつての繁栄が偲ばれる街並みや黒瓦と白壁の酒蔵を歩き、「白雪ブルワリービレッジ長寿蔵」「伊丹老松酒造直売所」で食事や買い物を楽しんでいただきたい。
    日本酒は日本の文化と歴史に結び付いており、和食と合う素晴らしい食文化で、海外から来日されるお客さんにアピールするには最適である。また、国内からのお客さんには清酒発祥の地として、かつて繁栄したことを知っていただく大事な機会である。
    齋藤知事は、大阪・関西万博を見据え、観光客等の人の流れを兵庫に呼び込む「フィールドパビリオン」を言われ、そのためしっかりコンテンツを磨きあげていきたいとされている。伊丹は【「伊丹諸白」と「灘の生一本」下り酒が生んだ銘醸地、伊丹と灘五郷】として、日本遺産に認定されている。そのストーリー性も十分で、フィールドパビリオンにふさわしいと考えている。現在、「みやのまえ文化の郷」ではリニューアル工事が行われており、この4月にはきれいな姿となる。
    「2025年大阪・関西万博」の開催まであと3年となった。いよいよ本格的に準備しなければ間に合わない。そこで「2025年大阪・関西万博」を見据え、伊丹等の県内観光地への誘客や清酒等の特産品のプロモーションにどのように取り組むのか。そのために、伊丹等の県内市町とどのように連携し、その取り組みを支援していくのか。

    (齋藤知事) 宮ノ前地区には、歴史的景観の中に日本酒と和食を楽しめる店が多数在り、フィールドパビリオンにふさわしい場所である。この魅力を発信できるよう、伊丹市と近隣4市では、「伊丹諸白と灘の生一本」をテーマに、旧岡田家住宅、白雪の長寿蔵、白鶴資料館等を結び、清酒と料理を味わう周遊ルートを開発している。こうした地元主体の取り組みを、ひょうご観光本部を通じて支援している。令和4年度中には、全県でこうしたコンテンツが約60件出来上がる予定である。
    誘客と特産品のプロモーションは、一体的に行うことが効果的であると考える。例えば、日本酒であれば酒米の王者・山田錦、宮水、丹波杜氏など兵庫の風土と文化が育んだ唯一無二のものであることを伝えることが、誘客につながると考えている。こうした観点から2023年からのデスティネーションキャンペーンでは、「兵庫テロワール旅」をテーマにして、兵庫の風土と人が育んだ産地の味と魅力、ストーリーを全国に向けて発信していきたい。
    2025年の大阪・関西万博には、国内外から約2、800万人、議員ご指摘のとおり大きなチャンスなので、こうしたコンテンツにさらに磨きをかけて、万博来場者を県内各地に誘って展開するフィールドパビリオンへと誘客していきたいと考えている。このフィールドパビリオンのあり方については、今後有識者の方の意見を聞きながら、さらに具体化していきたい。


    3、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編について

    (坪井県議) 伊丹市においては、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合による基幹病院の整備事業が進められており、令和7年度の開設を目指し、来年度よりいよいよ、整備工事に着手するところである。
    この統合新病院は、地域がん診療連携拠点、ハイリスク分娩への対応、チーム医療の実践、感染症対応に転用できる施設整備等、診療機能の充実・強化が図られるが、その中で私が特に期待しているのが、年間約1万件と現在の市立伊丹病院の2倍以上となる救急搬送患者の受け入れ体制整備である。
    この救急体制について、「市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編に係る基本方針」を見ると、新統合病院は、兵庫県保健医療計画に即して「救命措置を要する重篤な救急疾患に常時対応し、2次救急医療機関の後送先ともなる3次救急医療機能を要する救急センターを整備」し、「将来的には医療スタッフ等の充実により、地域に不足している救命救急センターの設置を検討する」となっており、どのような「救急センター」としての機能を果たすのか非常に関心のあるところだ。
    また、兵庫県地域医療構想では、阪神北部の課題として「当圏域は救命救急センターがなく、高度急性期医療の充実を図る必要がある」ことが指摘されており、私は統合新病院が救急センターの機能を高め、高度急性期医療の提供体制が充実することで、今後、地域医療構想の実現に大きく寄与するものではないかと期待している。
    伊丹市では「地域で必要な医療を受けることのできる体制づくりを進め、いつまでも健やかに、いきいきと暮らすことのできるまちの実現」を目指しており、統合新病院はその中核としての役割を担うものと考えている。これらの状況をふまえ、以下、2点について伺う。
    まず、県として統合新病院は阪神北準圏域において、高度急性期・急性期医療、および救急体制の充実に向け、どのような機能を果たす必要があるのか。また、そのために県としてどのように支援するのかを伺う。

    (藪本健康福祉部長) 平成28年10月策定の兵庫県地域医療構想において、高度急性期医療及び救急医療の充実が課題とされている阪神北準圏域管内の基幹病院については、阪神圏域内の三次救急医療機関等との連携に加えて、それぞれ高度・専門医療の強化に向け、再編統合も視野に入れた今後のあり方を検討している。
    このような中で、市立伊丹病院と近畿中央病院は再編統合し、急性期病床の一部を高度期病床へ転換するとともに、ICU4床、HCU・高度治療室16床などを含む重篤な救急患者の受け入れ可能な救急センターを設置して、救急受入体制の拡充等を行うこととする「診療機能・施設整備計画(案)」を令和2年12月に策定した。県としては、統合新病院には今後高齢化の進展に伴い、増加する脳卒中や心不全などの循環器系疾患等へ対応するため、高度急性期及び救急医療体制を強化し、阪神北準圏域における地域医療の基幹病院としての機能が期待されていると考えている。
    そのため県では、地域医療構想の実現に向けて、国による技術的、そして財政的支援の対象となる「重点支援区域」の指定に向けて、この両病院の再編統合等を念頭に「阪神区域」を国に申請するとともに、国と連携して圏域の受療同行の分析データ等を提供して、統合新病院の診療機能等の検討を支援している。
    また、地域医療構想の推進を図るため、再編統合等を行う医療機関に対する施設整備補助単価を今年度から増額することとしており、この統合新病院についても、拡充した施設整備補助に加え、高度急性期医療提供に必要な設備整備等への補助も行うなど積極的に支援する。


    5、伊丹市をモデルとした防災協力農地制度の普及促進について

    (坪井県議) 震災を始めとする大規模災害への対応において、仮設住宅の建設や復旧用資材の仮置き場などの用地確保が大きな課題になっている。この解決策として、災害時の土地利用や食料品供給などの防災協力について、あらかじめ協定や登録などを行っている「防災協力農地制度」がある。平成7年の阪神・淡路大震災を教訓として横浜市で始まり、農水省の調査によれば、令和2年3月末時点で三大都市圏で76自治体が取り組んでいる。しかし、県内市町における防災協力農地制度の導入は進んでいなかった。
    そのような中、県内ではじめて私の地元伊丹市が令和2年度より防災協力農地制度を始めた。農家が所有している土地について、「仮設住宅建設用地、復旧資材置き場、復旧活動多目的用地」のいずれかの用途、で登録簿に記載される。登録期間は2年間。その間に災害が発生した場合に、市が所有者の方の承諾を得た上で使用し、土地使用料の支払いと補償を行い、使用が終了した後には原状回復し、返還するというものである。伊丹市担当課の課長は制度の意義について、「災害時の対応策の選択肢をふやすだけでなく、都市農地の多面的な役割りについて市民の理解にもつながる」と言っている。その登録状況をみると、令和2年度から3年度の2年間の合計で約2万㎡と着実に拡大している。
    南海トラフ大地震発生の切迫性が高まっているといわれる中、県内市町、特に阪神間等の都市部において防災協力農地制度の導入を進めていく必要がある。その際には伊丹市の取り組みをモデルとして、各市町への働きかけを推進していくことが重要である。
    また、防災協力農地の設置は農家の協力に支えられており、新聞によれば仮設住宅などが建設されれば長期的に営農できなくなるという不安から、協力をためらう農家もあり理解をいかに得るかが課題だ。市町による災害対策に関しては、すでに一定の支援措置が講じられているが、防災協力農地制度の普及のためには、土地使用料の支払いと保守、使用終了時の原状回復について、県が市町を支援することも必要である。今後、防災協力農地制度の県か市町への普及をどのように進めていくのか。

    (寺尾農政環境部長) 防災協力農地制度は、都市農業の持つ防災機能の発揮はもとより、都市農地の存在価値の再評価にもつながることから、県としても制度普及に努めてきた。
    具体には、都市農地を有する市町に対し、伊丹市の事例など制度理解を深める研修会を開催した他、都市農地での避難訓練、防災講習会の実施、防災用井戸の設置等に取り組む地域団体にも支援を行い、制度導入に向けた地域住民の機運醸成を図ったところである。
    一方、制度導入について市町ヒアリングを行った結果、災害時用地の確保は多くの市町が都市公園など公有地の利用を想定しており、補償が必要な農地の利用検討が進んでいないことが明らかとなった。今後は、災害発生時でも学校、公園等の通常機能が維持できる防災協力農地制度について、都市農地を有する市町を対象に実務勉強会等を開催し、粘り強く働きかけを行っていく。なお、土地使用料の支払等への支援のあり方については、市町の意見、国の制度も確認しながら今後研究を進めていく。


    6、2025年大阪・関西万博に向けた伊丹空港の国際化について

    (坪井県議) 1月13日に第11回関西3空港懇談会が開催され、齋藤知事もメンバーとして出席された。今回の懇談会では大きな進展はなく「関空ターミナル1の改修工事」などの進捗状況が報告されたほか、以前から検討課題となっていた「関空の発着容量の拡張」や「神戸空港のあり方」の検討を次回懇談会に向けて着実に進める事が確認されただけと理解している。また、私の地元の伊丹空港については、ほとんど議論がされなかったようで残念に思っている。
    知事は、大阪・関西万博の来場者を兵庫県へいざなう流れを作りたいと言っておられる。私もこの好機を逃すことなく、インバウンド客の増加を兵庫県の発展、活性化につなげていくことが重要だと思っているが、そのためには新型コロナの終息を見据え、インバウンド客を柔軟に受け入れる関西3空港の体制を今から検討し、見直しておくことが重要だ。
    先の3空港懇談会では、神戸空港の国際化を含む空港機能のあり方について検討を深めることが確認されたが、関西3空港が世界と関西をつなぐ玄関口として、平時だけでなく大震災等の予期せぬ大規模災害の発生時においても安定的に機能できるように、伊丹空港への国際線就航の規制緩和を前向きに検討する時期がきている。
    地元の伊丹市でも、伊丹空港は安全面において大きな事故がないこと、環境面においても使用される大多数が低騒音機材に更新されていること、また、ターミナルビルが全面改装され地域住民にとっても魅力ある空港に生まれ変わったことを評価している。そのため運用面において利用者利便の向上のために、安全面と環境面に直接影響を与えない国際チャーター便などの就航に関する規制緩和を求めているところだ。このような現状を踏まえて、2025年大阪・関西万博に向けて、伊丹空港の国際線就航に向けてどのように取り組んでいくのか。

    (服部県土整備部長) 伊丹空港は、兵庫県、大阪府にまたがる市街地に立地する極めて利便性の高い都市型空港であり、関西のビジネス、観光における航空需要の主要な受け皿となっている。
    一方で、航空騒音訴訟の原告団との郊外調停等を踏まえ、当時の運輸省と地元市との間で平成2年に「存続協定」が結ばれ、発着回数や運用時間等には制限が設けられている。周辺の騒音値は最新のモニタリング結果でも、一部地域で環境基準値を満たしていない。また、到着が21時を超える遅延便も航空会社等の努力により大きく減少しているものの解消には至らず、未だ課題は残された状態となっている。
    まずは航空会社と関西エアポートの連携による低騒音機のさらなる導入や遅延便対策の促進など、実効性を高める取り組みが重要である。懇談会での議論の進展もこれらの課題解決が前提であり、その先に地元の理解と合意のもとで国際化を含めた新たな展開が見えてくる。
    ご指摘のとおり、大阪・関西万博など国際イベントが控えている中、不測の事態に備えた国際線のバックアップ機能は重要である。このため、災害時における国際線の受入が可能となるよう「近畿圏で国際線が就航する空港は関空に限定する」とした平成20年の国の基本方針に、災害時の特例を盛り込む等の見直しを、引き続き国に強く要望していく。また、国際イベント開催時の臨時的な対応として、オウンユースのみならず、全てのチャーター便を運航可能とするよう、伊丹市とともに国へ粘り強く働きかけていく。

公明党・県民会議議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

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