議会報告

  • 篠木 和良
    第361回(令和5年2月)定例県議会 一般質問(しの木和良議員)

    ≪質問項目≫
    1、地域創生戦略の見直しについて
    2、都市計画区域の線引き(区域区分)の廃止について
    3、都市農業、都市近郊農業に係る担い手不足について
    4、親亡き後を見据えた障害者支援の取組について
    5、県立学校特別教室への空調整備について



    ≪質問と答弁のダイジェスト≫

    1、地域創生戦略の見直しについて

    (しの木県議)この度、第二期「兵庫県地域創生戦略」の残る計画期間2か年の見直しが行われた。その見直しの中で、総括がされている。地域の元気づくりでは、一人当たりGDPの伸びは国を上回り、住み続けたいと思う人が高い割合を維持するなど、戦略目標を概ね達成し、社会増対策では、30、40歳代の子育て世帯が転入超過に転じた一方で、20代の就職世代を中心に全体としては転出超過の傾向が続き、自然増対策ではコロナ禍に伴う出会いの機会の減少や妊娠を控える動きなどから戦略目標の達成には至っていないとされている。
    その成果と課題、そして現在の社会潮流を踏まえた施策展開により、残り2年間の取り組み効果を高めていく必要があると結ばれている。これを受け、共通基盤にSDGs、公民連携、DXの3項目を設定し、時代を背景にFrontier、Return、Futureという3本柱で、人・モノ・投資・情報の流れを兵庫に呼び込む戦略目標となっている。これまでの戦略で対応不足なものや新しく対応しなければならないものとして十分検討されたものと思われる。
    しかしながら、それらの戦略は現状の東京一極集中・大都市集中の社会構造の上で立てられているもので、経済や人口などで持続させなければならない地方社会の視点から見れば、不十分な戦略ではないかと疑問に思われる 地方創生は、本来は、人の承継や経済の循環する自立した地方社会を創設することではないか。また、現在の社会潮流を見ての見直しということだが、コロナ禍の中で都市集中型の社会のもろさが浮き彫りになり、全国の都市や町村で地域経済がしっかり循環し、ほどよい密度のまちの賑わいがある地方分散型社会が必要とされているが、このことはコロナ禍前の地方創生施策でも言われているところである。
    今回の見直しの中ではその姿は全く見えていない。これまで約8年間の戦略では、ほとんど地域創生としての成果が見えておらず、しかもコロナの経験を経ての見直しでもあったわけだから、当然、地方分散型社会構築の項目でも検討すべきではなかったのか。地方創生の目標と地方分散型社会への取り組み方針、並びにそれらの考え方と将来の兵庫のあるべき姿をどのように考えているのか。

    (斎藤知事)今回の中間見直しにあたり、地域の未来を担う将来世代に焦点をあてて、都市から地方まで県内の多様な地域に若い方々が定着し、活躍することを目指す取り組みに重点を置いた。
    具体的には、第一に「若者をひきつける仕事をつくる」ということ。成長を牽引する次世代産業の立地の促進、県内学生に対するスタートアップ支援の強化、しごと支援拠点の多自然地域への設置、Z世代の関心が高いSDGsに取り組む推進企業の育成など、若い世代が兵庫を舞台に自分の力を発揮したいと思える環境を創っていく。
    第二に「働き方改革の推進」。デジタル技術の浸透は淡路や丹波など地方への人の流れを生みだした。場所にとらわれずに働けるテレワークの拡大、女性の活躍を推進するミモザ企業の本格的な展開など、新しい時代の働き方がかなう社会をつくっていく。第三は「教育への投資強化」。青春時代の多くを過ごす学校の環境を改善し、学業やスポーツ・文化活動の充実を支えていく。それによって、地域への愛着を育み、地元への定着、そして一度県外に出た若者のUターンにもつなげていきたい。

    (しの木県議(再質問))東京一極集中という流れができており、今でも猪名川町では、中学や高校時代から自分たちは東京や大都市にでていくものだという意識のもとで育っている。東京や大都市への流れが変わっていない。それを変えられるとするなら、当初東京へ人が集中し、モノが集中し、そして大都市へと集中していった行政の誘導と民間の活力・エネルギーが反対に地方に起こるような、地方分散型社会をつくるというような、誘導するような文言の中で、創生戦略の施策を入れるべきではなかったかと提案する。それについてどう考えるのか。

    (斎藤知事(再答弁))ますます東京一極集中の可能性が高まっていくのではという危惧をいだいている。そのような中で、一部の方々は東京へ行って挑戦してみたいという思いもあるかもしれないし、それを否定するつもりはない。一方、住み慣れた地元でこのまま働きたいという若者であったり、大学生活をこちらで過ごした人の7割くらいは、ここにいたいと思うようですが、共通するのは働くところがなかったり、挑戦する場所がないということなので、こういったことは行政がつくっていくという意味で先程申し上げた取組が大事であると思う。今回の戦略の策定にそこの文言が少し不十分であった点はあるかもしれないが、まさにそこを進めていきたいと思っている。

    (しの木県議コメント)やはりそこで育ったものが自分たちで地域を守っていくんだという意識ができるような、環境づくりができたらいいと思う。次の見直しの段階では、地方分散型社会という言葉が入ることを期待している。



    2、都市計画区域の線引き(区域区分)の廃止について

    (しの木県議)市街化調査区域は、1970年前後の川西市や横浜市の大規模住宅団地開発を受けて、人口急増問題を抱え、都市基盤整備も追いつかなくなった都市や無秩序開発によるスプロール化の問題を解決する一つとして制度化されたもの。その当時は、現時点のような東京一極集中が一層進み、地方では若者の流出が止まらず、人口が減少し続け、超高齢化社会となってその消失が目前となっている社会とは異なり、人口が増え続け、社会が成長し続けるという、現状とは真逆の社会現象のときだった。
    その意味で、区域区分の廃止による影響等も、どういう視点でみるかによって、結論が左右されるのではないかと危惧する。以前のように開発によってスプロール減少がおきるのではないか、都市基盤整備が必要になるのではないか、また、その地域外の中心市街地にも影響が及ぶのではないか、ということを区域区分ができたときの背景のまま調査結果を見るか、それとも、なんとかして現状の社会構造を変えなければ地方が存続できなくなるという危機感から地域創生施策推進の視点で見るかによって、区域区分見直しの考え方はかわるのではないか。
    私は区域区分の調査・検討は廃止による影響にどう対応し、地域創生を進めるために、民間活力を引き出す方向で必要な制度は何かを見極めるために行うべきだと考えるが所見を伺う。

    (斎藤知事)今年度実施した市町へのヒヤリング等では、区域区分維持の意向を示している市町がある一方で、市街化調整区域の面積・人口の比率が高い市町、特に北播磨地域からは、市街化調整区域での厳しい建築制限が、ご指摘の産業の誘致や移住の促進の障壁となって、地域の衰退の原因となっている、それをチャンスととらえられるようにしていきたいという声が強いととらえている。
    この解決が民間活力・投資、それから移住を促す、多極分散型の兵庫県づくりにとってキーだと思うので、就任後その計画の改正・改革について着手してきた。市や町がまず主体となって、地域の特性やニーズに応じた土地利用ができる新たな仕組みが必要である。昨年度、検討会を立ち上げて、そこで議論を重ねながら、今回都市計画審議会の専門委員会で検討しているところである。
    具体的には、区域区分を廃止したうえで、市町が活用するエリアや保存するエリアをゾーニングしていく、そして的確に土地利用コントロールをする方法を導入していきたいと考えている。そうすることで、これまで原則建築が禁止であった、市街化調整区域でもゾーニングに適合すれば建築が可能になり、許可手続きも不要になるということで、産業立地や移住のニーズにもスピーディーに対応できるなど、民間活力を最大限活用して地域活性化に資する制度にしていきたい。
    一方、農地の保全であったり、あと阪神間は特に法律の規制が厳しく、市街化調整区域の議論がしにくいということで、国にも要望する必要があるので、ぜひそこをご理解いただき、一緒に要望していくことが大事だと思っている。

    (しの木県議(再質問))地方創生を進めるために障害になる、そして以前とはまったく違う環境の状況が生じているところで、以前の環境の中でできた法律・制度がいまだに、すべてを拘束しているということを打破するためには、その障害を乗り越えるという、そういう意欲を持って進まなければならないと思う。そういう意味で国に具体的にどういうように、本当はすべて区域区分を廃止してほしいのだが、どのように知事は考えておられるのか。

    (斎藤知事(再答弁))近々でいうと、国会議員への予算の説明会もあり、そこで伝えていくということと、すでに市街化調整区域の議論については、逐次、県選出の国会議員にも報告し、問題を共有している。その取り組みの輪を拡げながら、一緒にやっていきたい。

    (斎しの木県議コメント)私たちも国会議員に要望して、強調して進めていきたい。



    3、都市農業、都市近郊農業に係る担い手不足について

    (しの木県議)本県では農業に対する様々な施策を講じているが、このままでは農業が続けられないという声をよくお聞きする。私の地元、川西市の南部地域では大都市近接という好条件のもと、これまで桃などの果樹や野菜の栽培がされてきて、近年では特徴ある朝取り完熟イチジクで収益性を確保している。それにもかかわらず、承継するべき若い担い手の多くは、作業の厳しい農業を敬遠し、地の利が良いことからビジネスマンとして勤務され、高齢の就農者は自分たちが終わればほとんどの農地がなくなると懸念している。
    猪名川町では、中北部の農業地域では小学校も1校廃校となり、中学校も統廃合され、残る小学校2校も風前の灯火となっているほど、若い方が流出する地域となっている。農業を承継する担い手も当然都市部に転出し、高齢の就農者からは、以前と違って定年になっても帰ってこない、その実情を何とかしてほしいと悲痛な訴えを聞いている。
    事情は異なるが、両市町とも担い手後継者がおらず、このまま推移すれば、近いうちに農地が消滅してしまう危機にある。このような現状に対して、当局としてどのような認識を持ち、また、新年度多様な人材の参画を推進するため、移住者等を新たな自給的農家などとして確保するための必要経費を計上されているが、その取組の目論見と、今申し上げた地域の農業についてどのような方向性で考えているのか伺う。

    (萬谷農林水産部長)市街地やその周辺で農業を安定的に継続するには、農産物の供給という役割に加えて良好な防災機能など農地が有する多様な機能への地域住民の理解を醸成することや、生産緑地制度の導入、「都市農業振興基本計画」の策定を通じた市町による都市農地を活かしたまちづくりの促進が必要になる。
    加えて、消費者の顔の見える都市、あるいは都市近郊農業の特性を最大限活かして安定的な収益や次代の担い手の確保を図る取組が必要である。このため県では①農産物直売所での交流や食育などを通じた住民との協働関係の構築への支援や②都市農地貸借法を活用した借受者による市民農園の開設など、柔軟で有効な農地の活用への提案などに取り組んでいく。
    また、担い手の視野を広げることも進めていきたい。具体的には①JAが窓口となった都市農地所有者と就農希望者とのマッチングへの支援のほか②都市地域でニーズが高いと思われる農福連携において、コーディネーターによる地域の福祉事業所との連携への支援、加えて令和5年度から新たに③援農など様々な形で農に関心を持つ企業の参画の促進や④NPOなどによる、農業へのあこがれを持つ移住者、あるいは半農半X希望者の定着を促進していく。

    (しの木県議コメント)今おっしゃていただいた政策に期待している。



    4、親亡き後を見据えた障害者支援の取組について

    (しの木県議)私は令和元年に、障害者に対する親亡き後の取組について質問したが、引き続き保護者から同じ不安をお聞きするところだ。その際、答弁いただいたように、県では積極的にその課題への取り組みをしていただいている。その一つは、住まいの確保について県単で上乗せをした家賃補助や県営住宅を活用したマッチングなどの親亡き後のすまいの一つとしてのグループホームの整備を積極的に促進されている。
    また、平成30年度から創設された障害者の重度化・高齢化に対応できる「日中サービス支援型グループホーム」に報酬体系や職員配置に課題があることから、医療的ケアが必要な重度の障害者でも安心して生活できるよう看護職員を常時配置した、全国で初めての「医療支援型グループホーム」の助成事業を創設された。
    昨年12月に県内2カ所目の施設が相生市にオープンし、看護師24時間常駐の障害者区分5以上の重度身体障害者が生活できるグループホームとなっている。
    このように兵庫県では、「親亡き後」を見据えた誰もが住み慣れた地域で安心して生活できる地域社会の実現をめざした施策を積極的に推進されているところだ。県では、「第2期ひょうご障害者福祉計画」で、親亡き後障害者の地域生活をなお一層積極的に推進しようとしている。そして、新年度に親亡き後を見据えて、在宅障害者と保護者に、地域での生活の具体的な姿の説明・提案を行う説明会を実施しようとされている。
    しかしながら、リハビリ施設でもそうであったように、阪神の東部地域は重度障害者向けのグループホーム等の整備が遅れているのかとも思われるが、重度身体障害者を家族にもつ保護者は希望を持てずに悩んでおられるとの声も聴く。今後、親亡き後の障害者の地域での安心した生活を支える取組を推進するにあたって、全県下を対象としてどのように具体化していくのか。

    (生安福祉部長)地域の支援体制の充実では、相談支援の中核機関となる基幹相談支援センターや緊急時の相談・受入機能などを有する地域生活支援拠点を令和5年度末までに全市町での設置を進める。こうした支援につなぐため、新たに地域生活の具体的な姿を提案する説明会を全圏域単位で実施していく。
    住まいの確保では、グループホームの役割が重要となる。現在、グループホームの利用者数は、計画目標を県下全域や阪神北圏域でも上回る状況にあるが、日中サービス支援型グループをはじめとして重度障害者の受入は1割程度である。
    このため、全圏域では日中サービス支援型グループホームの整備、そして医療型の入所施設がない圏域では医療支援型グループホームの整備を進めるほか、強度行動障害者の受入拡大なども進めていく。来年度改訂の実施計画においては、その受け皿確保を県の率先取組指標に設定し、地域の実情に応じた取組を推進していきたい。さらには、施設の整備・運営には地域との連携が不可欠なので、県民意識の醸成も図っていく。

    (しの木県議コメント)地域の説明会だけだと思っていたが、受入れ体制もしっかり整えていただけるとのことなので、ぜひともお願いします。



    5、県立学校特別教室への空調整備について

    (しの木県議)学校においても、熱中症予防のため、空調整備がすすめられ兵庫県では、平成30年度に県立学校全普通教室への設置が完了している。それ以後は、特別教室への整備が進められており、夏場でも窓を閉め切って授業を行う必要がある教室など優先順位をつけて推進されている。令和元年度に特別支援学校の整備が完了し、令和2年度から、高等学校の整備が順次進められている。私の地元川西市では2高校、近接の宝塚市でも3高校が設置済みとなっている。
    しかしながら、選択教室・理科室・社会科室などは未設置教室となっている。熱中症で命を落とすリスクを最小限にするために空調整備するのであれば、当然、全教室も一様に整備されなければならない。まさか、常時在室せず、利用時に締め切らずに使用する教室は、季節に対応できる強さや寒さ暑さも我慢できる体力を培ってほしいという前近代的な精神論ではないと信じるが、現在では室内でも熱中症のリスクが高まり、窓を開けても閉めてもリスクは同様だと思う。
    財源的に優先順位をつけるのは理解できるが、なぜ未設置教室があるのかは理解できない。新年度に未設置教室の中で選択教室への空調整備がなされる予定で予算計上されているが、そのほかの理科室等の未設置教室はどういう計画となっているのか。同じく新年度、地域と協働した活動や地域の活性化にも寄与するため、モデル的に学校グラウンドの芝生化整備を学校環境の整備の一環としてするということだが、優先順位とういう意味では学びの場本来の環境整備が優先されるべきではないか。今後の特別教室への空調整備について所見を伺う。

    (藤原教育長)現在は、夏場も窓を閉め切り、授業を行う音楽室や調理室、被服室などの5教室を令和10年度の完了に向けて取り組んでいる。一方で、夏場の猛暑日の増加など気象状況が厳しくなる中、空調未設置教室への整備の必要性については、十分認識している。特に学校から多くの要望がある、少人数学習で使用する選択教室510室に加えて、避難所指定の学校体育館の空調整備に着手するなど、令和5年度から6年間で約52億円の投資を行なう。
    理科室や社会科室等への空調整備をはじめ、県立学校の環境改善については様々なご要望がある。厳しい財政状況においては、一度にすべてを叶えることはなかなか難しい状況にあることはご理解いただきたい。まずは、選択教室等の空調整備を確実に推進する中で、特別教室の未設置の空調整備などさまざまな要望に応えるためにも、現在実施している長寿命化改修やその他の改修工事等を効率的に実施していく。
    2つ目に国の補正予算など、有利な財源を積極的に活用するなどにより、特別教室の空調整備も含め、可能な限りさまざまな要望に応える整備の前倒しを図り、その中で対応できるか検討していく。併せて学校には今回整備する社会科室等の選択教室も有効的に活用できるか検討を促す。
    なお、グランド芝生化整備は、運動場の課題である砂ぼこり、ぬかるみ、生徒のけが等への対応に加え、部活動で利用することへの効果を検証するために、生徒の要望も踏まえ、県立学校で始めての取組となる芝生化整備をモデル的に行うものである。

    (しの木県議コメント)未設置教室がなくなるということであれば、そう理解していきたい。

公明党 兵庫県議会議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

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