議会報告

  • 松田 一成
    第357回(令和3年2月)定例県議会 一般質問(松田一成議員)

    ≪質問項目≫
    1、大阪・関西万博に向けた「ひょうごフィールドパビリオン」の展開について
    2、県と市町との関係について
    3、新型コロナウイルスへの対策について
    4、大阪湾岸道路西伸部の情報発信による事業促進について
    5、空き家活用特区条例について



    ≪質問と答弁のダイジェスト≫

    1、大坂・関西万博に向けた「ひょうごフィールドパビリオン」の展開について

    (松田県議) 2025年開催予定の大阪・関西万博は、国内外から約2、800万人が訪れるとされており、兵庫に人、モノ、投資を呼び込むための起爆剤になると大きな期待が寄せられている。
    振り返れば平成4年、大阪湾臨海地域開発整備法、いわゆる「ベイ法」が制定された。この法律は関西国際空港の開港目前の時期に制定されたもので、大阪湾を中心とするベイエリア全体の活性化や東京一極集中の是正、関西全体の経済、文化の発展に大きく寄与してきた。
    それから、30年の時を経て大阪・関西万博の開催を契機として、大阪湾ベイエリアや兵庫の臨海部の活性化に取り組む機運が再び、訪れたものと考えている。これから、新たな大阪湾ベイエリアのグランドデザインの策定に向けて、兵庫県域のベイエリアの活性化方針を策定するようだが、あわせて地域の魅力を県内外に発信し、産官学連携による検討会を設置し、事業展開の方向性を打ち出すことも大事である。
    万博に訪れた人にベイエリアだけでなく県内各地の観光地や滞在・体験型の施設に来てもらうには、ひょうごフィールドパビリオンの展開において、市町や民間企業とも連携し、ノウハウや知恵を出し合い、ひょうご五国をパッケージ化し、情報発信の方法を工夫するなどで、人の流れを兵庫に呼び込む体制を計画しておく必要がある。
    兵庫県には、国内外から評価の高い、トップブランドである神戸ビーフや灘五郷の日本酒、神戸スイーツなど日本を代表する食材もあり、有馬をはじめ温泉も豊富だ。さらに、神戸のベイエリアには神戸医療産業都市やスーパーコンピュータ「富岳」、HAT神戸には阪神・淡路大震災を伝える施設、兵庫の歴史文化を伝える数多くの施設がある。
    関西各府県も万博来場者の取り組みに向け、一層競争が激化するものと思われる。「ひょうごフィールドパビリオン」の展開といっても漠然としていて県民には分かりにくいと思う。そこで、民間を中心とした実行委員会を立ち上げるなど、スケジュール感を持って進める必要があると考えるが所見を伺う。

    (齋藤知事) ひょうごフィールドパビリオンは県土全体をパビリオンに見立てて、地場産業、農林水産業などSDGsを体現する地域の活動の現場に、国内外から多くの方々を誘う取り組みというものも考えている。今後、事業の枠組みを早期に固め、来年度前半には地域で活躍しコンテンツを発信している様々なプレーヤーの方々の募集を開始したいと考えている。さらに、そのプレーヤーを主体とする実行委員会の組織も設置したいと考えている。
    実行委員会では、交通・観光事業者、メディア関係者、市や町等との連携体制を構築するとともに、具体的なアクションプランも策定し、ツアーの造成、受入体制の整備、情報発信などに取り組んでいく。ツアーの造成では、阪神・淡路大震災からの創造的復興の取り組み。これは万博の年が阪神・淡路大震災から30年の年になるので、そういった取組も発信していきたい。また、議員ご指摘の神戸ビーフや日本酒など、さまざまな地場産業、特にSDGsに繋がるような取組をやっておられる地場産業・農林水産業の現場、それから伝統工芸、さらには健康と食など、兵庫五国にまたがる兵庫ならではの体験をパッケージ化したいと考えている。
    今年の夏から、デスティネーションキャンペーン、JR西日本と連携してやっていくが、まさにそこがこれからの兵庫の観光、そして交流人口拡大のチャンスなので、この3年間を万博につなげていくことが大事だと思っている。そういった中でも、こういったフィールドパビリオン的な取り組みもしっかりプレ実施として取り組んでいきたい。
    フィールドパビリオンの成功には、やはり行政だけではなく、地域の団体、事業者などの民間・地域の皆様からの創発的な創意工夫やコンテンツの発信、そして周遊の促進の仕組みをつくっていただき、それを活かしていくということが不可欠だ。官民一体となった体制を早期に設置して、3年後に迎える本番に向けて着実に準備を進めていく。

    (松田県議(再質問)) 先々週新神戸にある神戸ビーフ館に行き、昼の定食を食べたが、70gで非常に高かった。世界が認める神戸ビーフをどのようにして万博の来場者に知ってもらうか。関西広域連合と連携して兵庫棟をつくるということも聞いているが、そこで神戸牛を焼くわけにもいかないので、食としての神戸ビーフの見せ方、PRの仕方を一段も二段も(工夫して)やっていかないと、せっかくの世界ブランドなのでこういう考え方(も必要だと思う)。
    それと、世界一のスーパーコンピュータ、これは世界一なので余所にはないわけだから、富岳ならではの発信の仕方もあると思う。わかりやすくシミュレーションするとか、そこには今回のテーマである命というものもあるので、環境分野とか健康分野とかのテーマをしっかり持って、目玉を持ってやらないと、まず大阪から来てもらう目玉が何かということがしっかりしないといけない。今までも兵庫県は海外からの方を大阪や京都にとられてしまって、なかなか兵庫に来てもらえなかった。それだけの経済効果もあるので、ここはしっかりとやっていただきたい。

    (齋藤知事) 関西広域連合と連携しながら兵庫棟をつくるというかたちになる。ポイントは、そこを導線にして兵庫県に来ていただくという流れをつくっていくことが大事で、そのためには議員ご指摘の行ってみたいと思ってもらえるような目玉と魅力をつくっていくことが大事である。
    そういった意味で一つの大事な視点で「食」というものは人類共通の一つの楽しみでもあるし、その魅力を発信するというテーマなので、食というものが全国・関西でも屈指の産出県が兵庫であるので、農林水産業や神戸ビーフ、日本酒も含めて発信できるようにしていきたい。
    それから医療、ライフサイエンス、健康で長く生きるということが、人生100年時代と言われる中で、これも一つのテーマになる。スーパーコンピュータ富岳が様々な分野で発信してきていて、今回のコロナでもそうだが環境分野でも、例えば今年は豊かな海づくり大会があるが、栄養塩の取り組みをコンピュータで分析して、どういう課題が解決したかシミュレーションしてもらうとか、いろいろな発信の仕方がある。 そういったものも組み合わせながら、じゃあ兵庫に行ってみようといろんな人に思ってもらえるような仕掛けをつくっていきたい。

    3、新型コロナウイルスへの対策について

    (松田県議) 今後、感染拡大を防ぐには3回目のワクチン接種、飲み薬、無症状者の検査の3つがカギとなる。原則8カ月とされていた2回目からの接種間隔も順次6カ月に短縮され、県が西宮、姫路市に設置した大規模接種会場では2月5日から接種規模を一日3、500人に拡大した。
    しかし、供給されるワクチンは2回目と比べ、モデルナ製の比率が高く接種を迅速に進めるための交互接種の理解が進んでおらず、総人口に対する全国の接種率においても、3回目のワクチン接種率は現時点で20%に届いていない。また、国からの法定受託事務として5歳から11歳の接種が市町に対し求められており、3月からは県内の市町でも順次接種が行われる。
    小児接種においては、重症化リスクが低いことやワクチンの副反応について、科学的裏付けに基づいた情報発信等を行うなど、学校や保護者に対し不安解消に向けた説明が求められる。飲み薬は自宅・宿泊療養で服用でき、感染初期の患者の重症化リスクを下げ、医療提供体制への負荷を減らすことができる。しかし、発熱外来などの医療機関が逼迫しているため、受診できず薬が処方されない状況も生じており、多くの医療機関が処方できるよう、早急に体制を整えるとともに供給体制を確保する必要がある。
    もう一つは、無症状者への検査。無症状であっても感染への不安はある。健康上の理由でワクチンを打てない人や高齢者等のショートステイ入所時、受験等で陰性証明を求められるケースも見られ、質の高い、容易、無料で受けられる体制を整備するため、地方創生臨時交付金の検査推進枠が設けられ、感染拡大時には知事の判断で無症状者の検査ができる。検査の需要が増える状況の中、県の対応はどこまで進んでいるのか、ワクチン接種、飲み薬、検査体制の現状についての認識を伺う。

    (藪本健康福祉部長) ワクチン接種の推進のため、国の方針が変わる中、各市町では接種券発送の前倒しや接種会場の拡大を図っており、県においても大規模接種会場での接種規模の拡充や接種券なしの接種を実施している。また、神戸大学の教授による交互接種の安全性や副反応などの解説動画を作成し、大型ビジョンやホームページ等で啓発することにより、県民の皆様のモデルナ社ワクチンへの不安解消に努めている。小児への接種については、明日から神戸市で接種が始まるなど、市町が開始に向け準備を進めている。県としても保護者の方が適切な判断ができるよう必要な情報を提供していきたい。
    経口薬については、現時点で供給量が限られており、国が買い上げ、登録された医療機関や薬局に配分されている。県では12月24日に「ラゲブリオ」が特例承認されて以来、関係団体と連携して医療機関や薬局の登録、重症化リスクのある方への投与を積極的に進めてきた。2月19日現在で2、011カ所の医療機関、薬局の登録が完了しているが、引き続き登録を呼びかけるとともに、新たに2月10日に特例承認された「パキロピッドパック」についても救急体制の充実に努めていく。
    知事の要請に基づく感染不安を感じる無症状者の無料検査については、薬剤師会や大手薬局の協力をいただき、現時点で目標を上回る360カ所の検査場所を確保した。検査キットの供給に若干の課題はあるが当面の間、検査を計測し県民の不安解消に努める。

    (松田県議コメント) 医療・介護の現場の皆さんには大変ご尽力をおかけしており、本当に感謝をお伝えしたい。人間が存在している以上、感染症との戦いは続くと思っている。そういう意味では前からも我々が申し上げている専門家など本当によく知っている方を中心とする感染症対策センターに基づいて知事が発信するというような流れをお願いしたい。

    5、空き家活用特区条例について

    (松田県議) 県内の住戸数はおよそ268万戸、空家数も約36万戸と年々増加している。そのうち利活用できるにも関わらず流通していない空家は約11万戸あり、今後、人口減少、少子高齢化を背景にますます管理不全に陥る可能性が指摘されている。建築物や空家の維持管理に関しては、建築基準法や空家等対策の推進に関する特別措置法において、所有者が適切に行うよう努める旨の規定があるが、依然として管理が不十分な空家があり、地域の活力、住居環境及び地域経済に悪影響を及ぼしている。
    これまで、私は本会議で繰り返し質問し、空家の届け出制度条例化の必要性等を訴えてきた。県の空家対策としては平成25年の「さとの空き家活用支援事業」に始まり、「老朽危険空き家除去支援事業」や「インスペクション普及支援事業」といった補助事業や「空家発生予防の手引」を活用した県民の意識啓発に取り組んでいたが、このたびやっと空家の活用を促進する特区制度が創設され、規制緩和や流通促進、活用支援等を行う全国初の条例が提案された。
    この条例は、空家の活用を促進する必要のある区域を市町が申し出て、県が特区として指定すれば、市街化調整区域では空家の除去跡地での住宅等の新築を可能とするほか、空家のカフェ、ホテル等への用途変更も可能としており、市街化区域の密集市街地において、狭あい道路に面する空家の建て替えや用途変更を可能とする規制緩和等を盛り込んでいる。
    また、特区内の空家所有者に対し、建物情報や管理状況、活用計画等について市町への届け出を義務付け、所有者の同意を得たものについては、市町と連携する宅地建物取引業団体やNPO法人等が市町から提供を受けた届出情報をもとに、所有者に対し、空家バンクへの登録等、空家の流通や活用の働きかけを行うことも規定されている。
    さらに、神戸市や中核市も含む、特区を対象とした補助事業も新たに創設し、市町に対する財政支援を行うことで、空家の活用がより一層促進されることが期待されている。
    今後2025年には、団塊の世代が75歳の高齢者となり全国の認知症の方はおよそ700万人、空家も1千万戸を超えるという推計もある。それに伴い、空家の管理や所有者の特定がますます困難になる。地域社会に悪影響を与え、活力を阻害している空家の管理不全を未然に防止し、活力を促進していくため、今後、この条例をどのように発信し実効性のあるものとするのか、所見を伺う。

    (佐藤まちづくり部長) この度、届け出制度に加えて、人・モノ・投資を呼び込むための規制緩和も盛り込み、昨年11月に設置した土地利用推進検討会での議論を経て作成した空家活用特区条例案を本定例会に提案している。
    本条例は作成段階から、市町アンケートや説明会を通じて、市町の意見を聴きながら丁寧に検討を重ねてきたものであり、現在10以上の市町で、特区指定に向けた検討を進めていると聞いている。今後さらに、特区指定の拡大に向けて市町への働きかけや地域に出向いた説明会を積極的に開催していく。
    また、すでに新聞報道されており、県のホームページ等でも条例の制度やメリットを広くわかりやすく発信するとともに、広報誌や専門誌、学会誌への掲載や不動産等の業界団体を通じた周知も図っていく。あわせて、本条例の実効性を高めるため、特区内における空家バンクへの登録支援や空家改修の補助の割り増し等の財政支援も講じていく。

公明党・県民会議議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

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