議会報告

  • 柴田 佳伸
    第351回(令和2年9月)定例県議会 一般質問(柴田佳伸議員)

    ≪質問項目≫
    1、ポストコロナ社会を見据えた関係人口拡大への取組について
    2、発達障害児の早期発見と早期療育について
    3、聴覚障害者に対する支援の拡充について
    4、新型コロナウイルス感染症に対する偏見や差別への対処について
    5、漁業者の操業環境整備について
    6、自然災害への備えについて
    (1)河川における災害危険情報の発信について
    (2)災害時における建設型の応急仮設住宅の供給について

    ≪質問と答弁のダイジェスト≫

    1、ポストコロナ社会を見据えた関係人口拡大への取組について

    (柴田県議)新型コロナウイルス感染症の拡大を機に、都市部から地方への移住に関心を持つ人が増えている。宍粟市では移住に関する問い合わせは、例年の約2.5倍に増えており、子育て世代からの問い合わせもあると伺った。また、同調査によるとテレワーク経験者に「仕事と生活のどちらを重視したいか」と聞いたところ、64.2%の方が「生活を重視するように変化した」と回答し、24.6%の方が地方移住への関心を高めている。
    一方で、近年働き方改革の一環としてワーケーションという概念も普及しつつある。ワーケーションとは、アメリカなどで普及している過ごし方で、旅費や交通費などは労働者の負担とし、仕事に従事する者は会社やオフィスを離れてリゾート地などに行き、ビデオ会議への参加や報告書提出などをこなしながら休暇をとるというもの。
    国内でも例えば長野県では、一定時間は開設されたワークセンターで仕事をしたりビデオ会議などに出席したりし、それ以外の時間では森林セラピーを受けたり魚釣りや温泉を楽しんだりといったプランを提案している。このワーケーションの動きはポストコロナ社会における新たな生活様式の中での働き方として、さらに広まる可能性を秘めていると思われる。
    今後、コロナ禍を踏まえ高まった地方回帰のニーズを取り込もうと、全国各地で人の奪い合いが激化することが予想される。県には空港が3カ所、新幹線の駅が4カ所存在し、道路交通網も充実し、温泉地もありアピールポイントは十分ある。そうした特徴を生かし、他地域と異なる魅力ある斬新な施策を打ち出していく必要がある。また、市町の取組との連動も不可欠である。
    そこで、ポストコロナ社会を見据えた、地域に継続的に多様な形でかかわる関係人口拡大への取組について、今後どのように取り組むのか。

    (井戸知事)今回のコロナ感染症のパンデミックは、世界的に都市集中の危うさを示すとともにテレワークを急速に普及させた。この結果、居住地域が職場に縛られずに自然が豊かで通勤負担が少ない、地方での暮らしが再評価されつつあると言える。本県でも、多自然地域を中心に移住相談が増加傾向にあり、丹波や西播磨地域では手ごろな空き家の在庫がなくなったというような声が聞かれる。
    豊岡市では昨年の同時期に比べて4.2倍、丹波篠山市では2.0倍、淡路市では2.2倍というような状況である。また、パソナが本社機能を淡路島に移すと発表されたが、この動きは全国的なニュースとなり一つの流れをつくって欲しいと願っている。
    こうした動きを加速化し、地域間競争に勝ち抜くには、ひょうご五国の個性と魅力を大都市圏の住民の方々に発信して、理解していただくことが必要である。本県では、一つに情報ハイウエイを活用して、県下全域でテレワークやワーケーションにも適した環境が整っているので、このことをしっかり伝えていく必要がある。
    こういった情報を発信し理解いただくために、4月には有楽町に「ひょうご移住プラザ」を開設し、県内市町と連携したオンライン相談会やお試しツアーなどの情報を提供している。また、ひょうごでの田舎暮らしを手軽に体験してもらうため、但馬長寿の郷などの県有施設や古民家などを活用したお試し移住、あるいはワーケーションの支援を強化していく。この10月には但馬地域において温泉などを活用したワーケーションのあり方を探るため、首都圏の人材を招いたファムトリップを実施することとしている。これらの反応も十分見極めたい。

    2、発達障害児の早期発見と早期療育について

    (柴田県議)発達障害は早期発見し早期療育することがよいということは認識されている。特に広汎性発達障害は、1歳前後でその特徴が目立ちはじめるとされており、その発見の場として1歳6カ月健診と3歳児健診が重要な機会とされている。また、注意欠陥多動性障害などの発達障害は、多くの児童が保育所や幼稚園で集団生活に慣れる5歳ころまでにその特徴が現れるとされており、市町が任意で実施する5歳児発達相談も発達障害を発見する上で重要な役割を果たしている。
    一方では、保護者が発達障害との指摘を受け入れようとせず、相談や療育に遅れが生じることがあると聞いている。また、発達障害に対する適切な支援がなされない場合、その特性により生じる問題に周囲が気付かずに無理強い、叱責などを繰り返すことで失敗やつまずきの経験が積み重なり自尊感情の低下等を招き、さらなる適応困難、不登校や引きこもり、反社会的行動等の問題行動が生じることがあるとされている。
    発達障害の早期発見の補助的な方法として、ゲイズファインダーというものがある。ゲイズファインダーとは、子供の目線の動きを測定することで、子供の社会性の発達について評価する装置である。子供が動画のどの部分をどのように見ているかをとらえることによって、どんなふうに物を見ているか、何に関心があるかなどを客観的に把握し、子供の発達を理解するうえでの手助けにすることができる。
    このゲイズファインダーについては、平成30年度予算特別委員会にて、わが会派の議員が質問しているところだが、その時は「今後は治験結果や大阪府、西宮市の活用状況も参考にしながらスクリーニングの一方法として市町での活用について研究していきたい」との答弁であった。
    現在、令和3年度中には医療機器認証取得を目指し治験も進められており、活用への期待が伺われる。ゲイズファインダーは発達障害を認定するものではなく、子どもの興味がどこにあるのか知ることで、円滑な子育てに寄与する。また、医師の診断に客観的で安定した評価が加わり、医師、養育者ともに診断に納得を得られやすくなると考える。
    本県として発達障害の診断に非常に時間がかかっている状況を解消するとともに、ゲイズファインダーといった診断ツールを活用するなど、早期発見率を高め、早期療育に繋げていく取組を進めるべきと考えるが所見を。

    (入江福祉部長)市町乳幼児健診での早期発見に努めるほか、県では発達障害児の治療にかかる全県拠点として、こども発達支援センターを設置して診療と療育の一体的提供、診断等を受ける機会が少ない地域への出張発達健康相談、保健師や保育士等のスキルアップのための研修等を行ってきた。
    このほか、早期療育につなぐ重要性から県内どの地域においても一定水準以上の発達障害の診療、対応が可能となるように医師等に対する専門的な研修を県医師会と連携して実施している。ご指摘の視線計測装置「ゲイズファインダー」については、県内では西宮市で導入されているが、健診とは切り離して子どもの様子を確認する道具として活用されていると聞いている。また、大阪府のモデル事業の結果ではゲイズファインダーは発達障害の有無などを判断するものではなく、発達の理解を保護者と共有し、フォローや支援を行うためのツールとされている。
    発達障害の診断は短期間でできない。一方で早期発見の補助的方法としてゲイズファインダーを活用することは、現在進められている治験の結果や費用対効果の検証も踏まえて引き続き研究していきたい。

    4、新型コロナウイルス感染症に対する偏見や差別への対処について

    (柴田県議)新型コロナウイルス感染症に関して感染者、医療従事者、介護従事者やその家族などへのいわれなき誹謗中傷や差別が発生している。誰にも相談することができず悩んでいる方もいると思う。今この時も医療関係者は、コロナ感染の恐怖の中で戦っている。戦っている医療機関の医師や看護師や事務職員にも、子供や孫、そして親がいる。その愛する人たちに、うつすかもしれないという恐怖心や、自分の子供がいじめにあうかもしれないという不安を抱え、医療職という使命の中で戦っている。
    また、偏った正義感や嫉妬心、不安感から指摘に取締りや攻撃を行うといった、「自粛警察」といった風潮も見られる。一方、国においては「偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループ」を設置し、対応が協議検討されている。その中でも、以下のような課題が指摘されている。
    一つ目は、感染者、濃厚接触者、医療・介護従事者等、さらにはその家族に対する偏見、差別や感染リスクが高いと考えられる業種や事業者への心ない攻撃などが問題となっていることから、これらについての実態把握やこれを踏まえた相談や啓発などが求められていること。二つ目は、感染者等に関する情報が公開された結果、まん延防止に資する範囲を超えて、個人のプライバシーの侵害に当たる恐れがあると指摘されている。
    感染者や濃厚接触者が安心して積極的に疫学調査に協力でき、自治体間の情報共有・連携も促進できるような「信頼の連鎖」の構築が必要になっている。県として、コロナ禍でのいわれなき誹謗中傷や差別をなくすため、どのように取り組んでいくのか。

    (井戸知事)県広報紙や人権ジャーナルきずな、新聞広告など様々な媒体を通して、感染者や医療従事者等に対する人権への配慮と正確な情報に基づく冷静な行動を県民に呼びかけている。また、不安の解消や差別事案への対応を図るため、法務局の人権相談窓口等各種相談窓口を案内するなどの啓発も行う。インターネット・モニタリング事業において、新型コロナウイルスに関連するネット上の悪質な書込みを新たに監視対象に追加し、監視を強化した。
    さらに、インターネットを人権啓発に活用する新たな事業「ひょうご・オンライン人権フェア」を開催し、コロナ差別防止を訴える人権メッセージなど多彩な啓発動画等を配信することにより、家庭や職場で人権の大切さを学べる機会の提供をふやしていくなど、幅広い事業に取り組んでいる。
    また、この12月の人権週間に実施する「人権のつどい」においては講演、人権ジャーナルきずな1月号においてもコロナ差別を特集するなど、今後も様々な事業において偏見や差別の解消に向けた啓発を行っていく。患者情報の取扱いにおいては、罹患者やその家族のプライバシーを守ることが基本的取扱の原則である。
    コロナ対策としてさらなる蔓延防止のために一定の情報を提供いただくことが必要であるが、不必要な情報収集や、公開情報をきちんと整理して提供する。このような注意が不可欠になる。
    ご指摘のとおり国のワーキンググループにおける検討状況はしっかりと注視しつつ、県としては粘り強く啓発を継続することが現段階では重要と認識している。

    6、自然災害への備えについて

    (1)河川における災害危険情報の発信について

    (柴田県議)県では、地域の風水害対策情報としてCGハザードマップを構築し、インターネットを活用して、監視カメラ画像、河川の水位や雨量等の情報を発信している。平成28年9月には、姫路市街を流れる船場川の延末地区で、水門操作をしようとした75歳の男性が川に落ち流され死亡するという痛ましい事故が発生している。船場川のような中小河川では急激に水位が上昇し危険な状況になる場合もあるので、監視カメラのリアルタイムでの映像は、身近な状況を把握する上で非常にUである。ぜひとも監視カメラの設置個所を増やし、こういったところにも監視カメラを設置していただきたい。
    一方、発信した情報も伝わらなければ意味がない。普段インターネットを使わない高齢者にも伝わるよう、テレビのデータ放送などでも身近な河川情報を発信することが重要だ。千種川が流れる上郡町は、地上波デジタル放送の難視聴地域ということもあり、ケーブルテレビの加入率は90%以上と聞いている。市町と連携しケーブルテレビで映像発信するということも効果的ではないか。
    台風や線状降水帯による河川氾濫や積乱雲による局地的な大雨の災害が頻繁に発している状況で、視覚で確認できる情報発信が重要である。監視カメラ設置数の増加やケーブルテレビでの情報発信など、多様な情報発信のチャンネルを持つべきである。また、そういった河川の情報をどのように入手することができるのか、県民に十分周知することも大切だ。現状と今後の取り組みは。

    (服部県土整備部長)今年度は河川の増水状況等を視覚的に確認できる河川監視カメラを増設することとして、避難の判断基準となる水位計設置箇所を中心に、134箇所からから約270箇所に倍増させる。このような災害危険情報をより多くの県民に活用してもらうためには、情報発信ツールの多様化と県民への情報入手方法の周知が必要である。
    情報発信ツールの多様化では、インターネットを介して河川監視カメラ画像をCGハザードマップでは全箇所、ヤフーでは市川等主要河川の74箇所を配信している。また、インターネットを利用しない方に配慮してNHKのデータ放送での配信や、ご指摘のケーブルテレビでも上郡町等9市町で配信している。今後、今回のカメラ増設に合わせて、さらなる配信の拡大を市町やケーブルテレビ等に働きかけていく。
    県民への情報入手方法の周知では、CGハザードマップの利用方法について、毎年梅雨頃、テレビ・新聞等のメディアや県民だよりひょうごでPRしているほか、イオンやローソン等での啓発チラシの配布等にも取り組んでいる。また、これまで県立和田山高校等12校で出前講座を行うなど、若年層から親の世代への普及も図っている。

公明党・県民会議議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

  1. ホーム
  2. 議会報告一覧
  3. 第351回(令和2年9月)定例県議会 一般質問(柴田佳伸議員)