議会報告

  • 坪井 謙治
    第351回(令和2年9月)定例県議会 代表質問(坪井謙治議員)

    ≪質問項目≫
    1、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた今後の財政運営について
    2、県行政のデジタル化を大胆に進める体制構築について
    3、感染拡大のための「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」と「兵庫県新型コロナ追跡システム」の普及拡大について
    4、新型コロナウイルス感染症の長期化に伴い深刻な打撃を受けている地域医療への支援について
    5、「認知症対策ひょうごモデル」の全県展開について
    6、重度障がい者に対する訪問看護療養費の助成拡大について
    7、厳しい経営状況にある中小企業等への経営支援について
    8「Withコロナ時代」における観光振興を見据えた県民の県内観光の促進ついて
    9、広い県土と五国で異なる地域性を踏まえた本県独自の新型コロナウイルス感染症対策にかかるガイドラインについて

    ≪質問と答弁のダイジェスト≫

    1、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた今後の財政運営について

    (坪井県議)これまでに行った補正予算の財源のほとんどは、地方創生臨時交付金や緊急包括支援交付金が活用され、実質的な県の財政負担は限定的と聞いているが、その一方で県税収入の落ち込みは深刻になる。日本全体で4~6月のGDPは戦後最悪の落ち込みとなり、海外の状況をみても当面V字回復するとは考えにくい状況にあり、本県の経済状況も同じではないかと思われる。
    短期的には、不急の事業の実施の見送りや経費の節減などによって、今年度の当初予算を柔軟に見直していく必要がある。さらに、中長期的な本県財政への影響を分析し、令和元年度から10年間を計画期間とする「兵庫県行財政運営方針」について「3年ごとを目途」とした文言にこだわらず、新型コロナ対策と財政完全化を両立させるための見直しが必要であり、様々な事業に対しても必要性や優先度を考えながら大胆な見直しが必要である。
    また、こうした行財政運営の見直し等については、県民の皆様に対してわかりやすく説明し、理解を求めることが必要だ。そのことがひいては厳しい状況に置かれた県財政と予算の見直しへの理解と支持にもつながるものと考える。そこで、今年度の当初予算については事業の見直しや経費の節減などをどのように進めていくのか。そして、今後「行財政運営方針」や様々な事業の見直しをいつ、どのように進めていくのか。さらに、それらについてどのように県民に周知していくのか。

    (井戸知事)令和2年度の県税収入は、コロナ禍による消費の低迷や景気の悪化により、法人関係税や地方消費税を中心に現時点で当初予算に比べ約1,000億円を超える減収が見込まれる。さらに、来年度の税収は、現在の財政フレーム上の見込みと比較して約2,000億円減となる可能性があり、このうち交付税による財政調整の対象外となる留保財源が約500億円不足するため、新年度の予算編成は大変厳しいものになると認識している。
    今年度の減収に対しては、減収補填債や調整債などを活用するが、現行の減収補填制度で対象外とされている地方消費税などについては対象とするよう国に強く要望している。加えて、自らの対策として中止や延期が見込まれる事業を減額するほか、基本的な維持費を除く行政経費の節減にも取り組む。
    来年度に向けては国に対し、リーマンショック時の交付税の別枠加算を超える措置など、地方一般財源総額の確保を要請し、特に留保財源の大幅な減少について特例的な地方債の創設などを求めていく。また、行財政運営方針についても令和3年度当初予算の編成と並行して財政フレームを見直し、事務事業の見直しをはじめ行財政構造改革時にもまして英知を結集し行財政全般にわたる対策を徹底し新年度から反映する。
    県民への周知・広報にあたっては厳しい財政状況と事業等への見直しへの理解と支持が得られるよう、引き続きていねいでわかりやすい資料作成、発信に取り組むとともに県ホームページやSNS、県民だよりひょうごなど県民の目にふれやすい媒体を積極的に活用する。

    4、新型コロナウイルス感染症の長期化に伴い深刻な打撃を受けている地域医療への支援について

    (坪井県議)毎年10月ころから季節性インフルエンザの流行が始まるといわれている。季節性インフルエンザは毎年、国内で約1000万人が観戦し、県では1日8,600人程度の診療体制が必要だという試算もある。新型コロナ感染症がおさまる見通しもたたない中で、同時流行に備えた体制の整備が必要です。
    しかし、地域医療の担い手である医療機関の経営は、新型コロナ感染症の影響の長期化に伴い、深刻な打撃を受けている。新型コロナ患者を受け入れている医療機関は、ベッドを空けていることによって収入が減少しているだけでなく、感染防止に必要な設備や消毒などの経費がかさんでいる。一方で、新型コロナ患者を受け入れていない医療機関においても、新型コロナの感染を恐れた「受診控え」などによって患者が減少し、経営が悪化している。厚労省によれば5月に全国の医療機関を受診した患者数は、前年同月から2割以上も減少しているとのことだ。その結果、日本病院会などが全国の病院を対象に行った調査では、新型コロナ患者を受け入れている病院の8割以上、全体でも6割以上が赤字に陥っているという調査結果が出ている。
    新型コロナ患者を受け入れる医療機関への支援として、感染防御のための施設整備の支援に加え、空床補償や運営支援などを実施しており、評価するところだが、それ以外の感染防止に取り組みながら地域で医療提供を続けている医療機関に対しても、一層の財政支援が必要である。今後、発熱患者などの診療や検査を進めていく体制の整備のためにも、医療機関の経営の安定は欠かせない。
    新型コロナ感染症対策に万全を尽くすのはもちろんだが、他の病気の患者も必要とする地域医療を守るために、今後どのような支援を行っていくのか。

    (井戸知事)新型コロナウイルス感染症患者に対応する医療機関は、通常を上回る看護師の配置や院内感染防止対策など大きな経営負担が生じるため、県は空床確保や設備整備等について支援している。一方、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れていない医療機関についても、感染を恐れた受診控えによる患者減少により経営が悪化している。
    そのため、県では救急・周産期・小児医療機関などで感染の疑いのある患者が受診した場合に必要な診療が行えるよう、簡易陰圧装置や空気清浄機の整備など、院内感染防止対策への支援を行っている。また、兵庫県医療信用組合などが取扱金融機関に指定している県の中小企業融資制度で、売上減少など一定の要件を満たす場合に3年間無利子、保証料全額を免除する「新型コロナウイルス感染症対応資金」等を創設した。加えて、一定額まで無利子・無担保の福祉医療紀行が行う融資制度を周知するなど、医療機関の資金繰りの支援も行ってきた。
    さらに、インフルエンザ流行期への備えとして国が行う①「診療・検査医療機関」で実際の受診者数が想定受診者数を下回る場合にその差を体制確保料として行う支援や②救急医療機関等が9月以降に実施する院内感染防止対策を対象とする支援などを医療機関等に周知し、積極的な活用を促進していく。また、過度な受診控えが健康に及ぼす影響も懸念されることから、医師会等関係機関と連携し、適切にかかりつけ医等への受診や健診を行うよう啓発に努める。

    7、厳しい経営状況にある中小企業等への経営支援について

    (坪井県議)新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの企業が悪影響を受けている。内閣府が9月に公表した4月から6月期の国内総生産は、年率換算では28.1%減となっており、成長率のマイナス幅は比較が可能な1980年以降で最大で、事実上、戦後最悪の落ち込みとなっている。新型コロナ感染症が国内経済に与えた打撃の大きさが浮き彫りとなった。
    こうした記録的なマイナスに陥った最大の要因は、GDPの半分以上を占める個人消費が、前期比7.9%減に落ち込んだことであり、それは国の緊急事態宣言の下の外出自粛や営業休止が広がり、レジャーや外食をはじめ幅広い分野で支出が抑えられたことによる。 こうした状況を受け、国は緊急経済対策として大幅な売り上げ減に見舞われた中小企業などに対して、持続化給付金や雇用調整助成金の特例措置、家賃支援給付金など、矢継ぎ早に支援策を打った。県においても、中小企業などの資金繰りを支援するための融資制度や、県の休業要請に応じた事業者に対して支援金を支給するなど、様々な支援策を打っているところだ。こうした支援策によって、事業継続の見込みができ、本当に助かったとの声を聞いている。
    その一方で、対象条件に満たず支援から漏れ厳しい経営状況にあえぐ中小企業などもあり、支援策の対象要件の緩和や新たな支援策を求める声が届いている。感染拡大が落ち着きを見せているとはいえ、冬に向けて再拡大する可能性を考えれば、今後も厳しい経営環境は続く。中小企業などの事業継続を第一に考えれば、必要な支援策をためらわずに打っていかなければならない。
    効果的な対策を打っていくためには数値などに基づいて状況を把握することが必要だが、県では県内中小企業の経営環境をどのように把握しているのか。そして、これまでの支援対象から漏れた企業も含めて厳しい経営状況にある中小企業などに対して、今後の感染再拡大も見据えた事業を継続していくための経営支援が必要である。これをどのように取り組むのか。

    (井戸知事)新型コロナによる需要減少したの資金繰り支援のため、本県では3年間無利子・保証料不要の融資、休業支援金、事業再開支援金など緊急対策を講じてきた。今回、融資枠を1兆円から1兆3千億円に引き上げて万全を期す。また、国は持続化給付金、家賃給付金等を用意し、前者だけでも県内給付額は推定で1千7百億円を超える。
    各事業に要件はあるものの全体を見ると、影響を被った事業者の多くg既に利用されていると考えており、日銀短観の中小企業資金繰りDIをみると、全国的に悪化する中にあって本県は最も良好な数値を示している。大災害にも似た情勢のなか、今後は、これら緊急対策による事業継承の下支え、言わば安心を提供することと並行し、中小事業者が今後に望みを持てる取組がかかせない。将来を拓く前向きなチャレンジへの応援として、すでに講じた飲食店のテイクアウト等新展開支援としてのがんばるお店お宿応援事業に加え、今回、地域企業のデジタル活用支援事業で追加支援する。
    さらに、希望をつなぐという点では、個人消費や設備投資といった需要回復が待ったなしの課題だ。県中小企業家同友会の調査でも、コロナ禍の影響のトップは「需要減少」であり、その意味でGоTоキャンペーンは、トラベルのみならず、今後のイート、イベント、商店街と合わせ、消費拡大が需要増につながることを期待している。
    その状況を見定めつつ、今後、需要回復策の国への要請を続けるとともに、県としてもサプライチェーン対策に強化や中小企業のデジタル化、販路開拓の支援など、ウイズコロナを前提としたビジネスモデルへのシフトに向けて、二の矢、三の矢を機動的に検討する。

    8、「Withコロナ時代」における観光振興を見据えた県民の県内観光の促進について

    (坪井県議)県では新型コロナで打撃を受けた県内の観光産業の早期回復を図るため「Welcоme Tо Hyоgоキャンペーン」を行っている。特に「ひょうごで泊まろうおトク割引」は好評で、有馬温泉では8月の宿泊客は2割程度増え、淡路島内では三密の回避のため、いつもの7割の部屋数であったとはいえ、満室が続いたと聞いている。あわせて温泉地に宿泊した方を対象にお土産店などで利用できる「おみやげ購入券」については、期限の9月22日までに食博施設に45万枚配布済みでこちらも好評だったと聞いている。このような対策の効果を見ると、県による観光振興が必要かつ重要であることを改めて痛感した。
    今後はさらに様々なキャンペーンを打ち出すべきであり、また、宿泊は無理でも日帰りなら行けるとういう県民を対象とした取組を行う必要yがある。例えば、国では「Gо Tо Eatキャンペーン」が実施される予定だが、それに合わせて日帰り観光であっても「おみやげ購入券」「観光地食事券」のような、気軽に使えるクーポン券を発行することや、クーポン券とツーリズムバス事業をセットにするなど、県民の日帰り観光を促進する支援が必要だ。
    また、観光スポットの魅力に気付いてもらうためには、広報・PR事業を拡充することが必要である。Instagramでハッシュタグを活用した「グッとくる ひょうごフォトコンテスト2020」には、現時点で5,000枚を超える写真の応募があるそうだが、多くの方に見ていただけるSNSを駆使した広報にも力を入れていくことも重要である。
    そこで、これからの秋冬の観光シーズン、さらには「With コロナ時代」における観光振興を見据え、県内観光を促進するために、どのように取り組んでいくのか。

    (井戸知事)我が国の観光消費額28兆円の8割は国内旅行が占める。中でも本県は9割が日帰り、宿泊の場合も4割を県内・近隣府県客が占めている。本県観光需要の回復に向けては、まず、県内や近隣地域からの誘客を中心に加速することが重要だ。このため来月からは、三密を回避しつつ近場の自然を楽しむマイクロツーリズムをターゲットに、秋冬版「あいたい兵庫キャンペーン」を開始する。
    日帰り対策としては。県民等の県内周遊を促すため、2千円相当のお土産をセットにした五国交流バスツアーの造成を支援している。県民交流バス事業の拡充とあいまって、団体旅行が徐々に増えている。さらなる、利用を促進するため、感染対策を見え化する「安心旅プロモーション」の対象を、宿泊施設だけではなく観光バスにも拡大する。
    10月1日からは、観光施設・飲食店等で使えるGоTоTravel地域共通クーポンの配布がスタート。10月末にはGоTоEat食事券の発行もはじまることから、日帰り観光の回復基調を確かなものとしたい。
    宿泊対策では、温泉地宿泊者向けおみやげ購入券の第二弾「兵庫五国の名湯に泊まろうキャンペーン」を実施し、GоTо Travelとの相乗効果を狙う。スキーシーズンを迎える12月からは、スキー場周辺地域の平日宿泊割引を実施する。
    誘客に際しては「あいたい兵庫キャンペーン」のガイドブックを主要駅等に配架し、観光本部ホームページ「ひょうごナビ」で広報する。また、現在、開催中のInstagramフォトコンテストの優秀作品を、観光本部のポスターやホームページで活用する。1万人以上のフォロワーを持つ応募者も複数いるため本県観光事業への継続的な参画を働きかけ、SNS広報の強化を図る。
    さらにはこれらの取組が一過性のものとならないよう、Withコロナ時代における新たな旅スタイルの定着、兵庫五国の魅力のブラッシュアップを通じたリピーターの創出につなげたい。

公明党・県民会議議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

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