議会報告

  • 島山 清史
    第356回(令和3年12月)定例県議会 代表質問(島山清史議員)

    ≪質問項目≫
    1、令和4年度予算編成方針について
    2、兵庫長期ビジョンについて
    3、疾病予防管理センターの創設について
    4、地域包括型の産後ケアの体制づくりについて
    5、認知症の予防に向けた高齢者の補聴器の積極的な装用について
    6、大阪・関西万博に向けた兵庫の取組の推進について
    7、コロナ禍を乗り越えるための県内経済振興策について
    8、兵庫県が目指す地球温暖化対策について
    9、不登校児童生徒に対する多様な学びの支援について



    ≪質問と答弁のダイジェスト≫

    1、令和4年度予算編成方針について

    (島山県議)この12月に行財政運営方針の第一次案が策定され、最終案は年明けになるスケジュールとなっているが、事業の総点検を謳いゼロベースで見直すといわれてきたことをふまえると、新たな行財政運営方針の策定と予算編成が十分な議論の上で練り上げられるのか心配である。
    コロナ禍の影響により、税収減も予想される中、引き続きコロナ対策も行いつつ、コロナ禍で浮き彫りになった「デジタル化」遅れと脱炭素社会を目指す「グリーン化」、産業構造の転換を促す人材への投資など、県民の豊かな暮らしや所得の向上に直結する好循環をもたらす対策も行う必要があるため、新たなかじ取りを任された知事には大きな期待が寄せられている。
    来年度予算編成にあたっては、厳しい財政状況下においても、新型コロナウイルス感染症対策に係る経費と、県民生活に直結する福祉や教育、道路河川などのインフラ管理費については、しっかり確保していかなければならない。そのためには、それぞれの施策や事業を丁寧に検証し、知事が所信表明した「守るべきものは守る」という考えのもと、県民にとって真に必要なものを見極め、優先すべきものには重点的に予算の配分をする、不断の取組を行っていくことが大切だ。
    先日の行財政運営調査特別委員会で知事は重要施策ヒアリングを廃止するとともに、予算協議の時間も大幅に短縮するといわれていたが、齋藤県政スタートとなる予算編成についてどのように取り組もうとしているのか伺う。

    (齋藤知事)予算編成にあたっては、国の地方財政対策などの動向も見極めつつ、新型コロナ対応に万全を期し、デジタル人材の育成を含む中小企業のDXやスタートアップ支援、グリーン産業の創出、さらには観光戦略の推進、播磨灘・大阪湾ベイエリアの再生など、ポストコロナ社会にふさわしい兵庫の姿を具体化する施策に積極的に取り組んでいく。
    現在、行財政運営方針の見直しを行っているが、その中で事業の見直し作業を進めている。一方、単に収支改善のための削減ありきではなく、守るべきことはしっかり守る、見直すべきことは見直すと、見極めを行いながら、県民生活の安全安心対策にも留意しつつ、事業をより効果的な実施手法に見直すなど、事業の再構築についても検討している。今後、県議会における調査・審議などをふまえて、来年2月に最終案を策定し改革の取組を令和4年度予算編成に反映させていきたい。
    こうした改革は、今後も腰を据えて行財政改革も含めて検討すべきもので、不断に取り組んでいく必要がある。また、予算編成のプロセスについても抜本的に見直し、各部局一律で行っていた重要施策の協議を廃止し、適宜、知事との協議を実施する形に見直す。知事査定についても項目を重点化することで、効率的な予算編成プロセスにしていきたい。大事なのはすべての事業を知事が見ているという事よりも、知事が見るべきところはしっかり見て、大きな方法を示しつつ、現場を熟知する部局長のマネジメントによる創意工夫を尊重した予算編成を行う事が重要である。現場の声をすくいあげ、それを施策につなげる「県民ボトムアップ型県政」の実現に繋げていきたい。
    県民の命と暮らしを守り、夢と希望に満ちた躍動する兵庫を実現するための、めりはりのきいた予算編成を行っていく。



    3、疾病予防管理センターの創設について

    (島山県議)新型コロナ感染症対策おける国民、事業者等の不満や不安となる要因の一つとして「科学的な根拠が十分に示されないまま、行動制限や休業要請などを求めていた」ことにあるのではないでしょうか。そのような状態の中で、都道府県知事の判断によって、県民・事業者に大きな負担を求めなければならなかった点について、知事ならびに県当局のご苦労は大変なものがあったと思う。
    特措法の中で県は感染症対策について大きな権限を与えられており、今後の変異株や新たな感染症に備え、引き続き、県が主導して感染症への万全の体制をとっておく必要がある。そのために、これまでの医療や保健所等のデータを一元的に掌握し、分析・研究できるシステム及び機関を構築するとともに、そこから科学的知見に基づいた情報を一元的に発信する必要がある。
    我が会派は2月定例県議会、さらには9月定例県議会の2度にわたって、疾病予防管理センターの創設について質問した。その際の知事の答弁は「第6波以降に向けて今後の教訓を活かしていかなければならない。専門家も入れた第三者機関による客観的な検証を行う事も大事である」と答弁した。感染者数が収束している現在、早期に検証し疾病予防管理センターの創設に向けて動き出す必要があるのではないか。
    兵庫県は、神戸大学感染症研究センターの研究活動を早い段階から支援してきており、学術的な研究の下地がある。また、県立健康科学研究所やスーパーコンピューター富岳、神戸医療産業都市など資源も豊富にある。今こそ、兵庫のポテンシャルを活用した、コロナ対策における県の取組に安心と信頼の基盤を築くための機関として、疾病予防管理センターのような機関が必要だと考えるが所見を。

    (片山副知事)アメリカに設置されている疾病予防管理センター(CDC)のような施設については、高度かつ多岐にわたる業務と膨大な人員・予算が必要なので、県単独での設置は難しい。そのため、国または広域エリアでの設置の検討を国に要望している。
    県としては検証に加えて、今後の感染症対策のあり方などについて、有識者から現状・課題等について意見を伺い、その意見も踏まえて感染症対応人材の育成、医療機関の役割分担と応援体制の構築、情報収集・発信機能強化など、感染症対策の今後の方向性について、大学をはじめ関係機関と連携して検討していきたい。

    (島山県議コメント)答弁いただいた疾病予防管理センターの創設については、アメリカ型の施設を求めているわけではなく、県内に持っているポテンシャルを生かした、科学的な知見に基づいて、兵庫県の実態をしっかり発信する場の体制づくりをしていただきたい、そういった機関を設けてはどうかという趣旨である。答弁を伺い、その部分についての考えは当たらずとも遠からずと考えているので、引き続き検討を進めていただきたい。



    4、地域包括型の産後ケアの体制づくりについて

    (島山県議)国は、令和元年12月に公布された母子保健法の一部を改正する法律において、出産後1年を超えない女子及び乳児に対する産後ケア事業の実施を市町村の努力義務として法定化し、令和2年5月に閣議決定された、第4次少子化社会対策大綱で、令和6年度末までに全国展開を目指すとしている。現在「産後ケア事業」は兵庫県下では全41市町が実施しており、市町が産後ケアを必要とする出産後1年を経過しない女性及び乳児に対して、心身のケアや育児のサポートなどを行い、産後も安心して子育てができる支援体制を提供することを目的としている。
    事業内容としては、短期入所(ショートステイ)型、通所(デイサービス)型、居宅訪問(アウトリーチ)型の3種類の実施方法があるが、産後ケア事業の実施内容は市町によって異なっており、例えば神戸市ではショートステイとデイサービスを行っており、尼崎市はアウトリーチ型の居宅訪問事業を行っている。このように、市町によって提供する産後ケアサービスが異なっており、必要とするサービスが住んでいる地域では受けられないといった状況がある。
    こうした事業所は阪神間を中心に数えるほどしかなく、兵庫県の出生数が毎年約4万人であることを考えれば、身近に気軽にサービスを受けられる状況にはない。例えば、高齢者で展開されている小規模多機能型居宅介護のような「訪問」「デイサービス」「ショートステイ」などのサービスを提供する事業所が身近な地域に増えれば、産後の母子の安心に大きく寄与するものである。
    また、地域でこうした事業を担っている助産師は「子育て等で一度出産現場を離れた助産師はリスクの高い出産現場に戻らず、潜在助産師として一定数おられることから、産後ケア事業はそうした方の活躍の場となるのではないか」とも言われている。
    産後ケア事業は市町の事業であることから、兵庫県としては産後ケア事業所の立ち上げ支援策や市町を越えてもサービスが受けられるような体制づくりに向けた支援を早急に行うべきであると考えるため、我々が提案する地域包括型の産後ケア事業所の立ち上げ支援及び産後ケアの体制づくりに兵庫県としてどのように取り組もうとしているのか。

    (齋藤知事)令和元年度の産後ケア事業法制化以降、産後ケアの推進に取り組んだ結果、短期入所型、通所型、居宅訪問型のいずれかの方法で実施している市町は、今年度全市町となった。全ての方法で実施している市町は19市町にとどまっている。
    県では、市町で実施状況のとりまとめと情報発信、保健師、助産師等への研修、医療、福祉等への関係者による調整会議等で様々なよい事例の共有を図っているので、引き続き、すべての町や市、市町実施主体であるので、実施に向け取り組みを進めていきたい。
    また、助産師さんのご活躍も大事なので、今年度から一人の助産師が妊娠期から育児期にわたって切れ目のない支援を行っていただく「兵庫県版マイ助産師事業」というものを県内2市で、モデル的に実施しているので、今後ともモデル事業をおこないながら普及していきたい。
    ご提案いただいた、地域包括型の産後ケア事業所の設置については、育児に悩む妊産婦さんの孤立防止等の効果が期待されることから、県としても国の動向や市や町の今後の状況を見ながら、産後ケアに係る人材育成、先行事例の紹介等、支援のあり方、どういうふうなあり方がよいのかということを研究していきたい。

    (島山県議コメント)短期間といえども妊娠、出産、産後の時期は母親が大変な時期。そこの部分のケアというのが私自身も子育てをしたものの一人として大変だと。そこに支援を提供する体制というのは、国も進めているが、兵庫県がまず、母子保健法が改正されたタイミングで、若者の流出や知事も子育てを強調しておられるから、発信する契機になると思い、研究から検討していただく。地域に一つ、3つのサービスが気軽に受け入れる態勢が理想型であるが、実現に向けて進んでいってもらいたい。



    6、大阪・関西万博に向けた兵庫の取組の推進について

    (島山県議)2025年開催予定の大阪・関西万博は、コロナ禍で閉塞感が広がる中、国内はもとより海外からも多くの観光客が見込まれており、関西経済の起爆剤になると大きな期待が寄せられている。
    我々公明党・県民会議議員団としても大きな関心を持っており、先日、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会広報戦略局長の堺井氏を招いて「2025年大阪・関西万博による経済効果と関西の活性化」をテーマに講演していただいた。
    その中で、認識したのは呼び込みから手配までできる体制整備は県独自で考え、サテライト会場等を整備するのであれば、県が独自で整備する必要があり、大阪・関西万博とはいいながらも博覧会協会は大阪の舞洲の万博会場の整備に目一杯であり、主体的にこちらから働きかけないと万博会場との連携は難しいということだった。
    話を聞くと万博まであと3年、来年には万博会場の建設もはじまり、時間がない、先手先手で動かないと間に合わないのではないかという危機感を抱いた。井戸前知事は今年6月の定例本会議で、広域連合では関西各地の万博関連会場とを結ぶゲートウェイ機能として、広域連合共同パビリオンの検討を進めると共に、本県でも万博の効果を波及させるため、食、文化、自然など、兵庫の魅力を体験できる淡路島や姫路などのサテライト会場の設置を検討するといわれていた。
    一方、齋藤知事は選挙公約で「フィールドパビリオン」構想を立ち上げ、万博に訪れる人を県内各地の農業や地場産業に誘うという、新たなビジョンを示されたが、サテライト会場の設置や構想実現に向けた具体的なプロセスはまだ示されていない。
    県では昨年度、大阪・関西万博で見込まれる交流人口を呼び込み地域の活性化につなげることを目的に、全庁横断的な組織である「大阪・関西万博ひょうご事業推進本部」を設置されているが、今年度は会議が開催されておらず、どのような形で議論がすすんでいるのか全く我々には見えてこない。
    万博開催までの準備期間は限られており、様々な部局や県内自治体との調整も必要であることを考えれば、推進本部での取り組みを加速化させる必要があるのではないか。大阪・関西万博への県民・事業者の期待や開催意義を考えれば、なんとしても成功に導かなければならない。そこで、前知事が検討していた淡路・姫路などでのサテライト会場の設置についてどのように考えているのか、「フィールドパビリオン」構想について、もう少し具体的なビジョンを示していただくとともに、どのような現状認識のもと、どのような戦略で実現しようと考えているのかを伺う。

    (齋藤知事)本県としても万博会場に関西広域連合と共同でパビリオン出展とともに、兵庫全体を「ひょうごフィールドパビリオン」として展開していきたい。同パビリオンは、万博を機に兵庫を訪れる世界中の方々が各地で地域課題を含めて様々な課題の解決に向けた取組をやっているローカルな団体や住民の日々の取組におけるありのままの姿を見ていただき、それを学んだり、体験したり、交流する場であるということで、地域の現場そのものをパビリオンと位置づけ、そういったものを広大な五国全体で展開するということで、SDGsの課題解決の先進県としての兵庫を世界に発信していきたい。
    震災復興、食と健康、地場産業、農林水産業、伝統文化の継承など、様々な活動に関わる方々自身が発信するプレーヤーとなっていただいて、取組の価値を観光コンテンツとして磨き上げていただくことが重要だと思っている。その展開では、集客のために新たな独自のサテライト会場を設置するというよりも、既存のイベントや施設などを活用して大事なのは、取組の現場そのものにどうやってお客様に来ていただくかという仕組みをどう作っていくかということで、それができればご指摘の民間の観光企画をされる事業者さんにも主体的に参画していただいて、商品をつくっていただくことで、万博後にレガシーとして兵庫県にいろいろな人の流れを呼び込んでいただけるような流れを主体的に創っていくことが大事である。



    7、コロナ禍を乗り越えるための県内経済振興策について

    (島山県議)コロナ禍での市場の変化は、時代の大きな転換点となっているため、企業は対応するためにあらゆる手段を講じながら変革を図っていかなければならない。国では、デジタル化への集中投資を行いDXによる生産性の飛躍的向上を目指すと共に、グリーン化では企業の脱炭素化の対応の度合いによってグローバルにサプライチェーンの取引先が選別される動きが加速しており、温暖化への対応が国や企業の成長の成否を決する時代に突入している。
    ものづくり県である本県は、カーボンニュートラルに向けた企業の対応への支援や、県内の産業構造の転換を図ることも非常に重要な課題である。とはいえ、中小企業がコロナ禍による目の前の苦境をまずは乗り越える必要があることから、これまでの国や県が行ってきた経済支援策の効果を見極めつつ、今後の感染収束の状況によって、雇用調整助成金や無利子無担保融資等の特例的な支援策が打ち切られていった場合に、県内経済が混乱しないようソフトランディングできる対策についても、中小企業のニーズを把握し、きめ細かな準備をしておく必要がある。
    その上で、コロナ禍で苦境にある業種や中小企業、商店街等に対して、この先半年、1年といった短期的な対応として、県には適切な県内経済振興の舵取りが求められるとともに、デジタル化やカーボンニュートラルの流れに即した、生産性向上や成長分野への業態転換の促進に向けた支援策といった中長期的な課題にも同時に取り組む必要がある。
    そこで、県としてまずはコロナ禍を乗り越えるための県内経済の振興支援策について、どのような課題認識をもって、国の補正予算に基づく対応や来年度予算の事業に取り組んでいくのか、またデジタル化、カーボンニュートラルへの対応を短期的な取り組みの中にも、うまく組み込みながら、中長期的な兵庫県経済の成長に向けて、どのように取り組んでいくのか。

    (齋藤知事)短期的には、飲食や宿泊、様々な対人サービス等、サービス業への影響が深刻なので、そこをしっかり支えていくということがだいじだと考えており、県民向けの県内割の県内旅行の宿泊代金割引のキャンペーンやGoToEatキャンペーンの再開を実施しているという事である。県民向けの県内割のキャンペーンは、関西の中でも比較的早く実施したが、現場の事業者の皆様からは、昨日も淡路に行ったときに聞いたのだが、大変宿泊の予約は増えていて動きはじめているという感想をいただいた。
    そして、中長期的にはデジタル化・グリーン化などの進展を踏まえて、また、SDGsの視点も取り入れて、事業構造の転換を各事業者を含めて行っていくという必要がある。そのためにもいわゆる学び直しということで、リカレント教育を推進しながら、デジタル人材の育成を支援するということと、今後、国の事業再構築補助金の活用を促しながら、一方で国の対象からはずれる、いわゆる規模の小さい事業者や事業について、県独自の支援も今後検討していきたい。また、脱炭素のカギを握る水素関連産業もしっかり支援を進めていく。併せて、国連機関UNOPSと連携したスタートアップの育成にも力を入れていく。

公明党・県民会議議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

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