議会報告

  • 越田 浩矢
    第358回(令和4年6月)定例県議会 代表質問(越田浩矢議員)

    ≪質問項目≫
    1、県政推進の基本姿勢について
    2、兵庫県政におけるSDGsについて
    3、大阪・関西万博関連施策の実施について
    4、元町周辺再整備について
    5、ひょうごウクライナ支援プロジェクトについて
    6、コロナ後遺症対策について
    7、ヤングケアラーへの支援について



    ≪質問と答弁のダイジェスト≫

    1、県政推進の基本姿勢について

    (越田県議)4月の組織改正では本庁の5部体制を12部体制とし、調整機能の強化策として各部に総務課を設置し、各部の総務課同士の連携により縦割りの弊害を防ぐ手立てとし、部局横断の課題に積極的に取り組むことができる体制に改めることとしている。そして、イノベーション型行財政運営によって、職員一人ひとりから自律的・多発的に業務の総意工夫や変革の提案がなされる県政の実現を目指すとしている。
    井戸県政においては、井戸知事が副知事時代からの様々な経験と知識をもとに、知事が県政のあらゆる面を把握し、バランスをとりながら意思決定を的確におこなう、ある種のトップダウン型の県政推進であった。齋藤知事は県庁内のボトムアップをうまく機能させ、民間力を取り入れながら、政策目的を明確化し、エビデンスに基づくEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)を原則にして、外部評価を積極的に活用しながら、PDCAサイクルを厳格にして県政推進をおこなっていくことを掲げられていることは理解できる。
    今年度の予算編成を終え、新年度に組織掲載を行い、ある意味において本格的な体制を整えた現時点において、これまで示されてきた齋藤知事の県政推進の基本姿勢について、行革の見直しや条例案を進めていく上で、修正を迫られた経験をもとに、もう一段具体的な取組としてブレイクダウンして、新年度における県政推進をどのように展開していこうとされるのか、また組織改正による新体制によってどのような効果の発揮を期待するのか。

    (齋藤知事)今年度の県政推進にあたって大切にしていることは「現場主義の徹底」、そして「対話の重視」である。現場に直接行き、様々な課題を聞かせていただく、そしてそれを県政の施策・対策に繋げていく。また、様々な方との対話・コミュニケーションを通じた理解の促進、合意形成を図ると共に、結論を出した後も丁寧にフィードバックさせていただくなどプロセスを大切にするということが大事である。
    こうした姿勢を、すべての職員と共有し県政を進めていきたい。この間、新年度が始まり、県内各地に足を運び、首長との意見交換で様々な現場の課題を見させていただいた。そういったことをこれからも積み重ねていきたい。
    組織については、本庁を12部体制にした。これは、各部の責任を明確化し、部長を中心にその下で次長や総務課が部長をサポートしながら、迅速な意思決定により、各課題の解決を目指したいものである。この間、部局長マネジメントのもとで、ヤングケアラーの対策、スタートアップ支援、ウクライナの対応、今回の6月補正でも計上させていただいている原油高騰対策など、様々な課題にスピード感を持って的確に対応している。
    そういった意味でも各部長がマネージメント力を発揮し、理念そして方向性を私と共有しながら、積極的に様々な施策を展開していきたい。

    (越田県議)井戸前知事の場合は、トップダウン的なところがあった。その良さは迅速な意志決定ができ、的確にリーダーが支持すればスムーズに県政が推進された。齋藤知事がオープンな県政、ボトムアップ型県政を進めるということであれば、県庁の職員を含めこれまでのトップダウン型に慣れている場合に、ボトムアップを急に進めていくのは難しいのではないか。
    12部体制にし、部長のマネジメント力を向上させるということだが、職員が自発的にいろいろ提案していけるという風土を県庁内につくっていくことは非常に重要ではないか。そのためには、組織をどう増やすかだけではなく、下からの意見が言いやすい雰囲気をつくっていく、制度としてそれを確立していくことが重要ではないか。その点、部長のマネジメント力の発揮という部分以外に部下からの提案をいかに引き出していくのか、現在の取り組みがあれば教えていただきたいし、課題があるのであればどのように解決していくのか。

    (齋藤知事)トップダウンとボトムアップの両方が大事である。特に、危機管理対応や急を要する社会課題が出てきた場合に、これに対応するにはある種トップダウンで対応する必要がある。一方で、県政は裾野が広いので、様々な分野に対応するためにはボトムアップで対応していくことが大切である。
    私自身は就任前は部長や副知事として兵庫県庁で働いた経験がないので、そこは私ひとりの力ではなく、職員全体の知恵やアイデアなどをベースに進めていくという意味でもボトムアップも大切である。
    政策会議を月に2回行っているが、そこでも挨拶や発言等を短めにして担当部長の意見を聞くようにし、全員で共有し進んでいこうと考えている。

    (越田県議)知事がEBPMで政策目的を明確にしてエビデンスに基づいて、外部評価も使いながらPDCAを回していくと打ち出している。今年度の予算案で見ていると、ちゃんと評価をしようと思うと、数値目標で具体的に決まっていないと、評価があいまいになり定性的になってしまう。その点はどう考えているのか。

    (齋藤知事)エビデンスベースの政策決定、そして進捗管理が大事である。もちろん、政策によってはそういったエビデンスでは具体的な効果が見えない分野ももちろんあるが、多くの分野はそういったところを取り入れていきたい。令和4年度の予算編成のなかでも、一部はそういった視点も取り込んだが、まだまだ十分でないという点も、ご指摘の通りだと思うので、今年度実施する事業レビューなどでも、そういったEBPMの視点をしっかり取り入れて、新しい政策についてもそういった視点を取り入れて3年間で評価して、考えて、取り組んでいきたい。



    3、大阪・関西万博関連施策の実施について

    (越田県議)今回の万博が生み出す経済波及効果は約2兆円と大きく、関西における新たな共創やイノベーションの創出が期待されている。また、約2,800万人の来場者を見込んでおり、兵庫の魅力を世界に発信する絶好の機会となる。知事はこの好機を前向きに捉え、万博をどう兵庫県のために活かし、その効果を極大化するかをご自身の使命と考えていると拝察する。その意気込みは技術職の副知事の選任や万博推進室の設置からも伺える。
    万博推進室では、大阪湾ベイエリアの活性化とひょうごフィールドパビリオンの展開という2大施策を強力に推進されようとしているが、特に大阪湾ベイエリアの活性化については、正直なところこれまでの知事の議会等での説明を聞いても、そのポテンシャルと活性化事業の展開イメージがなかなか湧かないという感想を持っていた。
    そうした中で、5月23日に知事と神戸、尼崎、西宮、洲本、芦屋、南あわじ、淡路の沿岸7市長出席のもと「兵庫県域の大阪湾ベイエリア活性化推進協議会」が開催され、今年度中にベイエリアの将来像や事業展開の方向性を示す基本姿勢を策定し、企業誘致や交流人口の拡大、海上交通、臨海部の土地利用のあり方等について具体的なプロジェクトを立案し、万博に向けた取組とともに中長期的な活性化戦略を描くという方向性が示された。
    基本方針の原案は学識経験者や民間企業でつくる企画委員会で作成するとのことだが、大阪湾ベイエリア活性化の発案者である知事が思い描いている構想の種や、展開のイメージについて投資を伴う開発事業の展開がメインとなるのか、既存試算のアレンジや活用によるソフト事業的な展開がメインになるのか、大阪側との連携については「兵庫・大阪連携会議」を活用するとのことだが、連携して実施する事業案としてどのような項目が想定できるのか等、もう少し具体的に語っていただき、思いを共有し議会からも知恵やアイディアを出すなど協力していきたいと考える。
    また、11名体制の万博推進室で、大阪湾ベイエリア活性化施策の推進フィールドパビリオンの展開に取り組むことについては、本来観光や開発等を担う主管部との役割分担等、組織的にスムーズな体制として機能するのかという心配もある。以上の点について大阪・関西万博関連施策の推進について所見を伺う。

    (齋藤知事)具体のプロジェクトとして、時間軸を意識して展開していきたい。まずは、万博までの3年間。この期間は基本的には交流の活性化に軸を置いて、周遊の滞在型観光、これはディスティネーションキャンペーンもこれから始まるが、それから海上交通、そういったところを中心にやっていく。その中ですでに実証実験を海上交通でやっているが、大阪と兵庫を結ぶという海上交通の実験などでは、大阪府との連携もこれからも出てくると考えている。それから、中長期的には投資を呼び込んでいくということが大事で、さまざまな名神湾岸連絡線も含めた道路インフラ、それから港湾のインフラ整備などもこれから続いていくので、そういった流れの中で企業誘致、民間投資の呼び込みを進めていきたい。
    フィールドパビリオンについては、万博の期間中にSDGsを切り口にして、兵庫県内のさまざまな取り組み、地場産業、伝統文化、それから震災からの復旧復興の取り組みなど、「活動の場そのもの」を、兵庫の、世界に発信すべき人類共通の諸課題の解決モデルだということで、発信していきたい。万博の来場者をできるだけ多く、県内各地に呼び込んでいきたい。近日中にフィールドパビリオンの参加募集の発表をしたいと思っており、すでに意欲をもっておられる各地域の方々がおられるが、そういった方々を参集し、万博に向けたコンテンツの磨き上げ、それから観光という一つのプログラムにも見立てていかなければならないので、そういう形をどのようにしていくのかということを積極的に展開していく。

    (越田県議)大阪湾ベイエリアの活性化については、活性化推進協議会の第1回会議資料を拝見した。検討を進めていく上でも齋藤知事がメインはこうなんだという、メインのプロジェクトのような部分を打ち上げる必要がある。万博までの海上交通をつくるという話よりも、もう少し中長期的に、大阪でIRをやるといっているなかで、それが実現する前提で、大阪湾が非常に注目されるエリアになるということは、現実的な話であるが、メインとしてはどうしていきたいというところをもう少し出す必要があるのではないか。

    (齋藤知事)先日立ち上げたのは首長の協議会だが、あわせて有識者を含めた検討会も立ち上げているので、そこで具体的な内容を検討していく。できればシンボル的なプロジェクトを、各市ごとに1つか2つぐらいつくっていくということが望ましい。それを包含する形で大きな何か方向性ができると、共有するものができる。大事なのはやはり地元の市である。どのような地域に(していきたいのか)、ベイエリアを含めた街づくりをしていきたいのかという思いが大事なので、そこを汲み取りながらシンボルプロジェクトをつくっていきたい。

    (越田県議コメント)具体的な姿が分からないところもあるので、いろいろな議論、いろいろなアイデアが出てくると思うが、しっかり見守りつつ、県としても「しっかりこれをやっていこう」という提案もしていくべきではないか。



    6、コロナ後遺症対策について

    (越田県議)多くのコロナ後遺症患者を診察してきた東京都渋谷区のヒラハタクリニックの平畑光一医師は、公明党の厚生労働部会での講演で、コロナ後遺症で診察した患者について、週の半分以上は自宅で休息する「準寝たきり」以上に重症化した人が4割弱いると報告された。コロナ感染時の症状が軽症であっても重い後遺症になるケースがあり、その傾向はオミクロン株による感染でも同様であり、オミクロン(株)による感染者が急増したことで、後遺症患者も増えていることから、感染から後遺症までを考慮するとオミクロン株は「最悪の株」であるとしている。ヒラハラクリニックの後遺症患者で労働者2,110人のうち解雇など職を失った人が149人(7%)、休職した人が867人(41%)にのぼっているとのことで、状況の深刻さが数字に表れている。
    後遺症症状で特に注意が必要なのは、入浴や散歩といった軽い運動などの5~48時間後に急激に強い倦怠感が出る「PEM」や数日間寝込んで動けなくなる「クラッシュ」という状態で、適切なケアをせず放置したり、無理に動いたりすると原因不明で治りにくい慢性疾患「筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群」に移行する恐れがあり、発症すると日常生活を送ることが困難になることから、倦怠感等の後遺症発症後は無理に体を動かさないことが重要と言われている。
    こうしたコロナ後遺症について、喫緊の課題として平畑医師は患者及び医師へのコロナ後遺症に関する正しい情報の提供が必要だとしている。後遺症に苦しむ患者は「もう治らない」と絶望しているケース、後遺症がもとでうつ病を発症するケースがある。また医師側も後遺症に当る症状については、労災保険の給付や健康保険の傷病手当金の対象になり得るにもかかわらず、診断書を書けないと判断するケースや労災にならないという対応によって、後遺症患者が公的支援を受けられず、生活に困窮し自死に至る等のケースも報告している。
    後遺症対策について、厚労省の対策も踏まえつつ県として急増している患者の方の不安を適切に取り除くことができる相談体制の強化や、医師への正しい知識や適切な治療法の周知とともに、後遺症の症例や治療情報の集約・共有を行い後遺症に対する知見を高める取組や専門的な診察治療が行える医療の充実、紹介等により、苦しんでいる後遺症患者を救っていく必要がある。本県のコロナ後遺症対策について現状把握状況と課題認識、今後の対策の推進について伺う。

    (齋藤知事)県では、医師研修会の実施や「罹患後症状」の基本的知見や職場復帰支援などの情報発信を行うほか、心のケアについては精神保健福祉センターに心のケアの相談窓口を今開設している。「罹患後症状」が一定数で長引くことなどを考慮して、医師研修会や情報発信については引き続き取り組んでいくとともに、県としてもしっかり取り組んでいくことが必要であるので、今回新たに「罹患後症状」の専用相談窓口を設置していきたい。
    第6波が少し落ち着いてきて少し社会が新しく経済活動を回していこうというステージになった時だからこそ、このような相談窓口を設置するということは一つの意義があることだ。今後は国レベルの研究による新たな知見や専門家等の意見も踏まえて、医師会等と連携しこのような取り組みを通じながら後遺症対策の推進に努めていく。

    (越田県議コメント)専門の相談窓口をつくっていただけるということで、よろしくお願いしたい。海外は感染者5割を超している国が多く、欧米各国も5割を超しており、後遺症のある方も身近に多くいるため、理解があるといわれている。日本は今900万人弱の感染者で1割に達していない。そのため、後遺症に対して周りの理解がなく、なかなか言い出しにくい空気がある。だからこそしっかりとフォローする体制を整えることは大変重要である。そして、治療面だけでなく、労災や傷病手当のことも含めてトータルのアドバイスをしっかり対応できる相談窓口にしていただきたい。



    7、ヤングケアラーへの支援について

    (越田県議)ヤングケアラー問題は、昨年3月の参議院予算委員会で伊藤たかえ参議院議員が省庁縦割りを超えた支援の「受け皿」構築について訴え、国はヤングケアラー支援強化に乗り出した。2022年度から3年間を「集中取組期間」と定め、22年度予算や昨年12月成立の21年度補正予算でも関連費用が盛り込まれた。対策の柱の一つは「ヤングケアラーに関する認知度」の向上である。集中期間に積極的な広報を行い、中高生のヤングケアラーに関する認知度を5割に上げる事を目指すとし、早期に発見して適切な支援につなげるための方策を進める自治体に対する支援も行われる。
    県では、ケアラー・ヤングケアラーの現状とケアラー支援に関する検討委員会が、昨年9月に設置され、早期発見、悩みの相談支援、福祉サービスへの円滑なつなぎ、市町や関係機関との連携強化などが推進方策に求められ、今年度予算化されることは評価する。
    一方で、コロナの影響で経済状況の悪化から、家庭の貧困や自粛生活が続くなど、子どもたちを取り巻く環境の厳しさが見えに繰ところがある中、支援が必要なヤングケアラーの子どもの早期発見や関係機関につなぐという重要な役割りは学校現場、教育委員会にあると感じている。まずは教育委員会がヤングケアラーの発見能力の向上や相談体制を強化するとともに、福祉などの関係機関へ迅速につなぐことが大切である。ヤングケアラーは制度のはざまにある複合的な問題であり、行政や地域の支援が欠かせないが、行政では福祉や医療、教育などに関係する部署が多岐にわたり、施策を推進する主体が明確でない状況が問題として指摘されてきたが、教育委員会として具体的な取組をどのように進めようとしているのか。

    (藤原教育長)早期発見に向けては、県下各地区の校長会や全県生徒指導部長会、また教職員へのカウンセリングマインド研修などあらゆる機会を通じて、ヤングケアラーの概念や現状、そして発見につながる気づきのポイント、これらについて全ての教職員への周知徹底と意識の向上を図る。次に相談対応については、ヤングケラーがいることを常に意識しながら各学校において担任による個人面談、保護者を交えた三者面談、そして生活アンケートを実施するとともに、ひょうごっ子SNS悩み相談や24時間ホットラインなど夏休み等も含めた相談窓口の周知を図る。加えてスクールソーシャルワーカーも活用し積極的な把握に努める。
    その上で、ヤングケアラーと見込まれる児童生徒を把握した場合には、速やかにこの度開設されたヤングケアラー・若者ケアラー相談窓口や要保護児童対策地域協議会等の関係機関と情報共有し、適切な支援につなげる。そして、スクールカウンセラー等を活用した児童生徒の心のケアにも取り組んでいく。

    (越田県議コメント)教員がいろいろな子どもたちの変化に気づく能力は、いじめも含めて大事な能力である。教員の多忙化もあると思うが、様々な子どもの変化に気づき、どのようにつないでいくのかは部局をまたいだ連携が必要であり、しっかりやっていただきたい。

公明党・県民会議議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

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