議会報告

  • 天野 文夫
    第353回(令和3年2月)定例県議会 一般質問(天野文夫議員)

    ≪質問項目≫
    1、障害者雇用の促進のための民間企業への支援について
    2、就労外国人及び家族との地域での共生に向けた支援について
    3、森林環境譲与税を活用した市町の森林整備の促進について
    (1)新たな森林管理システムの市町の取組への支援について
    (2)県産木材の利用促進について
    4、日本玩具博物館等の民間博物館への支援について
    5、小学校高学年への強化担任制導入を契機とした小中一貫教育の推進について
    6、Live110の成果と課題について

    ≪質問と答弁のダイジェスト≫

    1、障害者雇用の促進のための民間企業への支援について

    (天野県議)障害者雇用の環境整備は障害者と相談し、お互い認識をすり合わせながら進めていくが、障害者にとって必要な配慮は場合によっては企業側に様々な準備が必要となり、必ずしもすべてについて対応できるわけではない。企業として、障害者雇用率を達成する義務を果たすため、積極的に採用に取り組んでも、配属先の部署からは受入が難しい即戦力になりづらいという理由で断られることもあるようだ。
    また、障害者を雇用するにあたっては、本人の適性や希望を十分に考慮しなければならないが、障害特性を見極めた業務の割り振り方やかかわり方など、障害者雇用に関する知識が不十分なため、雇用に踏み切れない企業もあると聞いている。
    この1月に、令和2年度の兵庫県内の民間企業の障害者雇用率が公表された。令和元年度の雇用率は2・16%で、法定雇用率未達成だったのに対し令和2年度は雇用障害者数が440人増加して雇用率は2・21%となり、法定雇用率を達成した。昨年9月に副知事が兵庫労働局、県教育委員会とともに県経営者協会に障害者雇用の拡大を申し入れ同協会を含む県内17団体に協力を要請されたところだが、障害者雇用を増やすための民間企業の努力に敬意を表す。
    しかしながら、障害者の法定雇用率は本年3月より2・3%に引き上げられることになっている。民間企業のさらなる努力が必要となるが、同時に県には民間企業における障害者の働きやすい職場環境づくりなどへの支援の一層の充実が求められると考えるが、今後どのように取り組むのか。
    (谷口産業労働部長)本県では、10か所の障害者就業・生活支援センターで就職に向けた訓練や適正に応じた就職先の開拓、マッチング等を行っている。さらに今年度、県独自のジョブコーチ制度を創設し職場での仕事指導や企業への助言等、伴奏型で支援し、国のジョブコーチ制度と共に、実情に応じた就職・定着支援を推進していく。
    障害者に配慮した職場環境づくりとして、特例子会社の雇用拡大や設立も支援している。企業にとっては、設備の集中化等のメリットもあり、会社数、雇用数とも増加している。
    法定雇用率の未達成企業のなかには、一人も雇用していないケースも多くある。これら企業の障害者に対する理解を促進し、雇用企業数をさらに増やすことも重要である。このため、すでに障害者を雇用している中小企業から、採用のポイントや支援制度、指導方法等をアドバイスするワークフォーラムも開催する。障害者が個々の能力に応じて、生き生きと働ける社会を目指して、引き続き障害者雇用の拡大・定着に取り組む。

    (天野県議(再質問))法定雇用率が3月から2.3%に引き上げられるが、達成すれば順次上がっていきそれが社会の中で障害者が弊害なくやとわれていくシステムになっていくと考える。このシステム化する取組について再質問する。

    (井戸知事)すでに行っている障害者就業・生活支援センターの機能を強化しながら、マッチング事業をさらに充実していきたい。紹介するだけでなく、どう雇用を継続させていくか、定着してもらいたいということに、これから意をもちいていきたい。それも兵庫県版ジョブコーチの役割であり、期待しているところでもある。


    3、森林環境譲与税を活用した市町の森林整備の促進について

    (1)新たな森林管理システムの市町の取組への支援について

    (天野県議)新たな森林管理システムでは、森林所有者に適切な森林管理を促すため、森林管理の責務を明確化すると共に、森林所有者自らが森林管理を実行できない場合に、市町が森林管理の委託をうけ意欲と能力のある林業経営者に再委託し、再委託できない森林及び再委託に至るまでの間の森林においては、市町が管理を行うとされている。市町では森林環境譲与税を財源に条件不利地で行う森林整備や、所有者の意向調査・境界確定、人材育成・担い手の確保などを実施し、譲与税額は令和元年度の約6億円から令和6年度には約19億円になる見込みと聞いている。
    このシステムがうまくいくためには、森林経営管理事業を担う市町の組織体制の強化が何よりも必要だが、県内の多くの市町には林業の専門部署が設置されておらず、専門知識や技術を持った職員が十分でないことから、事業の円滑な実施に向け不安を抱えている市町があるようだ。
    県は市町支援として、ひょうご森づくりサポートセンターの設置や市町職員向け森林林業基礎研修などの支援は展開しているが、市町の実施体制の状況を勘案すると、より踏み込んだ支援を進めるべきではないか。

    (寺尾農政環境部長)多くの市町は林業の専門職員が不足している。このため、県では昨年度「ひょうご森づくりサポートセンター」を設置して、市町して、市町に対してアンケート調査を実施し、また、市町を訪問して指導助言を行うとともに市町職員向けの研修会を開催し、市町職員のスキルアップに努めてきた。この結果、養父市、朝来市など11市町で、奥地等の条件不利地の間伐が372ha実施された。
    今後、森林環境譲与税の交付が増額予定で、市町における事業量の増大が見込まれる。このため、コロナ禍にも対応した研修のオンライン化により、受講機会を拡大するとともに、令和3年度から兵庫みどり公社が、市町から森林整備のための調査・設計・生産などの専門業務の受託を開始して市町の取組を一層促進していく。
    さらに、市町が行う森林所有者への意向調査や境界確定に活用できるように、現在、帳簿や図面で整理している森林情報のデジタル化・クラウド化を進めていく。加えて、木の種類、大きさ、立木の密度など市町職員による森林情報の現地調査を省力化していくために、県が来年度から4年度にかけて実施を予定している航空レーザ測量のデータを市町に提供して、市町業務の効率化を支援していく。

    (2)県産木材の利用促進について

    (天野県議)県では住宅分野の県産木材利用促進施策として「ひょうご木の家」設計支援事業により「ひょうご木の匠」登録工務店による住宅設計を支援している。この事業では、県産木材を50%以上利用し、かつ県産木材を構造材や内装材として見せる住宅設計に対し1件当たり30万円を助成しているが、もっと踏み込んだ助成も必要ではないか。
    また、森林組合に話を伺うと、民家への木材利用の働きかけも必要だが、何よりも公共建築物での利用促進が重要との意見をいただいている。「ひょうご森づくりサポートセンター」では、木材利用について市町へアドバイザー派遣等を実施しているが、市町の新たな施設の木造木質化について、より強力な要請を行う必要があるのではないか。そこで、県産木材のさらなる利用促進が図られるようにどのような取組をしていくのか。

    (井戸知事)コロナ禍の影響が続いており、来年度は県産木造住宅ローンや設計支援の県産木材使用率、今まで50%だったが、これを30%に緩和して利用しやすくすることにした。加えて、利用拡大キャンペーンの助成額を30万円から50万円に引き上げ、リフォームも支援対象にして1件当たり10万円を支援することにしている。
    一方、市町施設では昨年度から「ひょうご森づくりサポートセンター」が木造木質化の提案や設計・防火耐火等の相談を実施している。現在ではまだ92件程度ではあるが、神戸市舞多聞地域福祉センターの木造化や姫路市農業振興センターの木質化が進められている。
    さらに、人目に触れる機会が多い市町庁舎や駅舎等の整備計画がある都市部の市町へ働きかけていくことが重要なので、市町長等へのトップセールスをしていく。また、来年度からサポートセンターの技術者を増員して県産木材利用に向けた市町施設への提案・相談を強化していく。


    4、日本玩具博物館等の民間博物館への支援について

    (天野県議)私は先日、玩具博物館を訪れ、井上重義館長のお話をお聞きする機会があった。玩具博物館は、会社員だった井上館長が、1963年一冊の本との出会いをきっかけに、子どもに関わる文化遺産が失われていく状況を知り、全国各地の郷土玩具の収集を始めたことから始まる。1974年、井上館長が自宅の一部を展示室として公開したのが大きく発展し、多くの方々のご協力によって、我が国を代表する玩具博物館へと成長した。
    日本と世界の玩具や人形についての調査、収集、研究、活動に努め玩具に関わる文化への理解を深めるため、国内外から9万点を超す資料を収集し、常設展と季節ごとに学芸員が企画する特別展とを合わせ、常時5千点を超える展示を行っている。また玩具づくりの講座やイベントなどを開催されている。全国に30数館しかない「ミシュラン・グリーンガイド」二つ星の博物館施設に認定されており、海外からの観光客も訪れると聞いている。
    このように、極めて魅力的な博物館だが、館長・職員の高齢化が進む中で、施設の維持や後継者育成といった大きな課題を抱えている。また、近年、日本玩具博物館の子どもや女性の文化遺産を守る真摯な活動が評価され、貴重な資料の寄贈が相次いでいる。最大の課題は膨大で貴重な資料の伝承である。
    国や自治体からの公的な財政・人的支援が全くない中、博物館を懸命に支えてきた井上館長は次のように言われている。「当館が所蔵する資料は私有財産だとは思っておらず、本来社会が守るべき文化遺産であると考えている。当館の所蔵資料は社会が守るべき文化遺産だと認知され、後世に遺ることを切に願っている」。 地域の社会教育的観点及び地域の貴重な文化遺産を守るという観点から、日本玩具博物館のような有意義な民間博物館への支援に取り組むべきではないか。

    (西上教育長)民間博物館等の運営に対しては県も含め、公的な財政支援はおこなわれていない。県としては、県内の博物館全体としての集客を図る観点から、兵庫県博物館協会による「兵庫県博物館ガイド」の作成、また関西文化の日等への参加呼びかけなどを行っている。加えて、地域の魅力を発信する一環として「兵庫県民だよりHY0GO」の3月号を見ていただければ、民間博物館が紹介されているので、そういった取組をしているところだ。
    質問のあった日本玩具博物館を例にとると、教育委員会としては類似のコレクションを所蔵している県立歴史博物館との共同展の実施等、交流・連携について検討することが可能である。また、所在地を所管している中播磨県民センターにおいても、地域振興策「銀馬車かぼちゃ『ひらがなラリー』」への参加も呼び掛けていると聞いている。


    5、小学校高学年への教科担任制導入を契機とした小中一貫教育の推進について

    (天野県議)私は小中一貫教育を現代の複雑な教育問題を解決する究極の連携教育と考えている。県教育委員会では、小中一貫教育について平成27~29年度に調査研究がすすめられ、私も平成29年の12月定例会の一般質問で、小中一貫教育の全県展開について質問させていただいた。しかしながら、その設置は令和3年度の予定も含めて、義務教育学校が7校、併設型小・中学校が25中学校区に留まっている。設置済みの小中一貫校についても、少子化に伴う学校統廃合を背景として実施されたという側面もあり、設置している自治体を見ますと、偏りがある。とても全県展開できているという状況ではない。
    そのような中、小中一貫教育を一歩でも二歩でも前に進めるためには、小学校と中学校の教員の人的交流を深めて強化の連続性を高めることが重要だ。そうすれば、教員、児童、そして保護者に小中一貫教育の必要性が体感できることになる。小学校での主要教科への教科担任制導入はその良い契機だと考える。
    中教審の答申でも、教科担任制を小学5・6年生から始めるとされているのは、中学校とのスムーズな接続を見通していることによる。教科担任制で先行している自治体では、小学校と中学校が連携しすでに中学教員が小学校で教えているところもあるが、答申では小中両方で教えられるよう教員免許の取得要件を弾力化し、養成課程を共通にすることも提案されており、それが実現すれば人的交流が一層進めやすくなる。そのことによって、小中一貫教育の理念の実体化と推進が進められるのではないかと、期待している。
    県は、少人数学習と組み合わせてきめ細かく指導する「兵庫型教科担任制」を2012年度から全県で導入した先進県である。その経験を踏まえ、2022年度の小学校高学年への教科担任を契機として、小中一貫教育においても先進県となるべく全県展開すべきではないか、所見を。

    (西上教育長)小中一貫教育については、市町が特色ある教育を進める中での選択肢の一つである。本県としては、ご質問あったように平成27年度から3年間、調査研究を行った。その結果、中学生になることへの不安の軽減、また学力向上に効果があった。一方、課題としては1つは小学校の学級担任制と中学校の教科担任制という指導体制の違いを踏まえて、新たな教育課程の編成が大変難しいとういう点、2点目は一つの中学校と複数の小学校が併設する場合には、その小学校同士の連携も必要になるということ、そして3点目は合同行事等に伴う教職員の負担感、こういったことが挙げられる。
    各市町においては、このような効果や課題と共に、1つとしては例えば伝統文化や英語など特定の教育課題に限定した場合は比較的小中一貫は取り組みやすいということ、またすでに小中接続を意識した兵庫型強化担任制の取組が進められている。こういったことを総合的に判断しながら進められていると承知している。結果として、併設型の小・中学校を含む小中一貫校の設置については、比較的小規模な学校で行われているという状況になっている。今後も特色ある教育として小中一貫教育を選択する場合は、これまでの知見をもとに助言すると共に、国に対しては小・中学校の教員がお互いの教員免許を取得しやすくなるような条件整備について引き続き求めていく。

    6、Live110の成果と課題について

    (天野県議)当て逃げの被害者の方から、相談をお聞きすることがあった。その方は、交差点で事故に遭い、加害者は一度止まったものの当て逃げをして去ってしまった。当て逃げの犯人が逮捕されるまでの間、被害者の方は犯人が逮捕されるのか大変不安な思いをされていた。警察の尽力で結局犯人は逮捕されたが、Live110のようなシステムがあれば加害者の車の情報を迅速かつ正確に届けることができ、警察の素早い初動捜査、そしてもっと早い犯人逮捕に繋がったのではないかと思った。
    Live110は、1日1200件も寄せられる110番通報への対応に当たって、正確な情報の把握と、迅速な初動対応、限られた警察人員の効果的な投入を可能とするものであり、事件の解決を願う県民の期待に応えるものだ。全国に先駆けて導入に取組まれた兵庫県警の姿勢に敬意を表する。運用が始まってからどのような成果が見られたのか、また、、運用上の今後の課題について所見を伺う。

    (吉岡県警本部長)通報者からの映像等の提供件数は2月18日現在で26件。そのうち、喧嘩、ひき逃げ容疑、不審者徘徊等の事案において、通報者が撮影した映像により犯人の特徴や使用車両を特定し、早期検挙・早期解決に繋がった事例が11件ある。また、火災等の通報では事案の規模や周囲の状況を迅速かつ正確に把握することができ、必要な警察力の投入による的確な事案対応が可能となったなどの成果を挙げることができた。
    一方で、県民に対する周知は未だ十分とはいえず、通報者からの110番受理時にLive110の説明に相当の時間を費やした事例もあったことから、緊急時、迅速に映像等を送信していただけるよう、引き続きキャンペーン等のあらゆる警察活動を通じて広報啓発に努める。

公明党・県民会議議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

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