議会報告

  • 島山 清史
    第352回(令和2年12月)定例県議会 一般質問(島山清史議員)


    ≪質問項目≫
    1、県行政のデジタル化に向けた組織整備等について
    2、分散型社会の要請や地方回帰の機運を捉えた地域創生の加速化について
    3、性暴力・性犯罪加害者に対する再犯抑止策について
    4、コロナ禍における女性、子どもの命を守る取組について
    5、子宮頸がん発症状況とHPVワクチン接種率の現状について
    6、保育現場における歯科口腔保健対策の推進について
    7、特別支援学校体育館における空調設備の整備について

    ≪質問と答弁のダイジェスト≫

    1、県行政のデジタル化に向けた組織整備等について

    (島山県議)本年9月定例会の我が会派の代表質問で、坪井議員より県行政のデジタル化を進める体制構築について質問したところ、知事からは「組織面では、例えば政策立案部門や事務改革部門と、情報部門の統合など専門組織の設置を検討するほか、その推進役として、ICTの豊富な知識とマネジメント力・行動力のある外部人材の登用も検討していく」と答弁され、知事の意気込みを感じところだ。この機になんとしてもスピード感を持って、実際に機能する組織構築に向けて取り組んでいただきたい。
    そのためにも、専門組織は部局横断的に権限と予算をセットに即戦力となる外部人材はもとより、内部からも改革意欲にあふれる人材を結集するとともに、デジタル行政の内製化を図るために、例えば職員採用も技官として情報技術の採用枠「デジタル総合職(仮称)」を新設するなど検討してみてはどうか。
    来年度は大幅な収入減が見込まれることから、難しい予算編成になると思われるが、デジタル化の進展を図ることは、地域間競争に勝ち抜くためにも必要不可欠であり、スピード感が重要である。来年4月の組織編成に向け、組織整備及び外部人材登用に向けた現在の検討状況、今後の方向性について伺う。

    (井戸知事)本県の組織のあり方については、他府県の事例も参考にしつつ、新しい組織を設置し各部から人と権限の集中が可能かどうか、デジタル部門を一定程度増員し組織統合等で組織を強化するのか、デジタル部門を一括集中せず、デジタルによる事務改革部門とビッグデータ・AIを活用したスマートシティ等新政策を立案するセクションに二分し、両者の統括官としてCIOを置くか等、様々な視点から検討を加えている。
    ご提案の専門職採用には、マネージャーや実務リーダーとなるまでに時間を要するという課題もある。当面幹部・所属長クラスや班長クラスに即戦力の人材を登用すべく、人気、常勤・非常勤の別、神戸市等が実施している人材紹介会社の活用、あるいは情報コンサルタント会社等からの出向・派遣などを検討していく。



    2、分散型社会の要請や地方回帰の機運を捉えた地域創生の加速化について

    (島山県議)新型コロナウイルス感染症の影響で、移動の規模が縮小するなかで、兵庫県の転出超過が拡大していることを踏まえ、新たな対策を考える必要もある。国は、今年の7月に地方創生の方向性と施策をまとめた2020年「まち・ひと・しごと創生基本方針」を閣議決定した。ただでさえ少子高齢化と人口減少が著しい地方が、感染症克服と経済活性化の両立をどう進めるか、基本方針ではこの点を最も重視している。
    施策の柱は○自治体独自の感染症対策などを支援する「地方創生臨時交付金」の活用、○地域と継続的なつながりを保つ「関係人口」の創出〇結婚・出産・子育てしやすい地域環境の整備などですが、特に注目したいのは、地方への移住・定着を促す「リモートワーク」の推進を掲げたことだ。代表的な例が、職場以外の場所で仕事をするテレワークである。
    先日、産業労働常任委員会の管内調査で新温泉町商工会や湯村温泉観光協会の代表の方々と意見交換させていただいた。そこで、移住相談などが例年に比べ大幅に増加しているこの機を捉え「ワーケーション特区」に指定してもらい、素晴らしい自然環境の中で温泉と食事を楽しみながら仕事できる、湯村スタイルを発信したいとの意気込みを語られていた。
    感染拡大後に実施された内閣府の調査によると、全国で3割以上の人がテレワークを経験したと答えており、コロナ禍を通じてそのメリットが見直されている。また、コロナ禍の経験から本社機能を東京から地方へ移す企業が出始め、変化の兆しが生じている。人材派遣大手のパソナグループは東京にある本社から経営企画や人事などの機能を兵庫県の淡路島に段階的に移し、本社社員約1,200人の移動に向けて動き出している。
    分散型社会を実現するため、この機を逃してはならない。県下各地でリモートワーク拠点を創設したり、パソナの事例をモデルに本県が本社機能の受け皿となり得ることをアピールしたりするなど、地方回帰の機運を捉えた地方創生の加速化を図る必要があると考えるが所見を。

    (井戸知事)全県に張り巡らされた兵庫情報ハイウェイにより、新温泉町や佐用町でも均一料金で高速通信が可能と本県ではされている。そのため、テレワーク志向の産業立地に最適である。今年度中には、兵庫情報ハイウェイを東京まで拡張するスーパーハイウェイを整備する。これにより、東日本全体が均一料金で利用できるようになる。この基盤を最大限に活かさなければならない。
    首都圏でのIT企業などの情報収集・誘致体制も充実させていく。事務所、事業所まで支援対象を拡大し、法人事業税の減免割合を増大した産業立地条例の活用や幅広い誘致策、五国の豊かな生活文化を発信していく。先日、新温泉町で実施したワーケーションファムトリップでは、「東京から鳥取空港経由なら新温泉町は意外と近い、松葉ガニや神戸ビーフの故郷とは知らなかった、古民家等空き家のオフィス用改修支援制度も整っている、他地域からの人の受入に積極的である」などの声が上がっていた。さらに、招へい者と加工グループとの間で食材の取引が始まるなど、地域の活性化に繋がる関係も構築でき想定外の効果もあった。このような取組を西播磨や丹波などでも実施し、ワーケーション適地兵庫を首都圏にPRしていく。
    また、パソナの本社移転表明依頼、首都圏からの企業移転、移住の問い合わせが増加してきている淡路では、島内三市と県民局で産業やオフィス用地のみならず住宅、教育など生活環境も含めた相談窓口の整備を行っていく。



    3、性暴力・性犯罪加害者に対する再犯抑止策について

    (島山県議)性犯罪を繰り返す加害者の家族から、カウンセリングや治療を受けさせたいが窓口がどこにあるか分からないとの相談を受けた。県内に窓口は見つからず、大阪府には性犯罪で刑事処分を受けた人の相談窓口があったり、福岡県では今年の5月に性暴力の加害者や自身の性的な問題行動に悩む人を対象とする窓口を開設している。
    性犯罪者は刑務所内では再犯防止プログラムを受けるが、出所後は継続的な取り組みが行われていないことが、再犯率低下につながっていないのではないか。性暴力・性犯罪は心身に多大なダメージを与え、その被害者個人の人格と尊厳を著しく侵害する行為だ。刑法犯認知件数は減少傾向にあるが、女性や子どもが対象となる犯罪は高止まりしている。 こうした性暴力・性犯罪の加害者や自身の性的行動に悩む人を対象とした、相談窓口の開設や性犯罪リスクの高い刑務所出所者等に対する出所後の継続的な支援が必要ではないか。

    (松森県民生活部長)県では性犯罪を含む再犯防止対策として「再犯防止関係機関連絡会議」を設置し、国や県、市町の関係機関や更生保護団体等が連携して出所者等に対する就労や住宅、福祉等の継続的な支援を行っている。なお、性依存症対策としては、その他の依存症と同様に県精神保健福祉センター内のひょうご・こうべ依存症対策センターで、本人や家族からの相談対応や医療機関の紹介を実施している。また、相談窓口については、大阪府では月1件程度、福岡県では月6件程度の実績となっている。今後国の動向や他府県の取組の成果などを踏まえ、「関係機関連絡会議」の場を活用して、更なる再犯抑止のため出所者等への継続的な支援の充実を図っていく。



    4、コロナ禍における女性、子どもの命を守る取組について

    (島山県議)新型コロナウイルス感染症の間接的な影響としては、自殺が挙げられる。コロナに起因するものとは言い切れないが、全国で7月以降4カ月連続で前年同月より増加しており、10月は暫定値ながら前年同月よりも約4割も多い2,158人に達している。こうしたトレンドは兵庫県も例外ではない。
    なかでも、女性と子どもの自殺が目立ってきていることは大変憂慮すべきことだ。女性の自殺は10月は852人で前年同月より約8割も増えている。その理由について、厚生労働省の依頼で自殺対策の調査研究を行っている「いのち支える自殺対策推進センター」は、非正規雇用が多い女性はコロナ禍による失業などで経済的に困窮しやすいことに加え、家庭にいる時間が増えたため、DVや育児の悩み、介護疲れなどの問題が深刻化した可能性を指摘している。兵庫県でのDV相談件数は年々増加し、令和元年度は19,171件の相談があった。
    また、全国で子どもの自殺が増えていることも看過できない。特に8月には高校生の自殺が過去5年間で最も多くなっており深刻な状況だ。その要因としてコロナ禍における学習環境の急変などが背景にあるとみられている。
    兵庫県ではこれまでも、女性や子どもの悩みに対して相談窓口を設置し、様々な媒体を活用しながら啓発を行ってきたが、更なる強化が必要である。また、さらなる経済的支援も必要ではないかと考える。県下自治体の中には、ひとり親家庭への追加支援をする動きがあります。県下の状況を速やかに把握し、真に困っている方への直接的な支援も必要である。
    そこで、コロナ禍における女性、子どもの自殺の現状をまずは調査するとともに、自殺に追い込まれることのないように、こうした方々の命をどのように守っていくのか。

    (入江福祉部長)ご指摘の現状の調査については、自殺統計に加えて精神保健福祉センターやいのちと心のサポートダイヤルに寄せられる相談内容から年齢・性別によるリスク要因を把握・分析し、支援に活用している。また、こころのケアセンターにおいて、新型コロナウイルス感染症がもたらす心理的影響とその対策に関する調査研究を進めている。一方で、相談者の悩みや不安を解消することで自殺を抑制できると考えている。
    まず、女性への対応については「悩みのほっとライン」や「女性のための悩み相談」の相談窓口のほか、経済的な基盤が脆弱な母子家庭などひとり親家庭については、兵庫県弁護士会に委託している「経済問題等心の悩み法律相談」の相談時間を補正予算等により拡充し、労働問題や離婚等の解決に向けた手続きの助言を行っている。加えて、今後、ひとり親臨時特別給付金が国の方で再支給が検討され、経済的支援を行っていく。
    次に、子どもへの対応については、従来から「自殺予防に生かせる教育プログラム」を授業等で活用しているほか、「LINE無料電話相談」あるいは「ひょうごっ子悩み相談」などのSNSや電話を用いた相談窓口を設置し、孤独の解消や支援機関へのつなぎや見守りを行っている。加えて、市町の実態に応じて心のケア支援員を新たに配置するとともに、スクールカウンセラーの相談時間を拡充するなど、こころのケアを行っている。

    5、子宮頸がん発症状況とHPVワクチン接種率の現状について

    (島山県議)厚生労働省は令和2年10月9日付けでHPV感染症にかかる定期摂取の対象者等への通知について、対象者への情報提供に消極的であった姿勢を修正し、HPVワクチン接種の判断材料となる有効性・安全性に関する情報と摂取を希望した場合の円滑な摂取を促す情報提供を図るよう都道府県に対して通知している。
    県下でも、対象者に個別に説明資料等を送付している姫路市の事例があり、その他県下の市町でもこうした取組を推進すべきである。現下の課題としては、現状や判断材料となる正確な情報が対象者や保護者に伝わっていないこと、また、ワクチン接種に対する公費助成があるにもかかわらず、知らない保護者が増えており、公費助成には対象年齢期間があり知らずに逃しているケースがある。
    県下の子宮頸がん発症状況について、どのように考えているのか。また、現状についてどのように考え、どのような対策が必要と考えているのか。

    (藪本健康福祉部長)本県の子宮頸がん罹患者は平成27年が488名、28年が495名、29年が474名とここ数年は400人台後半で推移している。HPVワクチンについては、平成25年4月に定期摂取化されたが、ワクチンとの因果関係を否定できない重篤な副反応が報告され、同年6月から現在まで、定期摂取の位置づけは変わらないものの、国においては「接種の積極的な勧奨とならないよう留意すること」との姿勢が維持されている。
    この間、平成30年10月に行われた国の調査では「HPVワクチンの接種についてわからないことが多いため摂取への判断ができない」と考えている方が4割を超える等、国民への情報が十分行き届いていないことも明らかとなっている。
    そのため、県では子宮頸がんの原因の50から70%を防ぐといわれている、このワクチンの有効性や摂取部位の痛みや腫れなどの副反応を含めた安全性に関する正確な情報等について、国が作成したリーフレットも活用して、県のホームページで周知している。
    ワクチンに関する個別通知については、県内では令和元年度に3市町が実施、また令和2年度、今年度は30市町が実施または予定している。個別実施した市町では、接種者が前年度に比べて増加するなどワクチン接種率向上への効果が見て取れる状況となっている。
    県ではHPVワクチンの接種については、積極的な勧奨の再開の是非が判断されるまでは、正確な情報を周知し接種希望者等がワクチン接種の効果等を検討・判断できるよう努める。また、子宮頸がん検診についても、居住市町以外、例えば大学や職場等のある市町でも受診できるよう関係機関との協議を進めるなど対策を強化していく。

    6、保育現場における歯科口腔保健対策の推進について

    (島山県議)本年9月30日、岡山大学大学院歯科薬学総合研究科(歯科)の森田学教授と岡山大学病院予防歯科の横井彩委員らのグループは、1歳半で保育所へ向かう幼児は、日中、母親の養育を受ける幼児と比べて、3歳になるまでに、むし歯になるリスクが1.55倍であることを明らかにした。母親の養育を受ける幼児は保育所へ通う幼児と比べて、おやつの回数が少なかったり、毎日の歯磨き習慣が身についていたりする幼児が多いことが原因としてあげられている。
    「1歳半は第一の(むし歯の)感染の窓」と言われていることから、これまで兵庫県下の各市町では、幼児期の早期から健診を実施しているが、今回の岡山大学が実施したような疫学的な調査はされていないと聞いている。
    これまで待機児童対策として保育所数は右肩上がりで増えており、県下でも同じような状況にあるのであれば、早急に対応する必要があるのではないか。まずはこうした実態調査と保育現場の実態をきちんと把握する必要があるのではないか。
    私が保育現場で聞き取ったところでは、幼児自ら歯磨きをすることが難しい3歳までの幼児に対して、必ずしも保育時間内に保育士が歯磨きを実施しているとは限らないようだ。したがって、帰宅後に親が歯磨きをしなければ、まったく歯磨きしないことになる。
    まずは県下の状況を調査すると共に、乳幼児の母子保健対策を担う市町において、歯科衛生士を活用した保育現場での歯科口腔保健対策の強化が重要であると考えるが所見を伺う。

    (藪本健康福祉部長)県では、妊娠期において産科と歯科との連携による妊婦歯科健診や歯科保健指導を推進している。また、乳幼児期においては、市町で口腔機能の発達を促すため、歯の成長段階に応じた離乳食の作り方や与え方の指導、また、むし歯予防として、歯みがき指導やフッ化物塗布を推進している。これらの取組の結果、昨年度のむし歯の有病率は、平成20年度と比べて、1歳半では1.8%から0.8%、3歳では20.2%から10.0%とそれぞれ半減している。
    一方、乳幼児期の歯磨き習慣や食習慣は、歯の健康と密接な関係があるにもかかわらず、保育現場での歯みがき指導やおやつの与え方などの状況については、十分把握できていない。今後は、保育現場におけるこれらの実態把握を行い、その結果も踏まえ、例えば、保育所等での歯科衛生士による歯みがきや食事指導、また、生活習慣とむし歯予防の啓発リーフレットの作成、さらに、乳幼児歯科健診時の健康指導など、市町や保育現場での歯科口腔保健対策に取り組んでいく。

    7、特別支援学校体育館における空調設備の整備について

    (島山県議)阪神間でこやの里特別支援学校、阪神特別支援学校、芦屋特別支援学校の過大過密状態が続いており、これから続くウィズコロナの時代で、広い屋内空間で遊ぶことができる体育館で、空調設備の早急な整備を進める必要がある。さらに、これらの体育館の中には避難所に指定されているところもあり、そうした観点からも整備が急がれる。
    県立の特別支援学校は総じて、築年時の古いものも多い。県では学校施設の老朽化対策を推進するにあたり、県立学校施設管理計画を策定し、学校施設の長寿命化改修などを行っている。その中で、既存施設に空調整備を施すことは可能である。ただ、この計画では、県立高校と特別支援学校を同列に、建築年数及び耐震化実施状況を考慮して、長寿命化改修を行うものとされていることである。特別支援学校を優先的に改修するなんらかのアドバンテージがあってもいいのではないか。
    県下の市立の特別支援学校が体育館に空調設備を備えていることを考えれば、いままさに整備しようとしている、川西市の阪神北地域新設特別支援学校(仮称)は標準装備とすべきであると考える。また、既存の特別支援学校の体育館でも、早期に空調設備を整備するべきであると考えるが所見を。

    (西上教育長)特別な財源がないので使用頻度等を考慮し、段階的に進めざるをえない。まずは普通教室への整備を進め、平成30年度に完了した。次に特別教室への整備は約140億円かかるので、夏場でも窓を閉め切って授業を行う音楽教室や室内温度が高くなる調理室など、優先順位の高い5室から整備をしている。特別支援学校は令和元年度にこの5室は完了している。体育館への空調整備は、やはり全ての特別教室の整備完了後とならざるを得ない。その際には、市町避難所に指定されている特別支援学校から優先的に整備していきたい。
    川西市に新設する特別支援学校については、特別教室・体育館も含めて空調を整備することとしている。今後とも、優先順位を考慮しながら計画的に整備していく。

    (島山県議コメント)特別教室では、狭い空間で密になってしまう。体育館のような広い部屋で夏場でも活動できるようにしてほしいという現場教員からの切なる声である。今後、新しく整備する学校には空調を整備するということだが、できるだけ早く特別支援学校を優先的に整備してほしい。

公明党・県民会議議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

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