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  • 2023年11月13日 原田大阪体育大学学長が研修会で講演 地域振興に繋がるスポーツツーリズムへの取り組み方を探る

    県議会公明党は、定例の研修会を11月13日県庁内で開催し、大阪体育大学学長の原田宗彦氏が「スポーツによる地域振興~スポーツツーリズムの最前線~」をテーマに講演しました。原田氏が提唱しているスポーツツーリズムとは、スポーツによって人を旅行や観光などで移動させ、経済効果をもたらそうというもので、地域振興の方途として注目されつつあります。これについて、様々な角度から今後の取り組み方などを探りました。

    まず、原田氏はスポーツツーリズムに関して「アクティビティを造成することによって、あらゆる場所に価値を生み観光資源にすることが可能になる。アクティビティの活用に人を呼び込むこと。観光資源を選ばず、名所旧跡目的ではなく、隠れた資源であるスポーツを旅行商品化し、見る、する、ささえるスポーツという新しい旅の目的と需要を創出する」とその大きな特徴を話しました。また、「健康と運動に留意したアクティブな活動を含む観光行動。運動や食事管理、医療サービスを通して肉体的・精神的に良好な状態に改善する観光活動でもある」と多様な価値づくりが可能であることを付け加えました。

    アトラクションづくりについては、「これが1番の課題。そこに行くストリーづくりが重要だ。自然を活用したツリーハウスや小径、食プラスアウトドアフィットネスなどのストーリーづくり」など、そこに行きたくなる魅力づくりの大切さを指摘。そのひとつとして大阪府茨木市の安威川ダムに出現したアウトドアアクティビティ施設で420メートルの日本最長の橋をセールスポイントとした事例を紹介しました。

    また、国のスポーツ政策としての第3期スポーツ基本計画(2022年度~2026年度)を解説。計画では、無関心層を刺激し、スポーツ人口の拡大を図ることを目的とする、新たな3つの視点として▼スポーツをつくる・はぐくむから「する」「みる」「ささえる」プラス「つくる」▼あつまり、スポーツをともに行い、つながりを感じる▼スポーツに誰もがアクセスできるーを掲げ、特に自分たちで自分たちのスポーツをつくるという「スポーツ共創」という概念を使っており、スポーツによる地方創生・まちづくりの推進を5年間に取り組む施策としています。

    さらに、これからのインバウンドツーリズムの可能性として「グローバル・スポーツツーリズム・マーケット2020年度は約53兆円で、2030年度は約234兆円と試算されている。政府観光局のインバウンド予測では、2023年9月は218万人で、1月からの累計は1、737万人で2千万人突破は確実視されている。ぐんぐん伸びている」と述べ、地方での工夫を凝らした準備の必要性を強調しました。
    次にスポーツ庁が注力する二つの領域として、アウトドアスポーツツーリズムと武道ツーリズムを挙げました。アウトドアスポーツツーリズムとは、世界に誇る日本の自然資源を活用することで、日本各地の海・山・川・湖等の自然環境下で、その地域ならではの景観・環境・文化に親しみながら体験が可能な身体活動を伴うアクティビティを楽しむツーリズムのことを示します。

    武道ツーリズムとは、世界の人々から関心の高い武道や武術の見学、感染、実技体験、施設見学等、発祥の地である日本でしか体験できないスポーツ文化(伝統文化、精神文化)が融合した、希少性の高いツーリズム。
    青森県十和田市ではスポーツ流鏑馬が盛んで、女性騎士だけの大会「桜流鏑馬」を開催。2021年4月には2日間で国内外から約2万人の来場者があったことを説明しました。
    このほかに、地域おこしスポーツ協力隊が、平成21年度から始まり、令和2年度には全国1,065自治体、5,664人が活動。その中で文化・スポーツ振興に関する活動を行っている隊員は全体の14%で、R2年度の隊員数から割り返すと764名が全国で活動している計算になり、地域おこしへの大きな力となっていることを強調しました。

    原田氏は最後に▼スポーツツーリズムは、商品開発の自由度は高い▼ツーリズム産業は裾野が広く、多くのステークホルダーが関係する▼スポーツ×文化×観光によるマーケットの拡張が可能▼司令塔としての地域スポーツコミッションの設立などが重要となることを指摘し、県内での推進への県議会公明党の活動に期待を寄せていただきました。

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