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  • 2021年07月30日 デジタル社会の実現で新たなライフスタイルを 赤澤県情報戦略監が県の取り組みについて講演

    県議会公明党・県民会議は、7月30日、議員団の会議室で定例の研修会を開き、赤澤茂・県情報戦略監が「デジタル社会の実現に向けた兵庫県の取り組み」をテーマに講演しました。

    県ではデジタル化推進のため4月に部参事・3課などを新設し、赤澤氏が県情報戦略監に就任。赤澤氏は、NТТ西日本社員として自治体・法人向けシステムの提案やICTを活用した地域創生などに従事してきました。中では、これまでの経験を生かした今後の県のデジタル戦略などについて説明しました。

    はじめに、国がデジタル化を掲げるきっかけの一つとして、マイナンバーカードを活用した新型コロナウイルス感染症特別定額給付金のオンライン申請で、支払い不備騒動が起こったことを挙げました。赤澤氏は「マイナンバーの普及が浸透していなかったことや暗証番号がわからずデジタルが機能しなかったことなどが主な原因だった。マイナンバーとそのほかのシステムがリンクしておらず、市町ごとでもばらばらでそこから手を付けることを国は考えている」と指摘しました。

    また、デジタル化を進めるうえで、新型コロナ感染症拡大により明らかになった課題として、①経済生活では▼オンライン手続きの不具合や国と地方とのシステムの不整合、②働き方では▼押印手続きやテレワークの阻害要因の顕在化、③教育分野では▼オンライン教育に必要な基盤、ノウハウの不足、さらに④防災面では▼マイナンバーカードによる罹災証明発行、AI活用等による被災者・現場負担軽減の必要性などを提示し「新型コロナ感染症拡大への対策の中でさまざまな課題が浮き彫りになった。そのため、かえって急速なデジタル化が期待できる」と話しました。

    赤澤氏はそれとともに「国では、令和3年5月12日にデジタル改革関連法が成立し、今年9月にデジタル庁を創設し、ここが司令塔となって行政のデジタル化が図られる。デジタル監には民間人が起用され、人にやさしいデジタル化を目指す」と政府の動向を話しました。

    次に兵庫県のさまざまな取り組みを解説。すべての県民がデジタル化の恩恵を享受できる、「スマート兵庫」の実現に向けて「官民データ活用推進基本法」に規定する県の官民データ活用推進計画として平成31年4月に策定した「ひょうご・データ利活用プラン」に基づき、4つの重点方針①ICT利活用の具体化①未来を創る・イノベーションの創出②活力を高める・パフォーマンスの向上、②ICT利活用のための基盤づくり③デジタル化社会を支える・基盤の強化④スマート自治体をめざす・デジタル行政の推進、のもと全庁での施策展開を解説。

    特に今年度はプランの推進期間(3年間)の最終年度となるため、これまでの取り組みの検証やポストコロナ社会を見据えた新規取り組みの検討を行い、プランを改訂していくことを示しました。

    また、平成30年度に整備した「兵庫情報ハイウエイ」の通信容量増強等により、リモートワーク、5G等、今後、想定される超高速大容量通信に対応していくことについて「これは本県の強みであり、民間企業にも開放しつつある。情報ハイウエイは日本の中でもすばらしいネットワーク。これをアピールして企業誘致などに取り組むことが大切である」と活用の方向性を提示しました。

    さらに、県が運営するテレワーク兵庫(兵庫県在宅支援システム)に関して言及。新型コロナ感染拡大防止とポストコロナ時代の働き方改革を推進する目的で、県・市町、学校、中小企業等の利用を募集。令和5年12月までの間、無償で提供しているもの。「テレワークを支援するこの取り組みをぜひ使ってほしい。企業等に紹介しているところだ。中小企業でも使い始めている」と反応の大きさを紹介しました。

    行政手続きのオンライン化については、住民側のメリットとして、郵送・持参が不要▼入力項目・添付書類が減る▼入力フォームの設定により作成が容易になり新生処理が迅速に行えることを指摘。一方、行政側のメリットとしてデータ入力作業が不要になる▼システムによるデータ管理・通知ができる▼不備の減少▼作業時間を削減でき、その分県民サービスの向上につながる点などを挙げました。赤澤氏は「行政手続きは約4500あるが、そのうち300ぐらいしかオンライン化できていない。残りの手続きについてはやり方を考えているところだ。県民と職員にとっての利便性を基準に進めていくべきである」と話しました。

    さらに、兵庫県電子自治体推進協議会を設立し市町が共通して利用できる電子申請システムなど協働運営システムの構築、普及啓発等の取り組みを進めていることを述べ、着々と進んでいることを強調しました。

    赤澤氏は、最後にデジタル社会の実現に向けて重要な点として▼地域や社会の課題を解決し、県民や住民に恩恵を与えるICT・DXを▼そのために市町、県庁内との連携を一層密に(非公式のコミュニケーションの重要性)▼兵庫県の多様性・アセット・高いポテンシャルを生かしたメリハリの利いた施策を▼積極的な民間のリソースの活用などを指摘し、「行政として、誰もとり残さないとはどういう意味かを考える必要がある。今後、デジタル化の推進においては、地域コミュニティで教え合うことが大切になってくる。あくまで、ICTは手段で目的は住民のより良い生活の実現や利便性の向上である」と締めくくりました。

    このあとの質疑では各県議から「デジタル化を進める上で住民の利便性などを最優先に考えるとともに行政側の意識の改革が不可欠ではないか」「非公式のコミュニケーションの重要性についての考えは」「行政がつくるシステムは様々な課題が出てきているが、今後どう進めるのがいいのか」といった質問が出され、事例などを紹介しながら意見交換しました。

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