議会報告

  • 谷井 いさお
    第353回(令和3年2月)定例県議会 代表質問(谷井いさお議員)

    ≪質問項目≫
    1、令和3年度当初予算の編成方針について
    2、新型コロナウイルス感染症対策について
    (1)在宅オンライン診療の活用支援について
    (2)ワクチン接種における体制整備について
    (3)県独自の中小企業への支援について
    3、がん患者に対するアピアランス支援について
    4、不妊治療における検査費補助制度の創設について
    5、重度障がい児者に対する訪問看護療養費の助成拡充について
    6、性被害対策の強化について
    7、地域の安全・安心のための通学路の整備推進について
    8、ICTを活用した教育の更なる充実について

    ≪質問と答弁のダイジェスト≫

    1、令和3年度当初予算の編成方針について

    (谷井県議)来年度当初予算編成の基本方針では、引き続き選択と集中を徹底するとともに、新型コロナの感染拡大に伴い来年度の県税等収入が前年度から大幅に減収する見込みであることから、緊急・臨時的な対応策として事業の抜本的な見直しやシーリングの強化を行い、事業のスクラップ・アンド・ビルドを徹底するとしている。
    一方で、ポストコロナ社会を見据え①デジタル化の加速②変化に強い産業構造への転換③地方回帰の3つの社会の変化に対応されようとしているが、これらの新規事業を大胆に推進するためには、それなりの予算を確保する必要がある。
    また、国では15カ月予算として一体で編成された2020年度第3次補正予算を活用して、防災・減災対策、子育て支援、中小企業支援、デジタル行政の推進、脱炭素社会の実現などに努めることとしており、国や各市町との連携を緊密に図りながら的確に各事業を推進することも大変重要である。
    こうした中、我が会派としては少子高齢化が進む現状において、県民生活に密着している福祉・医療・介護をはじめとする社会福祉関係費や地域の生活道路整備などの県単独土木事業費は断じて削減するべきではない、むしろ、がん対策や不妊治療検査への助成制度の新設など、各論は後に質問しますが拡充すべきであると考える。
    知事は先日の提案説明で「未来に向けた投資はためらってはいけない。厳しい財政環境にあっても創意工夫しなければならない。当初予算編成にあたっては当面のコロナ対策はもちろんのこと、兵庫のポテンシャルを更に伸ばし活かせるよう想いを込めた施策を掲げた」と発言されているが、このような厳しい財政状況の中でポストコロナ社会に向け、県民に希望を抱いてもらえるよう、どのように当初予算を編成したのか。

    (井戸知事)予算編成にあたっては緊急、臨時的な対応として、シーリングの強化や事業数の10%削減など施策の選択と集中に取り組み、あわせて特別職の給料と管理職手当の抑制措置も強化した。また、新たに緊急的対策として制度化された特別減収対策債等を活用し、収支均衡の予算を編成することができた。
    しかし、厳しい財政状況下でも県民サービスを後退させることのないよう創意工夫をこらさなければならない。とりわけ、医療・介護の確保、妊娠・出産・子育て環境の充実、雇用の維持など県民生活への影響が大きい施策については、限られた財源を重点的に投入し、さらなる充実を図った。
    医療体制の強化などコロナ関連事業の充実、二つに、重度障害者等が利用する訪問看護療養費に対する福祉医療制度の拡充、三つに、がん患者のウイッグ等補正具の購入費支援事業の創設、四つに、国と歩調を合わせて特定不妊治療費助成の拡充と県単独での不妊治療ペア検査女性の創設、五つにアウトリーチ型の育児相談の実施、六つに離職された方々1200人分の緊急的な雇用・就業機会の創出など、直面する喫緊の課題にも取り組んだ。
    投資規模は14カ月予算としては国庫補助の公共事業の活用を図り、公共事業・単独事業を合わせて、前年度と同額を確保した。県単土木事業についても地域に密着した必要な事業を確保している。加えて、デジタル化の本格的推進、産業構造の転換の促進、地方回帰を促す環境整備なdふぉ、ポストコロナ社会を見据えた施策も展開していく。


    2、新型コロナウイルス感染症対策について

    (2)ワクチン接種における体制整備について

    (谷井県議)本県では、我が会派も要請したが1月25日にいち早くワクチン対策課を設置するなど迅速な対応を評価する。しかし、課題はワクチン接種をいかにスムーズに進めるか、そのシステム構築が大変重要だ。
    医療従事者等の優先接種は県が担当し、高齢者や基礎疾患のある方、高齢者施設等の従事者、一般の方々への摂取は市町が担当することとなっているが、接種場所の確保、接種する人員の確保、ワクチンの輸送、接種クーポン券の配布、住民への接種勧奨など多くの課題が山積している。神戸市では、かかりつけ医と集団接種によるハイブリット方式の接種を進めていると報道されている。市町によっては医療機関や医療従事者の確保が十分でないことへの対応や広大なエリアに対応する接種用バスの巡回などを検討されていると伺っているが、単独で摂取するより県が支援し広域調整を行うことで、より安全性・効率性を高めることができるのではないか。
    また、ワクチンに対して不安を持たれている方も少なくないことから、ワクチンの有効性、安全性、副反応への対処など可能な限り正しい情報を分かりやすく丁寧に発信するとともに、接種場所や方法などの手順についても可能な限り早く情報提供を行う必要がある。また、接種に関する質問や不安などの相談を受け付ける専用コールセンターの配置なども県の役割であり、重要である。
    そこで県が実施する医療従事者等の接種と市町の実施する接種も含めて、混乱なく安心して摂取できる環境をどのように構築していくのか。

    (井戸知事)県が調整主体となる医療従事者への優先接種については①まず接種施設の確保が大事だ②次いで中核医療機関におけるワクチン等の管理や配送作業についての体制整備を行う必要がある③接種が集中しないような予約の仕組み、できれば統一的なオンライン予約システムの構築などに取り組んでいく。
    一方、市町が主体となる住民接種については、接種医療機関や医療従事者の確保が困難な場合も想定されている。県としては、①まず接種医療機関や意思・看護師等確保のための医師会等関係団体への協力をいただくべくはたらきかけなどの努力②次いで広域接種に係る市町間の調整などを積極的に行い、市町を支援していく。
    ワクチンの有効性や安全性に対する県民の不安については、副反応を疑う症状等へ対応するため、3月中頃には看護師等の専門職を配置した相談窓口を設置した。また、ワクチンが「いつごろ」「どの種類が」「どれくらい」「どのような間隔で」供給されるのか、国に対して迅速かつ正確に示すよう強く要望している。昨日もニュースで承知したが、河野担当大臣が総理とも相談し、スケジュールを地方団体に対して近いうちに示されるということなので、期待している。加えて、県自らも情報収集に努め、正確な情報をホームページ等を通じて県民に提供して、不安払拭に努める。


    4、不妊治療における検査費補助制度の創設について

    (谷井県議)公明党では、一貫して不妊治療への支援拡大を後押ししてきた。1998年党の基本政策大綱に不妊治療の保険適用を盛り込み、2000年には党女性委員会が署名運動を行い、約55万人の署名を政府に提出。その結果、2004年に坂口厚生労働大臣の下で、国において助成制度がスタートした。
    その後、本年1月より特定不妊治療支援の所得制限が撤廃されるなど大幅な拡充が行われ、令和4年度の保険適用化に向けて審議が進んでいる。
    昨年12月には、公明党の兵庫県女性局で神戸市のクリニックを視察したが、その際も夫婦同時での早期の検査・治療が不妊治療においては重要だとの説明を受けた。
    男性が医療機関で検査を受けることは時間的・心理的・経済的なハードルが高く、なかなか実行できていない人がほとんどで、初期段階では女性だけが検査や治療を受けているケースが多いのが現状。また、不妊治療を受ける前に行う検査については保険適用されていない検査もあり、患者の負担になっている。不妊に悩むご夫婦がまずは検査に行くハードルを下げることが必要である。
    昨年12月定例会代表質問では、あしだ議員から不妊・不育に対する支援について質問したが、金澤副知事から「夫の受診や早期検査のインセンティブとなるような、新たな支援の仕組みも検討している」との答弁があり、来年度予算案に盛り込んでいただいているが、効果ある施策とするためにも、十分な制度設計を行い必要としている方々へつなげていかなければならない。また、事業主体は市町であり、丁寧な説明をおこなうなど円滑な実施に向けた後押しをお願いしたい。そこで、来年度予算でどのような支援制度が創設され、今後どのように進めていくのか。

    (井戸知事)国では、令和4年度からの保険適用を視野に入れて、特定不妊治療についてこの1月から所得制限の撤廃、助成額や助成回数の増加等、支援制度が拡充された。例えば所得制限は730万円であったのが撤廃され、助成額も初回30万円、2回目以降が15万円であったのを、1回30万円の助成。そして助成回数を生涯を通じて6回までであったが、1子ごとに6回までという風に拡充された。
    一方、不妊治療による妊娠率は加齢とともに低下することになる。早期の治療開始が望まれるが、夫の理解不足や晩婚化などで治療開始が遅れることが課題になっている。このため、県では夫の受診を促進し早期検査のインセンティブとなるように新たに「不妊治療ペア検査助成事業」を創設した。当事業では、夫婦そろって受診した場合に一定の所得制限のもと、男性の精液検査や女性の甲状腺機能検査、抗精子抗体検査等、保険適用外の検査料の7割を市町と協働して助成することにした。保険適用と同じ自己負担にしたということ。
    当事業を円滑に推進するためには、市町の参画が不可欠。そのため1月21日の「県・市町懇話会」で、各市町長に対して事業説明を行うとともに担当課には情報提供を行った。その結果、現時点では、検討中を含め26市町が取り組む方向であると承知している。県としては全市町での実施を目指し母子担当者会議等あらゆる機会を通じて市町での実施を働きかけていく。


    5、重度障がい児者に対する訪問看護療養費の助成拡充について

    (谷井県議)本県で実施している重度障害者医療費助成事業は重度の障がいがある方に対して、必要とする医療を受ける際の経済的負担を軽減するため、医療費の自己負担額の一部を助成する制度である。
    本制度は重度心身障がい児の保険の向上と福祉の増進に大いに役立っているものだが、訪問看護ステーションが提供する訪問看護は在宅における療養上の生活支援の意味合いが強いとして、訪問看護療養費は医療費助成の対象となっていない。この助成拡充については、昨年2月定例会及び9月定例会代表質問で我が会派から強く訴えてきた。
    先の9月定例会では知事から次のとおり答弁があった。「訪問看護の利用者のうち、既存の公費負担の制度が適用されていない方について、事業規模の把握に向けた調査を実施するとともに、その結果や関係者の意見等も踏まえ、来年度の当初予算編成作業のなかでニーズに沿った制度のあり方の検討を進める」との答弁であった。
    県下の自治体からも、障害者計画の来年度改訂にあたり関係団体から「障がい児者本人や家族の高齢化に伴い、訪問看護によるリハビリが必要になってきている。褥瘡(じょくそう)予防にも不可欠なため、助成による負担軽減を要望する」との意見があったと聞いている。
    重度障がい児者が利用する訪問看護療養費を福祉医療の助成対象に追加し、経済的負担を軽減すると知事からも提案説明があったが、利用者の負担を軽減し、訪問看護の利用を促進するため訪問看護療養費の助成の拡充について所見を。

    (井戸知事)訪問看護ステーションの訪問看護については、平成6年の訪問看護療養費の制度創設当時には主として療養上のお世話が対象とされていたので、県ではこれまで福祉医療制度の対象外としてきた。
    一方で、在宅医療の進展等により訪問看護ステーションの役割は少しずつ変化し、重度の患者の利用も増加してきている。このため、訪問看護の利用者のうち既存の公費負担制度が適用されていない方について、訪問看護ステーション連絡協議会を通じて調査したところ、現在では重度障害者以外にも、ほとんどの方が療養上の世話だけでなく例えばじょく瘡予防や処置、膀胱留置カテーテルの交換や管理、在宅酸素療法の指導などの医療処置を受けていることが判明した。
    このようなことから、訪問看護ステーションの利用について経済的負担を軽減し、在宅医療を受けやすくするよう、全ての福祉医療制度において訪問看護療養費を新たに助成対象に含めることとするものである。予算成立後には全市町の協力を得て福祉医療制度の受給者証の更新にあわせて本年7月から助成を拡充する。

公明党・県民会議議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

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