議会報告

  • 谷井 いさお
    第347回(2020年2月)定例県議会 代表質問(谷井いさお議員)

    1、新型コロナウイルス感染症への対策について

    (1)新型コロナウイルス感染対策について
    (谷井県議) 政府は、2月14日に新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策を閣議決定した。
    その内容は
    ①帰国者等への支援
    ②国内感染対策の強化
    ③水際対策の強化
    ④影響を受ける産業等への緊急対応
    ⑤国際連携の強化等
    の5項目からなっており、国内のウイルスまん延を防止するため、患者を確認した場合に診療体制の整った医療機関につなげる「帰国者・接触者外来」を各都道府県に設置することや「帰国者・接触者相談センター」を設け、感染の疑いがある場合に適切な対応を助言することとなっている。

    また同日、今回の事態を踏まえて我が会派をはじめ自由民主党、ひょうご県民連合の3会派で、新型コロナウイルスへの対策に関する申し入れを行い、知事から対策を速やかに実施する旨の回答をいただいた。

    県においても我々からの申し入れや、国の緊急対応策に迅速に呼応し、2月14日夕刻に新型コロナウイルス緊急対策を実施することを発表している。さらに2月20日には、追加対策として入院医療体制の強化などを柱とする補正予算を編成する旨を発表された。近隣府県でもすでに対策本部を立ち上げたところもある中で、本県でも現在の感染症警戒本部をすみやかに知事をトップとする対策本部に移行し、県庁全部局が一丸となって取り組めるように体制を強化すべきである

    ほかにも、県主催の大型イベント自粛の検討やマスク不足が深刻化しているといわれているが、県が防災用に備蓄している20万枚のマスクを介護施設等の不足している施設に配布し、施設の職員に配布することで介護施設・障がい者施設等へのウイルス持ち込み防止の徹底を図ることなどを含め、今、しっかりとした対策をとることが重要だ。

    そこで、県民の安全と安心を確保するために、県として新型コロナウイルス感染症に対するまん延防止対策や医療提供体制の構築について、どのように取り組んでいくのか。

    (井戸知事) まん延防止対策として、国内1例目の患者発生を受け、県民に咳エチケットや手洗い等の感染対策の重要性について知事メッセージを発表した。その後、集客施設や高齢者施設等へ注意喚起を行うとともに県ホームページで適切な情報を提供している。

    さらに近畿圏内初の患者発生を受け、健康福祉事務所12カ所と県庁に電話相談窓口を設置し、24時間体制で対応してきた。さらに、帰国者・接触者相談センターを設置し、診療体制が整った帰国者・接触者外来に疑いのある症例を確実につないでいる。

    医療提供体制の構築については、外来の診療体制強化のため帰国者・接触者外来に動線分離のためのパーテーションの設置や更なる入院病床確保のため、簡易陰圧装置を整備する。マスクの不足に対しては、医薬品卸業協会や医療機器協会に円滑な供給を依頼し、国へも在庫不足や偏りの是正を申し入れている。なお、県が防災拠点で備蓄しているマスクは、災害時に避難所や被災自宅の清掃等の際に防塵が必要となる被災者向けに提供することを想定している。

    県内で患者発生の際には、知事を本部長とする対策本部を立ち上げ、不要不急のイベント延期や学校の臨時休業措置等の検討、24時間体制のコールセンター設置、濃厚接触者への健康調査と保健指導等を実施する。

    2、第二期兵庫県地域創生戦略における効果的な事業の推進について

    (1)第二期地域創生戦略の策定と展開方法について
    (谷井県議) 第一期地域創生戦略では、人口減少と東京一極集中という構造的な課題を克服するため、自然増対策としての子ども・子育て対策と健康長寿対策、社会増対策、東京一極集中の是正を目指す地域の元気づくりの4つの対策に取り組んでこられた。しかしながら、20代の若者を中心とする転出超過や女性人口減少、50歳時未婚率の上昇に伴う出生数の減少に歯止めをかけることができていないのが現状である。

    その結果、本県の転出超過は2018年の5,330人から2019年では6,038人と708人増え、転出超過が拡大している。

    本県から大阪府への転出は3,302人、東京圏への転出は8,716人であり、東京圏への歯止めも重要だが、大阪府への転出にも意識した地域創生戦略を実行するべきである。

    そのためにも第二期地域創生戦略の立案に関しては、第一期の戦略目標が達成できていない原因の詳細な分析を徹底し、真に人口の自然増、特に社会増に結び付く施策の効果を適切なアウトカム指標で評価するなど、戦略や事業の実効性を高める斬新な取り組みが必要ではないか。

    第二期地域創生戦略の対策では、まず1点目に「地域の元気づくり」を掲げ、展開方法では8つの地域プロジェクト・モデルを展開されようとしているが、まさにこれからのプロジェクト内容が地域ニーズに合致しているのか、さらなる検証が必要ではないか。具体的な施策は、今後策定されるアクションプランに示されると思うが、2030年までの前半の5か年で本県の地域活性化の大きな潮流を起こすような大胆かつメリハリがある予算編成を行い、知事を先頭に全部局が心ひとつに全力で取り組むことができる地域創生戦略にすべきと考えるが所見を伺う。

    (井戸知事) これまでの取組では、20歳代前半の転出超過数が拡大するなど数値目標は達成できていない。一方、移住希望者の増加等の明るい兆しも生まれた。人口対策は長期的な取り組み。今後も必要な対策を立案し、人口の定着・環流につなげ、次の5年間で少なくとも日本人の転出超過を解消したい。

    このためには、県内就職の促進はもちろん、地域の魅力を高め外部からの人口流入を拡大する必要がある。特に、阪神間は大正時代から大阪で働く人々の住宅地として発展してきた。まちのリノベーションにより、豊かな自然、洗練された文化、教育環境の良さを活かし質の高い暮らしを実現できる、住みたい暮らしたい地域としての魅力を高める必要がある。今後、仕事は大阪でも生活は兵庫という潮流をつくりたい。

    第二期戦略ではこれまで以上に、五穀の個性を活かした魅力ある地域づくりに取り組んでいきたい。このため、第一の戦略目標を、地域の元気づくりとし、第二に社会増対策、自然増対策として、第三に子ども・子育て対策、第四に健康長寿対策とした。地域プロジェクトモデルについては地域の参画を得ながら、新たな視点やニーズを踏まえ充実・追加していく。

    施策の推進にあたっては喫緊の課題である
    ①若者の就業
    ②女性の定着・環流
    ③外国人材の活躍
    ④関係人口の創出をテーマに部局横断で取り組む。
    もちろん、こうした対策を行政だけでは成し遂げられない。取り組みの主体となる県民や企業等との意見も聞きながら進めていく。

    (2)私立高等学校授業料無償化の更なる拡充について
    (谷井県議) 4月から国による年収590万円未満世帯の私立高等学校授業料の実質無償化が実現する。つまり、高等学校等就学支援金の制度改正によって私立高等学校等に通う生徒への支援が手厚くなる。一方、国の制度では年収590万円未満世帯については、私立高等学校授業料が実質無償化となるのに対し、年収590万円以上910万円未満世帯は支給額が118,800円となっており、所得のわずかな差によって世帯の授業料負担に大きな差が生じるという課題は知事も承知いただいていると思う。

    そうした懸念を払拭する上でも、我々公明党・県民会議議員団は過日知事に対して行った、私立高等学校生等生徒授業料負担軽減策の拡充に関する申し入れや、来年度当初予算編成に対する申し入れにおいて、本県でこれまで独自に私立高等学校授業料への支援制度を創設し支援してきた県単独事業費約10億円が国の制度でカバーされることから、こうした財源を活用してより多くの世帯が恩恵を受けられるよう、年収590万円以上の世帯への支援と、私立高等学校授業料の全国平均が約39万6千円であるのに対し、本県の平均は約40万8千円であることからその不足額を補う新制度を創設するよう提言した。

    特に注意すべきは近隣府県で、大阪府や京都府などとの比較である。県内から京都府の私立高等学校に通う生徒には、県内私立高等学校に通う生徒に比べて2分の1、同じく大阪府、岡山県、鳥取県の私立高等学校に通う生徒には4分の1しか助成されない。他府県に通う高校生も県内私立高等学校に通う生徒と同様の助成に拡充すれば、子育て世代の転出を防ぐ一助になるのではないか。そこで、私立高等学校授業料無償化の更なる拡充が必要であると考えるが所見を。

    (井戸知事) 国の制度見直しに合わせ、県では令和2年4月から、年収590万円未満の世帯を対象に、県内私立高校の平均授業料まで国の上限額に上乗せ補助を行い、実質無償化を実現する。あわせて、年収590万円を境に所得のわずかな差により生じる授業料負担を縮小するため、年収910万円未満の世帯について新たに所得に応じて2段階で加算した県独自の授業料軽減を行う。

    また、県では子どもたちが住所地に近い場所で教育を受けることが望ましいとの考えから、授業料軽減補助については県内補助を基本としているが、交通環境の変化や多様な学校選択等を踏まえ、近隣府県に通学する生徒への補助も行っている。県外補助については相互主義の考えの元、通学先の府県が兵庫県内に通学する生徒に同様の補助をする場合は県内通学者の2分の1補助、補助がない府県に対しても4分の1補助としている。

    今回の国の見直しにより、県内外どこの学校に通っても年収590万円未満世帯については全国平均授業料並みに補助上限額が引き上げられることから、通う学校による支援格差は大幅に解消されたと認識しているまた、県独自の授業料軽減についても、県外通学者も対象を910万円未満世帯まで拡充した。

    3、訪問看護療養費の助成実現について

    (谷井県議) 訪問看護療養費の助成対象は、障がいの程度が身障者手帳1級・2級の身体障がい者、療育手帳A判定の知的障がい者、精神障害者保険福祉手帳1級の精神障がい者で所得制限は市町民税所得割23.5万円未満の方となっている。

    病気やケガをして医療機関等を受診した場合の一般医療について、通院の場合は一医療機関等あたり1日600円(低所得者は400円)を限度に月2回までが自己負担、入院の場合は定率1割負担、負担限度額月額2,400円(低所得者は1,600円)までとなっている。財源の負担割合は県と市町で1:1の折半を基本としつつ市町によって上乗せ助成を行っているケースもある。

    本制度は重度心身障がい者の方の保健の向上と福祉の増進に大いに役立っているが、ひとつ大きな欠点がある。それは、助成の対象から訪問看護療育費を除いていること。その理由として訪問看護は治療行為ではないとして、保険診療であっても医療費助成の対象対象外となっている。

    しかしながら、全国の都道府県が実施している重度障害者医療費助成事業において、訪問看護療養費を助成対象としていないのは全国で唯一兵庫県の身となっている。介護保険の対象年齢に達していない場合、訪問看護により病気療養を行うと、訪問看護費用が多額となって支払えなかったり、同居家族に多大な負担を強いているケースがあると伺っている。

    そのため、過日、我が会派は知事に対し障がい者の生活基盤の充実に関する申し入れを行い、重度障がい者が訪問看護ステーションによる訪問看護や訪問リハビリを利用する場合の利用料を助成するよう求めたところである。

    健康福祉分野において、常に全国をリードする先進的な事業に取り組んできた兵庫県において、大きなハンディキャップを負っている重度心身障がい者への支援制度の内容が、他府県に比べ大きく劣っている現状は看過できない。来年度当初予算では、訪問リハビリについては補助対象とすることが示されている。さらに、令和2年度中に全ての訪問看護療養費を助成の対象にすべきではないか。

    (井戸知事) 介護保険制度創設や在宅医療の進展により、重度障がい者に対する訪問看護ステーションの役割は少しずつ変化していることから、本県では在宅で生活する遷延性意識障がい者で介護保険の対象外となるものや、医療的なケアが必要であるが通院が困難な重度の肢体不自由と知的障がいをあわせ持つ障がい者を対象とした訪問看護ステーション利用料の一部助成事業などの個別事業を実施することにより、この変化に対応してきた。

    さらに来年度からは、脳性まひ等肢体不自由児者の身体機能の維持と頸椎症等の二次障害防止を目的としたリハビリ受診促進のため、市町民税所得割23・5万円未満の身体障害者手帳1,2級の重度肢体不自由児者を対象に、今年2月に診療開始した県立障害者リハビリテーションセンター等の医療機関と連携して訪問リハビリを提供する訪問看護ステーションの自己負担が1割となるよう利用料の一部を助成する事業を開始する。

    訪問看護療養費への助成は、居宅で生活する重度障害者等の実態やニーズ把握を十分に行い、実施主体となる市町や関係機関の意見を聞きながら検討していく。

公明党・県民会議議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

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